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人・米・造りが一体となって良酒を醸す。米から育てる酒造り【東一】五町田酒造株式会社-佐賀県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第40回目の当記事では、佐賀県嬉野市(さがけんうれしのし)の五町田酒造(ごちょうだしゅぞう)を特集します。

古くから良質な水田が広がり、稲作に適した地域

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

当社は、有明海にほど近い佐賀県西南部に位置し、三方を山に囲まれた盆地です。寒暖の差が激しい嬉野市塩田町(しおたちょう)では稲作をはじめとする農業が盛んです。酒蔵がある”五町田”地区では、古くから良質な水田が広がり、稲作に適した地域でした。

そのような地域で、1922年瀬頭酒造(せとうしゅぞう)から分家して創業しました。

1988年に、当時県内で入手困難であった酒造好適米「山田錦」の栽培を開始しました。蔵の周りには田んぼが一面に広がっており、蔵人と地元栽培会の方々が毎年米作りをしております。

2015年には、製造責任者を勝木慶一郎氏から髙木大輔氏(現在40歳)へ引き継ぎ、若手社員も積極的に登用し、技術の伝承に努めています。

代表銘柄は?

代表銘柄は「東一(あづまいち)」です。“東洋一の酒を目指す”という思いを込めて命名しました。創業時より「日本一」の銘柄にて出荷しておりましたが、昭和15年に日本酒の級別審査がはじまった時に、日本より広域の東洋一を目指す意気込みで名付けました。

全ての商品において、“お米の旨み”が感じられ、料理との相性が良い酒質を目指しています。香りは穏やかで、酸味と甘味、苦味が調和したまろやかな味わいが特徴です。

吟醸タイプは、リンゴや洋ナシのようなやさしい香りと軽快な口当たり、酸味と旨味が調和した味わいが特徴です。純米酒タイプは、米の旨味が豊かで、ぬる燗にすると旨味が更に広がりおすすめです。

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

東一山田錦特別純米酒です。(GOMARUラベルにて出荷されているお店もございます。)

吟醸用オリジナルタンクを使用し、低温長期発酵で吟醸造りにチャレンジした純米酒です。穏やかな洋ナシのような香りと酸味、旨味が調和した軽やかな味わいです。アルコール度数も飲みやすいように低めの14度に調整しました。

地元のレンコンや玉ねぎの炒め物、新玉ねぎのポテトサラダ、アスパラガスのソテーとも相性がよいです。また、佐賀の特産品である、イチゴを使ったデザートとも意外と合うのでお試しください。

お出汁のきいた和食や醤油で味付けしたお料理に合わせて、冷やしてからぬる燗でお楽しみください。

米づくりから酒造りまで一年を通じて造りに関わる姿勢

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

「人・米・造りが一体となって良酒を醸す」ことを理念に、「米から育てる酒造り」を実践しております。米づくりから酒造りまで一年を通じて造りに関わる姿勢こそが、五町田酒造の酒造りの真髄です。

昭和63年、山田錦の栽培に挑戦した際、九州の気候にあった育苗(いくびょう)方法の工夫や、水や肥料の管理などに試行錯誤を重ねました。毎年変化する気温や気候に応じた工夫を重ね、稲の状態を把握することで、その年の米の溶け具合を予想しています。また、全量自家精米も行い、お酒の土台であるお米にこだわっております。

また、機械を導入する一方で、昔ながらの技や独自の道具、杜氏や蔵人の経験、手仕事も大切にしています。(均一な蒸しを可能にする“木製の四角い甑(こしき)”やタンク内で対流が起きやすい設計の“オリジナル吟醸用の仕込みタンク”等、独自の道具を用いています。)

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

酒蔵がある塩田町には塩田津という昔ながらの町並みや景観が保たれた地区がございます。

ここは江戸時代に長崎街道の宿場町として、また有明海の干満の差を利用した川港として物資の集散地でした。伝統的建造物群保護地区に選定されているこの街道をゆっくり散歩して歴史や文化を感じてみてください。

また、嬉野市には美肌の湯である嬉野温泉がございます。ぬめりのあるお湯は、ナトリウムを多く含む重曹泉で、これを使ったとろとろの湯豆腐もおすすめです。

有明海の魚介料理、地元野菜、佐賀牛料理と地酒をぜひご一緒に味わっていただき、癒しのひとときをお過ごしください。

より幅広い場面でお楽しみいただけるように新しいタイプのお酒にも挑戦

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

また飲みたいなと思っていただける記憶に残るお酒として、五感からどこか懐かしんだり、思いを馳せたりしていただけるお酒を目指しております。

料飲店様をはじめ、ご家庭でもお料理とともにお楽しみいただけるシーンをイメージして、酒質の設計をしております。今後もお客様の飲食シーンや暮らしに寄り添うことを軸に、より幅広い場面でお楽しみいただけるように新しいタイプのお酒にも挑戦してまいります。

人と人とのご縁、会話を囲む円卓の中に東一がありましたら大変嬉しく感じます。

東一ファンの方に感謝しながら、まだ東一を飲んだことがない方々にも飲んでいただきたいと願っております。

今回ご紹介の酒蔵について

【佐賀県】
五町田酒造株式会社
http://azumaichi.com/
佐賀県嬉野市塩田町大字五町田甲2081

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酒蔵プレス編集部

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