地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第209回目の当記事では、兵庫県明石市(あかしし)の明石酒類醸造(あかししゅるいじょうぞう)を特集します。
古都明石の酒、世界への誇り
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
酒蔵のある兵庫県明石市は、平安時代源氏物語にも歌われた風光明媚な瀬戸内海に面した港町です。1860年江戸末期より醸造業(醤油製造)や両替商を営み、1960年から日本酒の製造を始めました。現在は、年間を通して地元兵庫県産の酒米だけを使い日本酒の製造を行っています。
2017年からは洋酒の製造も開始しました。2005年から輸出に取り組み、現在は売上の9割を欧米を中心に世界30か国に輸出しています。
―代表銘柄は?
「明石鯛 純米大吟醸原酒」
完熟リンゴ、白桃、梨のような華やかな香りで もぎたての完熟リンゴのようなフレッシュな味わいとスッキリとした余韻を堪能できます。
お薦めの飲み方:冷酒、常温で。
お薦めの地元料理:鯛や蛸のお造りはもちろん、生牡蠣やホタテ貝柱のクリーム煮に。
「明石鯛 特別純米酒」
ふくよかでなめらか、そしてまろやかな味わい。つきたてのお餅のようなはっきりとわかるお米の香りと旨味が溢れた日本酒です。
お薦めの飲み方:冷酒、常温、燗酒。
お薦めの地元料理:鯛の酒蒸し、ブリ大根、中トロや戻り鰹など脂ののったお魚のお造り。牡蠣グラタンや豚の角煮。
―イチオシ商品はなんですか?
「明石鯛 無濾過純米吟醸生原酒」
2022年にオープンしたビジターセンター限定販売の売切ごめんの無濾過生原酒の日本酒がイチオシです。
2月は「無濾過純米吟醸生原酒」をご用意してます。しぼりたての原酒をそのまま瓶詰した生酒です。(現在生酒の販売なし)
お薦めの地元料理&飲み方:明石海峡の速い潮流で鍛えられた魚は身が引き締まり、水揚された魚は「明石のまえもん」と呼ばれます。そんな鯛の酒蒸しや脂ののったお造りなどによく合います。
心を込めた酒造り、個性溢れる明石鯛
―酒造りで心がけていることは?
清酒「明石鯛」は基本6種類しかありませんが、同じような酒質のお酒を造るのではなく、それぞれのお酒が異なった個性光るお酒造りを心がけています。
お酒の味わいだけではなくお米の旨味や香味を引き出すように、そして地元の食材との相性を考えながら酒造りを行っています。日本酒は、お神酒として造られてきた歴史があり日本人のアイデンティティーであるとの誇りを忘れないよう心がけています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
地元明石の中心には、魚の棚商店街があり採れたての昼網の魚が並んでいます。また、明石駅周辺には明石焼きのお店が数多くあり食べ比べも楽しいです。
さらに新鮮な明石で採れた魚を使ったお寿司屋や飲食店も多くあります。子午線の場所には明石市立天文科学館がありプラネタリウムも楽しめます。大蔵海岸では海水浴やバーベキューサイトで食事も楽しめ明石海峡大橋や淡路島を望むことも出来ます。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
2022年にビジターセンターをオープンし、ここでしか買えない限定酒の購入や有料試飲をお楽しみいただけます。土日限定の酒蔵・蒸溜所見学ツアーは、HPから申込みが可能です。お酒造りを身近で体感して頂き試飲もお楽しみいただけます。
明石には美味しいお酒と共に美味しい食事を楽しめる飲食店が数多くあります。ぜひ明石から淡路島や明石海峡大橋の眺めも楽しんでいただき、明石を堪能してください。皆様のお越しをお待ちしております。
今回ご紹介した酒蔵について
【兵庫県】
明石酒類醸造株式会社
兵庫県明石市大蔵八幡町1-3
https://akashisakebrewery.com/ja/the-akashi-tai-brewery/
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