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【取材レポ】日の丸醸造が「VR蔵見学」を導入!記事内で最新VR体験を!

はじめに

秋田県横手市増田町は古くから秋田の産業・交通・物流の要として栄え、町の中心部の中七日町通りには明治から昭和初期にかけて商人が築いた町並みや内蔵が現存します。

今回取材に伺った「日の丸醸造」は、そんな風情ある街並みの一角に存在します。

日の丸醸造は、2018年12月に日本の酒蔵ではじめて最先端の「3D+ONE」のVRシステムを導入しました。(寄稿者調べ)
VRとはバーチャル・リアリティーの略で、エンターテイメントを始め教育や医療まで広がる非常に伸びている分野です。

一般的なVRだとゴーグルが必要なのですが、ゴーグルを持っていない方のためにも手軽にお手持ちのスマートフォン、タブレット、パソコンでも楽しめる3D+ONEと蔵見学と結びつけ、普段公開をしていない場所を含めて、「VR蔵見学」できる様にしています。

まずは、お手持ちのスマートフォン、タブレット、パソコンなどからご体験ください。

秋田県横手市「日の丸醸造」とは、どんな酒蔵?

日の丸醸造の外観

取材に伺ったのは12月。
秋田県横手市増田町の風情ある街並みにそびえる「日の丸醸造」
横手盆地の東南に位置し、古来から良質の酒造好適米を産する穀倉地帯に存在します。

「かまくら」発祥の地、横手が生み出す清冽な水と米が、秋田県内のみならず、日本各地の愛酒家を唸らせる逸品を生産しています。
日の丸醸造といえば「別格大吟醸 まんさくの花」個性豊かなラベルデザインも魅力的です。

日の丸醸造といえば「別格大吟醸 まんさくの花」

個性豊かなラベルデザインも魅力的

 

「日の丸醸造」は最大15万本を収容可能な冷蔵庫を保有し、低温瓶貯蔵を実現。このような貯蔵方法はタンク貯蔵と比べると手間がかかりますが、その分、酒質を落とすことない出荷を可能にしています。

日の丸醸造、お酒造り

精米やラベル作成なども自社で行う日の丸醸造。
「呑み手も、造り手も、みんなたのしく」をモットーとしているこの酒蔵に、この冬から最先端技術であるVRでの酒蔵見学を導入したようです。

 

日の丸醸造佐藤公治さんへインタビュー

今回は社長室長の佐藤さんへ日の丸醸造のことから、「VR蔵見学」のことまで取材をしてきました。

佐藤さんとmatterport

日の丸醸造株式会社 社長室長 佐藤公治さん


―まずは酒蔵と内蔵の紹介をお願いします。

1908年にこの酒蔵は建てられました。この内蔵(うちぐら)は当時からほぼ変わっていません。畳など少し直した程度ですね。梁・漆などは当時のままです。

酒蔵は衛生の面から考えて一般に開放はしていませんが、内蔵は200円で見学できて、お酒の試飲もできます。さらにその場でお酒を購入していただくと、見学料の200円は戻ってくる仕組みになっています。
それだけだと「面白くないかなぁ」と思い日本酒業界初となる3D+ONEのVRサービスを導入しました。お客さんには少しでも楽しんで帰っていただきたいな、という思いがあります。

日の丸醸造の内倉

建設当時のまま保存されている内蔵


―内蔵の見学者は年間どれくらいきますか?

年間、多いと2万人ぐらいです。
県内はもちろん、県外からのお客さんも多いです。外国人はまだ少ないですね。

内蔵ってみんな「自分の家」なんですよね。増田の町並みは観光施設ではあるんですけど、自分が住んでいる居住空間を案内しているまちなんです。だから「いつでもどうぞ!」と常にオープンな状態ではありません。

酒蔵見学に関しては、まんさくの花の作っている工場を見たい!という嬉しい声は多くいただいているのですが、弊社の建物は観光蔵の造りをしていないため、不特定多数の方を受け入れるのは難しいのが現状です。そのため、内蔵までを一般公開としており、酒造工場の部分は写真のみでご説明といった形で対応をしていました。ですが、お客様は内蔵ではなく、やはり酒造工場の見学をしたいという声もたくさんありましたのが、当社の課題でした。

そこで、今回VRを導入することで、その問題は解消されるかと思っています。酒蔵工場を実際に見せることはできませんが、それに近しい体験がVRで再現できているかと思います。

佐藤さん


―なぜ日本初のVR酒蔵見学導入したのか?

まず自分たちが楽しんでお酒造りをして、その楽しさをお客さんに伝えないと、自分の働いている意義がないと思うんですね。

少しでもお客さん楽しんでもらえるような「仕掛け」をやりたい。お酒づくりって辛いですけど、その中で突き詰めていくと、やっぱり楽しい。だからどんどん楽しいこと、新しいことに取り組んでいきたいなと。

また、弊社の内蔵は国登録有形文化財です。3DVRは実際の建物のサイズとほぼ同じ大きさで撮影ができるので、保存や記録目的を目的とした活用も今後は検討をしています。

―VRで酒蔵見学をしてもらう良さとは?

前述の通り弊社は酒蔵(製造場)見学ができないので、VRが役に立ちます。
物販スペースにVR設置しているので、製造場が見れないと知らないで来られたお客さんをガッカリさせることがありません。

matterporのタッチディスプレイ

店頭のディスプレイは操作をしていなくても「自動で歩くモード」があるので酒蔵見学の様子を常に表示。

 

また、このVR酒蔵見学はネット環境さえあれば、自分のスマホ・タブレットでも体験できます。(自社サイトにVRコンテンツを関連づけて、スマホ・タブレットで体験可能にしています。)ですから、自宅にいても酒蔵見学ができちゃうんですよ!

日本酒のイベント(営業)などでも、この技術は役立ちます。酒造りの工程や雰囲気が直接的に伝わりますので。

―日本初「VR蔵見学」の導入で期待したいことは?

若い人に興味を持っていただきたいのが一番ですね。「秋田県」もそうだし、「日本酒」もそうだし、若い人がもう少し興味を持ってくれないと、未来が無いって思います。だからVR酒蔵見学には効果を期待しています!

実際に取材陣でVRゴーグルを体験

ここで取材陣の坂上愛佳氏とじゃんごでVRゴーグルを体感してみました。

VRゴーグルの操作は非常にシンプル。
ゴーグルを装着し、専用のリモコンのボタン一つで酒蔵内を移動できます。

酒蔵内を移動していると、要所に「説明ポイント」が表示されます。
説明ポイントを押すと、その機械で何が行われているのか、どのような場所なのか、ということが一目で確認できます。

また、実際に作業している方も映り込んでいるため、現場のリアリティーが増し、実際に見学しに来ているような気分が味わえたのが非常に新鮮。

普段聞き流してしまいそうになる説明も、この世界なら(一人没頭できるので)、よりVR
酒蔵見学が有意義な体験になりそうです。

実際に酒蔵にいる感覚。上下左右すべて、実在する酒蔵。初めての感覚に驚きを隠せませんでした。

matterportとVRゴーグル

ゴーグルで体感をするインタビュワーの坂上愛佳さん

matteportとoculusgo

実際に使用しているVRゴーグル

日の丸醸造と打ち合わせ

風情感じられる増田町の町並み。その一角に存在する酒蔵に、日本初となるVR技術が導入されました。「呑み手も、造り手も、みんなたのしく」を実現するために仕掛けをたやさない日の丸醸造に今後も期待していきたい。

日の丸醸造の佐藤さんと坂上さん

【取材協力】
日の丸醸造株式会社
秋田県横手市増田町増田字七日町114-2
TEL 0182-45-2005
https://hinomaru-sake.com

【3DVRサービスの提供/本記事のライター/インタビュアー】
◆サービス提供
3DVRの撮影と活用なら3D+ONE
お問い合わせ/撮影依頼は下記までご連絡をください。
https://3dplusone.jp

◆ライター
じゃんご
秋田県のディープな情報を発信する「じゃんごブログ」編集長。
https://dochaku.com

◆インタビュワー
坂上愛佳
一般社団法人Himemama代表理事 WOMAN事業プロデューサー。
https://ameblo.jp/sakagamiaika

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酒蔵プレス編集部

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