郷酒オンラインスト	ア
    
Home 日本酒ニュース 日本酒の超プレミアムブランド【問天】プロデューサー竹久健氏が語る「私が天に問うもの」


北アルプスの豊かな伏流水、蔵元から半径10km以内の契約栽培農家で栽培された酒米「美山錦」「ひとごこち」により醸された日本酒の超プレミアムブランド「問天(もんてん)」。プロデューサーである株式会社問天代表取締役の竹久健氏が語る、日本酒の新しいブランドを立ち上げる事の意義、四合瓶で1本3万5,000円のお酒の価値、パリでの反応について等を余すことなく語っていただきました。

はじめに

私は蔵元の家に生まれたわけでもありません。酒販業界に永年、籍を置いたわけでもありません。普通のサラリーマン家庭で育ち、自身、サラリーマンです。愛好家団体の中核メンバーでもなく、きき酒師の資格すら持っていません。あるのは情熱とビジョンだけ。そんな私が徒手空拳も同然で、日本酒の新しいブランドを立ち上げる事に様々な方から「無謀」「無駄」「無恥」と心配されます。
しかも四合瓶で1本3万5,000円のお酒を出そう、と言うのですから、常識的には正気の沙汰ではありません。
その無謀、無駄、無恥を敢えて超えてこの度「問天」「問世」「浪漫乃根底」という三つのブランドを立ち上げました。
「日本酒における真のプレミアムとは何か?」を天に問い続ける「問天」。
「問天のエッセンスを少しでも多くの人に」と世に問う「問世」。
「美味しいお酒を手頃に、楽しく」がテーマの「浪漫乃根底」。
今、私が日本酒に抱いている思い、ビジョンをまさに「天に問い」「世に問う」という覚悟での参入なのです。

我々が天に問う「付加価値」とは?

私が「1本3万5,000円のお酒を出したい」と、今回の取り組みを始めた際に、決まって聞かれる質問があります。
「米は特A地区の山田錦ですか?」
「純米大吟醸ですよね?」
「何割何分まで磨くのですか?」
「どんなボトルに入れるのですか?」
「山田錦を何パーセントまで磨く」のは間違いなく「コストのかかるお酒」ではあります。しかしながら、それは果たしてお客様の満足度の高いお酒なのでしょうか?本来、お客様が認める価値とはお酒のスペックだけなのでしょうか?
そこから、私の挑戦は始まりました。
私が目を付けたのはワインの市場でした。ワインは1本3万円、5万円、10万円するものもあれば、さらには100万円超えるものもあります。その値段は何で決まるのでしょうか?特殊なブドウを使うわけでも、特殊な醸造法が取られるわけでもなく、何故、ワインにはこれほど高いものがあるのでしょうか?
ワインで最も高く売られるのは特定のクリュ(ブドウ畑)で獲れたブドウで作ったものとされ、更にはそのクリュにも格付けがあり、それぞれに歴史があり、物語があります。何と言っても、「その土地だからできる」と言う。

天に問う価値観

私がまず着目したのは「テロワール」でした。
問天・問世・浪漫乃根底の最大の特色と言えば、醸造元から半径10km以内の特定された水田で獲れた米のみを使用している、と言う事です。
水も当然、地元の水です。
これはフランス・ワインで言えばドメーヌ詰めに限りなく近い作り方なのです。(ドメーヌとの最大の違いは蔵元が農地を保有していない、という点ですが、日本では株式会社が農地を保有することが許されておりません。)

長野県大町市という土地

元々、問天を醸す薄井商店がある長野県大町市は平安時代は伊勢神宮の荘園でした。
正確な時期は定かではありませんが、およそ900年前からここは伊勢神宮の荘園として、伊勢神宮に供える米を作っていた土地でありました。仁科神明宮という市内の神社は伊勢神宮の末社であり、今にその当時の名残をとどめております。
大町はまさに、「神に捧げられた地」なのです。

図2

そんな土地で獲れたお米、そのお米で醸されたお酒が美味しくない訳がありません。
2018年には大町、その中でも問天の契約栽培農家の水田が「神に捧げられた地」であることを物語る事がおきます。
2018年の夏は数十年に一度の猛暑となりました。稲の生育に一定の温度は必要ではありますが、この年はそれをも超える熱波で、稲作への悪影響が心配されました。大町の北の水田も南の水田もこの猛暑のために収穫量の減少を含む影響を受けることになるのですが、問天のための米が作られる一帯だけは、北アルプスから豊富に湧き出る伏流水が絶えず一定の水温で引かれた事が地面を冷やし、熱波の影響を大きく軽減したのです。

図5

尚、この伏流水を引くことは常に一定の温度の水が引かれるため、冷害を防ぐ事にも役に立っているそうであります。

<深水栽培という栽培方法>
問天向けに栽培される米は単に蔵の近くにある、というだけではありません。栽培方法の指定までしている所に「日本酒版ドメーヌ詰め」の真価があります。
問天・問世には「深水栽培」という特殊な栽培方法で育てられた米を使用しています。
通常、水田には水が地上から約5cm程度の高さに張られます。
これに対し、深水栽培は地上から約10cmの高さに水を張ります。これに対し、深水栽培は地上から約10cmの高さに水を張ります。(写真参照)

通常の栽培方法 (水は地上から5cm程度に張る 。茎の分けつが盛んであることが見て取れる。)

通常の栽培方法 (水は地上から5cm程度に張る 。茎の分けつが盛んであることが見て取れる。)

深水栽培 (水は地上から10cm程度に張る。茎の分けつが制限されるため、一本の苗から出る茎の数が少ない。)

深水栽培 (水は地上から10cm程度に張る。茎の分けつが制限されるため、一本の苗から出る茎の数が少ない。)


これにより茎の太い稲を作り、1株あたりの籾の数を付けすぎないことが可能となります。

そしてこの結果、米粒が大きく、丸い心白が中心に出現しやすい酒米ができる事になります。

図8

  • 上が通常栽培、真ん中が深水栽培
  • 深水栽培の茎が太い
  • 通常栽培の方が稲穂の数が多い

図11

  • 右が通常栽培、左が深水栽培の玄米
  • 深水栽培の方が米粒大きい
  • また、深水の方が心白の出現率が高く、中心に大きく出来る傾向にあることが見える

獲れた米は収穫された酒米は2.0mmの直径でふるいに掛けられ、純米大吟醸はさらに2.2mmでふるいにかけられます。
因みに、これはあくまでも参考値ではありますが、兵庫県特A地区で栽培される山田錦は2.05mmでふるいに掛けられます。無論、粒が大きければ良い、と言うものではなく、また品種の違う酒米との比較にあまり意味はないのですが、問天に使われる酒米の品質へのコミットメントを示す基準、と言えるでしょう。

<精米の精度>
お酒を語る上で精米「歩合」以外はあまり語られる事はないのですが、その精米歩合を語る上でも精米はとても大事な事なのです。
精米は全量、同じ大町市内のアルプス搗精工場に出されます。この工場は長野県酒造協同組合が運営する、国内で最大の精米工場です。実はこの、アルプス搗精工場の優れた精米技術が問天の品質を支える要因の一つとなっています。
通常、精米プロセスで砕米が良品から落ちます。この砕米をいかに抑えるかが、技術の見せ所で、この値が高ければ高いほど、見かけの精米歩合と実際の精米歩合(真精米歩合、と言います)との誤差(無効精米歩合)が大きくなってしまいます。業界標準での目標値は5%程度と言われております。
これに対して、アルプス搗精工場では2〜3%の無効精米歩合という極めて優れた実績を誇ります。問天の酒質の安定性はこの精米技術にも支えられています。

<仕込水>
大長野県大町市は北アルプスの麓に位置します。その大町にはこんな昔話が伝わっているそうです。

昔々、信州信濃に大町という集落がありました。
村人達がその真ん中を南北に通る道を作り、生活を始めた頃のお話です。
その道の東側の村人は山里の居谷里という池の湧水を西側の村人はアルプス白沢の湧水を生活に使い始めたのです。
そして月日がたち、たくさんの子供達が生まれました。
しかし、東の集落は女の子ばかり、西の集落は男の子ばかりが生まれたのです。
いつしか村人達は里山居谷里の水を女清水(おんなみず)アルプス白沢の水を男清水(おとこみず)と呼ぶようになりました。
これでは困ったと東と西の村人が話し合いをして南北の道の真中に川を造り、両方の水を合わせて流すことにしました。
そして、更においしくなった水の流れる川の両側にたくさんの村人が集まるようになり男も女もみんな仲良く幸せに暮らしましたとさ…

ここがいかに水を大事にし、親しんできたかが伝わってくる、楽しい話ですね。大町はその豊かな伏流水で知られ、地元では「宝の水」と呼ばれています。
問天特有の柔らかい味わいはこの水のなかでも女清水から生まれます。女清水は北アルプスに降った雪が何千年もかけて長野県の天然記念物に指定されている居谷里湿原から湧き出ていたものです。この「女清水」で仕込まれた問天は独特のまろやかな味わいを演出します。(「紫ラベル」を除く全ての問天はこの水で仕込まれます。)
大変面白い事に、問天の契約栽培農家が育てている水田に流れ込む伏流水は実は「男清水」で、問天は「男清水で育った米を女清水で仕込む」お酒になっています。

紫ラベルに使われる「氷筍水」には物語があります。
1950年代から1960年代にかけて、国内の深刻な電力不足に対応するため、北アルプスの黒部山系には多くのダムが建設されました。
フォッサマグナによる複雑な地層がこの工事を大変困難ものとしました。
物資を運ぶためにトンネルも掘られましたが、大量の地下水が湧き出て工事には一層の苦労と犠牲を強いられました。
これらの困難と立ち向かった人たちの物語は多くの小説、ドラマ、映画になりました。中でも有名になったのは映画「黒部の太陽」でした。
問天紫ラベルはまさにこの水系の水で仕込まれたものです。
このトンネルから湧き出た水は石灰質を多く含み、紫ラベルのシャープでミネラル豊かな味わいをもたらします。

<仕込について>
仕込についてもテロワールへのこだわりがあります。問天を醸す杜氏の松浦氏は小谷杜氏の1人です。小谷杜氏、と言うと少し馴染みの薄い流派かも知れません。流派結成が1933年と比較的新しい杜氏流派でもあります。
長野県小谷村は県北部、富山県との県境に近く、冬は深い雪に閉ざされる村です。幕末の頃から冬の間、男達は信州各地に酒造りに出稼ぎに出た、と言うのが小谷杜氏の始まりとされています。
長野県の風土に合わせた作りを重視する小谷杜氏の伝統は、松浦杜氏の酒造りの中にも受け継がれており、どこまでも真面目、実直です。
決して意味もなく「精米歩合競争」に加わることはありません。最も精米歩合の低い純米大吟醸(通称「青ラベル」)で39%です。
特殊な「新兵器」のような機械を使うわけでもありません。
確かに生酛純米(通称「黒ラベル」)は異彩を放つ味わいです。しかし、他の3種は速醸酛で、問天のブランド名に相応しいレベルのパフォーマンスを発揮します。
米と、水と、酵母と、酒母と。トータルな判断から最適な手段が選ばれる。それだけなのです。
仕上がりとしてはどれも「あ、問天の味だ!」と思える、そんなお酒を目指しています。
ひたすらに、愚直に、そんな思いで作られたお酒を一度、味わってみて下さい。

パリでの反応

図11

グザビエ・チュイザ 氏(ホテル・クリヨンのシェフ・ソムリエ)と竹久健氏

問天というブランドを立ち上げる際に日本酒に近い日本国内の方々(結構有名な方も含まれます)に、ここまで述べたコンセプトについてお話をし、意見を頂きました。驚くべきことに、ほぼ一様に否定的なものでした。
「ワインと違って、日本酒の場合、産地による味の特徴があるわけではない。」
「ブドウという果実と違い、穀物の米はどこにでも運べる。」
「田んぼの違いで味が大きく変わるわけではない。」
「全国どこからでも最高の米を買ってきて最高の酒を造る。それが日本酒の文化だ。」
その通り、と言われればその通りです。特に「全国どこからでも最高の米を買ってくる」という日本酒の文化については確かに否定されるべきものではないでしょう。それでも、その土地ならではお酒を追求したとき、そのストーリーに共感する人たちがいるに違いない。
私が向かったのは「食文化の都」であるパリでした。テロワールについて最も煩い人たちに私が天に問うてきた事がどう評価されるのか、ここで理解されなかったらもう諦めよう、そんな心境で向かっていきました。
現地では複数の星付きレストランや5つ星のホテルを周りました。結果は期待を上回るものでした。特に一部の5つ星ホテルのシェフ・ソムリエにアポイントメントが取れたことは帰国後、大変驚かれた事に逆にこっちが驚く、というオチまで付きましたが。(どうやってアポイントメントが取れたかは企業秘密、と言う事で)
酒質への評価は「エレガント」「味わいに膨らみがある」「余韻がまろやか」と好評を頂いたのみならず、土地にまつわるストーリー、酒米の育て方、スペックを追いかけるのではなく愚直に味を追いかける造り、そう言う点への反応が一様に強かったのです。
特にある5つ星ホテルのシェフソムリエに前掲の通常栽培の水田と深水栽培の水田の写真を見せたときの食い入る様な目は私にはとても勇気づけられるものでした。
この結果、フランスに輸出する上で最大の難関と言われるのは「インポータが付かない」事ですが、上記好評を受け、無事にインポータも1社決まりました。

それぞれのお酒について

<問天・問世・浪漫乃根底の違いについて>
いよいよ、お酒そのものについて、触れます。
まず、問天・問世・浪漫乃根底の違いについてです。
ファーストラベルの「問天」は問天・問世を醸すプロセスで最も状態の良いものを抽出し、それを「問天」としております。
残ったものが「問世」となります。
問天も問世もそれぞれ4種類(純米大吟醸、純米吟醸、氷筍水仕込、生酛純米)出されておりますが、それぞれの数字上のスペックは問天と問世に差はありません。数字上の違いはありませんが、味わってみると、問天の方がより味わいが複雑でまろみがあります。一方、問世は問世で問天の精神の神髄みたいなものは味わって頂けます。
「浪漫乃根底」は全く別プロセスで作られる、いわゆる普通酒とレギュラー純米酒です。ボトルを手にとってラベルを見て「ニヤッ」としてしまいそうな、「ジャケ買い」をして頂きたい、そんなお酒ではありますが、酒質も問天の片鱗を感じて頂けるものです。
これは人に指摘されて、ああそうか、となった事なのですが、私はプレゼンテーションの際にお酒の説明をするときに個別のお酒を指して「この子」という言い方をするそうなのです。問天・問世シリーズはその造りによって四兄弟の「長女」「長男」「グレた次男」「末っ子」と表現しているから、という事もありますが、それと同時に、やはりこのお酒は自分の子供のように思えて仕方ない部分があるのでしょう。

<問天 純米吟醸(金ラベル)>
私が四兄弟の「長女」と呼んでいるお酒です。味わいがとても柔らかく、まろやか。下の子達の面倒を良く見るお姉さんを思わせるキャラクターです。
酸味のある料理(酢の物、カプレーゼ)とはその酸味を丸める不思議な力があり、ぬる燗にするとまた別の力を発揮する子です。
(2018年 Kura Master プラチナ賞授賞酒)

金

種別 : 純米吟醸
精米歩合 : 55%
アルコール度数 : 14.9                         
希望小売価格 : 35,000円
日本酒度 : ±0
原料米 : 美山錦100%

<問天 純米大吟醸(青ラベル)>
一家の期待を一身に負い、文武両道で優秀なイメージの「長男」です。どこまでもエレガント、上品です。純米大吟醸特有の吟醸香はとても柔らかで、食事と喧嘩をしません。
お酒を単独で楽しむならば、この子でしょう。
ホタテ、ヒラメの刺身、カルパッチョなどとお楽しみ下さい。

青

種別 : 純米大吟醸
精米歩合 : 39%
アルコール度数 : 16.5                         
希望小売価格 : 37,000円
日本酒度 : -1
原料米 : 美山錦100%

<問天 氷筍水仕込純米(紫ラベル)>
他のお酒とは全く違う味わいは氷筍水と呼ばれる中硬水によってもたらされます。少し他の兄弟達とは違う味わいはまさに「グレた次男坊」。キリッとしたミネラル感がちょっと不良っぽい空気を醸し出します。
金目鯛のポワレ、シタビラメのムニエルの他、ジビエ料理と合わせても面白い子です。

紫

種別 : 氷筍水仕込純米
精米歩合 : 59%
アルコール度数 : 17.6                         
希望小売価格 : 36,000円
日本酒度 : +7
原料米 : 美山錦100%

<問天 生酛純米(黒ラベル)>
どことなく天真爛漫な感じを持つ末っ子。松浦杜氏による渾身の生酛造りですが、生酛特有の酸味がとても柔らかく、また熟成による変化も楽しみな子です。
しゃぶしゃぶ等の肉類ととても合いますし、ぬる燗をする事でジビエと合わせるのも一興です。

黒

種別 : 純米生酛
精米歩合 : 65%
アルコール度数 : 17.4                         
希望小売価格 : 36,000円
日本酒度 : +1.5
原料米 : ひとごごち100%

<問世 純米吟醸(金ラベル)>

門世金

種別: 純米吟醸
精米歩合: 55%
アルコール度数: 14.9
希望小売価格: 3,000円(四合瓶)、6,000円(1升瓶)
日本酒度:±0
原料米:美山錦100%

<問世 純米大吟醸(青ラベル)>

門世青

種別:純米大吟醸
精米歩合:39%
アルコール度数:16.5
希望小売価格:5,000円(4合瓶)、10,000円(1升瓶)
日本酒度:-1
原料米:美山錦100%

<問世 氷筍水仕込純米(紫ラベル)>

門世紫

種別:氷筍水仕込純米
精米歩合:59%
アルコール数: 17.6
希望小売価格:3,000円(4合瓶)、6,000円(1升瓶)
日本酒度:+7
原料米:美山錦100%

<問世 生酛純米(黒ラベル)>

門世黒

種別: 純米生酛
精米歩合: 65%
アルコール数:17.4
希望小売価格:3000 円(四合瓶)、6,000円(1升瓶)
日本酒度:+ 1.5
原料米:ひとごこち 100%

<浪漫乃根底 純米>
初め、ほのかなバナナの香りのあとからほんのりとメロンの香りも。味わいはしっかり、でも料理の味を受け止める懐はある。
日常的に楽しんでいただけるお酒です。

浪漫乃根底(純米)
種別 : 純米
精米歩合: 60%
アルコール度数: 15
希望小売価格: 1,400円(四合瓶)、2,800円(1升瓶)
日本酒度:+1
原料米: 美山錦、トドロキワセ

<浪漫乃根底 上撰>
透明感のあるさらりとした感触。
やや辛口に仕上げていますが、余韻にいたるまで流麗な逸品です。
普通酒とは思えない上品な仕上がりで、ちょっと楽しくなるお酒です。

浪漫乃根底(上撰)

種別 : 普通酒
精米歩合: 60%
アルコール度数: 15~16
希望小売価格: 1,100円(四合瓶)、2,500円(1升瓶)
日本酒度:+2
原料米: 美山錦、トドロキワセ

ラベルに込めた思い

実はラベルにも思いが込められております。問天・問世は共に同じ配色です。真のプレミアム酒を世に出そう、と思ったときにパッと思いついたのが以下の4つです:
金地に黒字
青地に金字
紫地に銀字
黒地に金字
シンプルで高級感がある。そんなイメージを表現する上で、私が連想したのは平安時代の装飾経でした。平安貴族達が極楽浄土への往生を願い、黒字の紙に金泥等で写経した、その配色を拝借したものです。
また、問天・問世・浪漫乃根底、実は何れも同じ書家の根本知先生は大東文化大学の書道学科にて教鞭を執りつつ、テレビにて書の解説をされる、新進気鋭の書家です。今回、問天ブランドを立ち上げる際に、ブランドのコンセプトをお話をし、「装飾経のイメージで」とお願いした書体が問天のロゴとなりました。
問世はセカンドラベルなので、少し書体を崩してカジュアル感を演出しております。
浪漫乃根底のロゴもお願いするかどうか、ブランド名が余りにふざけているのでかなり迷ったのですが、向こうから「是非に」とやって頂いた字が何ともユーモラスで、気に入っております。
3つのブランド、それぞれの特性に合わせた書体で書いて頂いておりますが、根本先生の最も得意な書体は「かな文字」で、いずれのロゴも違うのです。いつかは根本先生にかな文字のロゴをお願いせねばなりません。

この先の挑戦

我々の挑戦はまだまだ始まったばかりです。取り組みたいこと、取り組むべきことは沢山あります。
例えば熟成酒。現在、薄井商店ではダムの湧きにある倉庫を借りてそこでお酒の熟成をしています。中には十年を超えるものもあります。問天ブランドでも売り出す事を考えております。
それから、製法。細かい詳細は言えませんが、テーマは多々あります。一つ一つ、藏元さんとも向き合いながら前に進みたいと考えております。

takehisa

【文・写真】竹久健
株式会社問天代表取締役。日本酒の超プレミアムブランド「問天」のプロデュースを手がける。


コメントを残す