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旨い酒で人生はもっと豊かになる【山車】原田酒造場-岐阜県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第108回目の当記事では、岐阜県高山市(ぎふけんたかやまし)の有限会社原田酒造場(はらだしゅぞうじょう)を特集します。

厳しい冬季寒仕込みによりじっくりと醸しだされた味わい

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

小京都・飛騨高山は、天正十三年(1585年)の豊臣秀吉公配下・金森長近(かなもりながちか)公の入府・高山城築城以来、金森氏六代の開発により、中世城下町として確立されました。二代高山城主・金森可重(かなもりありしげ)の長男であり、千利休の子、道安に師事し、独自の茶道「宗和流」を開花させた金森宗和(かなもりそうわ)も飛騨高山の文化に大きな影響を与えた茶人であります。

金森氏は城下町を整えて、京都になぞらえ、東山に寺院群を設け、様々な商業・文化の振興を積極的に行いました。
元禄五年(1692年)の金森氏出羽国移封後の飛騨は、徳川幕府の直轄地となり、明治維新までを直轄地天領として、江戸文化の影響を色濃く吸収していきました。金森氏が育んだ京文化と、天領として育まれた江戸文化が融合し、飛騨高山は独自の文化を熟成していきました。

絢爛豪華な祭り屋台である山車(だし)と、1000人もの祭り行列が壮麗な高山祭は、その文化の融合・熟成の成果と言えるでしょう。飛騨乃酒「山車」(さんしゃ)は、江戸末期安政二年(1855年)に、徳川幕府直轄地「飛騨」の旧城下町「三之町」にて酒造業を開始いたしました。元々は隣町「国府」の「打江の庄」の庄屋であったそうです。

京都に近い灘・伏見の酒造りにいち早く注目した初代当主・打江屋長五郎は庄屋から酒屋へ事業転換すべく懸命に酒造りに専念したと伝わっております。以来、江戸・明治・昭和の激動の時代を十代にわたり清酒醸造を守り続けてきました。代々その技術に研鑽を重ね、淡麗である一方で、しっかりとした芳醇な米の旨みを兼ね備えた「山車」独自の風味の豊かさを「奥伝 飛騨流厳冬寒造り」にて醸しだしております。

飛騨乃酒「山車」は、高山祭の絢爛豪華な祭り屋台「山車=だし」から、「山車=さんしゃ」の清酒銘柄をいただきました。
四百年かかって融合・熟成した京文化と江戸文化が飛騨乃酒「山車」にもしっかりと根付き、融合・熟成しているのです。

豊富で清冽な北アルプス伏流水と良質の飛騨産米を原料に、厳しい冬季寒仕込みによりじっくりと醸しだされた味わいを四百年の時の浪漫と共にお楽しみ下さい。

―代表銘柄は?

  • 山車(さんしゃ)

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

  • 山車 大吟醸あべりあ
    酒米の王様「山田錦」を原料米に全量使用。40%まで丁寧に磨き上げたそのお米を、天然酵母「アベリア花酵母(東京農大分離株)」でじっくりと醸しあげた極上の逸品です。
    華やかかつ上品に香る果実香と、山田錦ならではのふっくらとした旨味を併せ持った、飲み口軽快な大吟醸です。
    飛騨川で獲れる鮎の塩焼きや、飛騨牛の串焼きなどに合わせていただくと美味しさがさらに際立ちます。

二百年の伝統を持つ「飛騨流厳冬寒造り」

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

二百年の伝統を持つ「飛騨流厳冬寒造り」を守りつつ、常に旨さの限界をさらに高める心がけで醸しています。

飛騨の厳しい冬の気候・清冽なる水・豊かな米をもとに、伝統的な酵母での酒造りも極めながら、天然酵母「花酵母」での日本酒の美味しい可能性の追求を日々目指しています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

当蔵が所在する高山市は全国で一番面積の大きい市町村です。
北アルプス国定公園から江戸の伝統が根付く古い町並まで、自然と歴史を豊富に併せ持った四季を通じて楽しめるエリアとなっております。飛騨の酒・飛騨牛・山菜・川魚等々、季節に合わせたお酒とお料理のマリアージュと共に、ぜひ飛騨高山をお楽しみください。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

当社の掲げる飽くなき目標に「旨い酒で人生はもっと豊かになる。」がございます。
酒造りにはゴールというものがなく、毎年がコンディションの違うお米を相手に造る仕事です。

ブレがないように造るのも我々プロの仕事ですが、原料の出来・当時の技術の組み合わせによって、飛び切り出来の良い酒が出来上がる時がございます。そんな夢のある酒を毎年新たな心で醸し、その時のベストな酒をお客様に飲んでいただき、日々の生活を心豊かなものにしていただきたいと思っております。

「飛騨の酒 山車」にぜひご期待ください!

今回ご紹介した酒蔵について

【岐阜県】
有限会社原田酒造場
http://www.sansya.co.jp/
岐阜県高山市上三之町10番地

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酒蔵プレス編集部

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