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【谷中】「やなか風紡」で出会う秋の味覚と美意識。料理人・ソムリエ中井隆裕氏が紡ぐ、日本料理と日本酒ペアリング

下町風情が残り、散策スポットとしても高い人気を誇る谷根千(やねせん、谷中・根津・千駄木)エリア。東京メトロ千代田線「千駄木駅」および谷中ぎんざからそれぞれ徒歩3分、JR日暮里駅から徒歩8分ほどの場所に、静かに佇む日本料理店「やなか風紡(つむぎ)」を訪れました。

名店で腕を磨いた店主が創り出す、格式とモダンが調和する空間

店主の中井隆裕(なかい たかひろ)さんは、ミシュラン星を獲得し続ける名店「銀座よし澤」で12年間にわたり研鑽を積み、総料理長を務め上げた実力派の料理人です。同時にソムリエの資格も持つ中井さんが独立し、構えたのがこの空間です。

モダンな洗練と日本料理店らしい格式が共存する引き戸を開けると、広がるのはカウンター6席。個室6席の贅沢な空間。窓外に広がる庭園の緑を眺めながら、ゆったりと流れる時間に身を委ねることができます。

カウンター席
個室

屋号「風紡」に込められた、料理における「3つの風」

屋号に「風」の文字を据えた理由を尋ねると、中井さんは料理の世界に入った折、師匠から教わった「3つの風」について語ってくださいました。味の体験を、その土地の文化や情景にまで広げて深く楽しむための視点です。

  • 風味:職人の技や厳選した素材により生み出される、料理そのものの味わい
  • 風土:素材を育んだ土地と文化、すなわち「テロワール」
  • 風景:器、しつらえ、季節感、そして「誰とどんな空間で味わうか」という情景

「風土」が育んだ命を「風味」豊かに仕立て、美しい「風景」の中で味わう。これらがひとつに重なってこそ、完成された食体験が生まれるという哲学が貫かれています。

盆の上に広がる秋の情景と、素材の力

この日いただいたのは、秋の深まりを目と舌で実感する美しいコース。なかでも目を奪われたのが、すすきや紅葉があしらわれ、秋の情景が見事に表現された旬菜の数々。全国各地から厳選された旬の素材が、端正な技術で仕立てられています。

  • 新さつまいもと新里芋の月見揚げ、菊葉
  • 焼き茄子と枝豆のお浸し
  • 新いくら味噌漬け、焼きえのき、青柚子
  • カマスの酢〆、菊花卸し
  • 柿と大黒しめじの白和え、山クルミ
  • 落花生うま煮、辛子
  • 銀杏、むかごの炭火焼き

それぞれの素材が持つ豊かな香りと食感が、一口ごとに鮮やかに立ち上がります。

酒器で表情を変える、オリジナル日本酒「やなか風紡~TSUMUGI~」

料理を引き立てるお酒には、茨城県で「霧筑波」を醸す浦里酒造店とのコラボレーションによるオリジナル日本酒「やなか風紡~TSUMUGI~」を。

4本の日本酒をアッサンブラージュ(ブレンド)したこだわりの1本で、単体での完成度はもちろん、料理と合わせた際の寄り添い方、ぬる燗にした際の上品な広がりまで見事な調和を見せます。さらに、木本硝子の異なる3種類のグラスで提供されることで、口当たりや香りの立ち方が変化し、同じお酒でありながら多彩な表情を楽しむことができました。

1日2組限定という丁寧なおもてなしの中、料理人の美学と情熱に触れる贅沢なひととき。まさに「百聞は一見にしかず」を実感する名店です。大切な人と特別な食体験を共有したい日に、ぜひ訪れてみてください。

【店舗情報】

店名:やなか風紡(つむぎ)
住所:東京都台東区谷中3丁目4-9 tomoss 1階
アクセス:東京メトロ千代田線「千駄木駅」徒歩約3分/JR・京成線「日暮里駅」徒歩約8分
公式サイト:https://www.tsumugi-yanaka.com/

酒蔵プレス編集部
 料理、器、空間、そして日本酒まで、一つひとつに店主の美学が感じられる「やなか風紡」。
谷根千の散策とともに、季節を味わう特別な一軒を訪ねてみてはいかがでしょうか。
https://www.sakagura-press.com/
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