地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第259回目の当記事では、岐阜県下呂市(げろし)の天領酒造(てんりょうしゅぞう)を特集します。
九代に渡り、脈々と受け継がれる酒蔵

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
創業1680年 天下の三名泉の下呂温泉で酒造りをしています。
現在の滋賀県日野市上野田(コウズケダ)にて家を興す。蒲生氏郷公の家臣として近江地方で地盤を築き、日野屋佐兵衛と称し江戸時代(1680年)から江州日野から本州一円を巡って行商をしていました。
その後、飛騨に商いのため出店を構え、物品販売の傍ら日本酒造りをはじめました。明治時代になって酒造業を家業として行うようになり、昭和31年「天領酒造株式会社」として法人化し、九代目になる現代まで脈々と受け継いでいます。
―代表銘柄は?

「特別純米酒 飛切り」
50年変わらぬ味です。四季を通して地元飛騨で愛されるお酒です。
お薦めの飲み方:冷~燗。
―イチオシ商品はなんですか?
「日野屋シリーズ」
季節限定、数量限定商品は全て日野屋シリーズで展開しています。7代目女将の文字をラベルにしたシリーズです。
家訓の中で「事業継承は孫の代に繋げること」とあります。孫である私が祖母にお願いし、シリーズ化しました。

「日野屋 純米生酛」
生酛らしくない生酛。優しい生酛を目指して醸す4年目のお酒です。
お薦めの料理:飛騨の山椒とも相性が良く、山椒を使用した中華料理。オリーブオイルを使用したカルパッチョなどのイタリアン。温めて味噌系、タレ系の和食とも相性が抜群です。
天領の誇りを醸し出す、食中酒の真髄を追求する

―酒造りで心がけていることは?
目先の流行に流されるのではなく、「天領らしさ」を軸に食中酒をコンセプトに醸しています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
にっぽんの温泉100選で全国2位の「下呂温泉」です。
年間100万人が訪れる地元下呂温泉と共に酒造りをおこなってきました。単純温泉(アルカリ性単純温泉)のヌルヌルのお湯は肌に優しく美肌の湯とも言われています。
旅館に泊まり、温泉に入り、日本酒で一献。最高です。ぜひ、下呂温泉にお越しください。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
日本酒ファンの皆様、まだまだ岐阜のお酒を飲んだことが無い方が多いのではないでしょうか。隠れた酒処「岐阜県」のお酒もぜひお楽しみください。
今年は大阪、東京でも岐阜のイベントを5年ぶりに開催します。お会いできるのを楽しみにしております。
今回ご紹介した酒蔵について
【岐阜県】
天領酒造株式会社
岐阜県下呂市萩原町萩原1289−1
https://www.tenryou.co.jp/
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