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和醸良酒で造る地元の銘酒【磐梯山・会津桜・乗丹坊】磐梯酒造株式会社-福島県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と日本酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第1回目の当記事では、福島県耶麻郡(ふくしまけんやまぐん)の磐梯酒造(ばんだいしゅぞう)を特集します。


「磐梯西山麓湧水群」を有する磐梯町は「名水の町」として有名

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

明治23年創業 「磐梯山(ばんだいさん)」の商標で清酒の製造販売。
平成5年 級別廃止の頃より純米酒、吟醸酒等の特定名称酒の製造に重点をおきました。
平成15年 会津産古代米を原料の一部に使用した赤い酒「会津桜(あいづざくら)」を製造販売。
平成21年 道の駅ばんだいとPB契約を結び、特別純米酒「会津嶺の里(あいづねのさと)」を商品化。
平成24年 裏磐梯レイクリゾートホテルとPB契約を結び、売店、レストラン、宴会で使用していただける「磐梯山の恵」を商品化。
平成27年 特定名称酒の中でも特に高品位の清酒として、利益率の高い「乗丹坊(じょうたんぼう)」ブランドを立ち上げました。
平成29年9月 酒蔵併設の酒小売店を系列会社として開業、会社のアンテナショップとしました。
平成30年3月 リキュールの製造免許を取得し、同年4月に地元磐梯町産のりんご果汁液を原料にした日本酒ベースのリンゴカクテル「Bandaisan Apple x Sake」 を販売。
平成30年4月 会津地区の蔵元7社と協同し、統一ボトルにて「AIZ`S-EYES(純米吟醸酒)」を発売、会津全体の日本酒活性化に寄与しています。

日本名水百選に選ばれた「磐梯西山麓湧水群」を有する磐梯町は「名水の町」として有名です。
麗峰磐梯山の伏流水を仕込み水に使用した弊社の清酒は、まろやかでスッキリした飲み口で、地元の方を中心に愛飲されています。
現在の代表者は桑原 大は五代目です。

会津仏教文化発祥の地と言われる慧日寺の宗徒頭の名を冠した「乗丹坊(じょうたんぼう)ブランド」

―代表銘柄は?

創業当時から販売している「磐梯山(ばんだいざん)ブランド」は愛飲家の方々に広く定着したブランドで、普通酒から純米吟醸まで幅広くラインナップされています。
「会津桜(あいづざくら)ブランド」は会津産古代米を原料の一部に使用した赤い酒で、際物ではあるが見た目も味も良く、発売以来約20年が経過するロングランブランドです。
7年前に立ち上げた「乗丹坊(じょうたんぼう)ブランド」は会津仏教文化発祥の地と言われる慧日寺の宗徒頭の名を冠した、磐梯山よりも上位ブランドで、特別純米、純米吟醸、純米大吟醸があります。それぞれ生酒、生貯蔵酒、一回火入れ、ひやおろしなどで季節ごとに一番おいしく召し上がって頂ける状態で販売しています。原料米は全て磐梯町産の酒造好適米を使用した地域色の濃い上級酒です。

「乗丹坊 純米大吟醸」と「馬刺し」「とうふ餅」

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

地元磐梯町産の酒造好適米五百万石を45%まで精米した最高級のお酒です。酵母には福島県で開発された「うつくしま煌(きらめ)き酵母」を使用し、酸が少なく香が高いのが特徴。
会津郷土料理の「馬刺し」との相性が良く、淡白な馬刺しと冷やした純米大吟醸は抜群の取り合わせ。また、つきたてのお餅に豆腐を絡めた「とうふ餅」と一緒に食中酒として召し上がっても最高です。

酒蔵プレス編集部

酒蔵プレス唎酒師による「乗丹坊 純米大吟醸」テイスティングノート

●香り
お酒の味に期待を抱かせる穏やかな吟醸香が心地よい。その繊細な香りは、どんな食事でも邪魔しない印象があります。

●味わい
最初から最後まですっきりしていて、軽快な味わいが広がります。後口のすっきり感には日本酒独特の辛口の余韻が残り、綺麗な甘み、ほどよい苦みもあり、バランスが素晴らしい。

●ペアリング
すっきり感が特徴で、温度によってアルコールが強く感じられ、口中をリセットしてくれます。淡白な馬刺しはもちろん、料理全般で合わせやすい食中酒です。

●総評
料理によって香りの印象が変化し、味わいは米の旨味が辛さとして余韻に残ります。和食だけでなく、中華料理やフランス料理とも合わせられ、バランスの良い日本酒です。

和醸良酒(わじょうりょうしゅ)の酒造り

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

弊社の社訓は「和醸良酒(わじょうりょうしゅ)」です。意味が二つあり、一つ目の意味は「和をもって良い酒を醸す」で、蔵人の心を合わせて最高のお酒を造るという意味。
二つ目の意味は「良い酒は和を醸す」と言って、私たちが造った美味しいお酒を召し上がった、お客様に和みの時間を提供したい、という意味です。
弊社は年間130,000Lのお酒を製造しておりますが、従業員には「130,000Lのお酒を造っているのではなく、お客様召し上がる盃一杯のお酒を造っているんだ。このお酒を召し上がるお客様の顔を想像しながらお酒を造るように。」と訓示しております。
これが弊社の酒造りです。

全町民が参加できる、地域おこし「磐梯名水乾杯条例」

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

昨年(令和2年)に磐梯町で初めて全議員の提案による議員立法として「磐梯名水乾杯条例」が制定されました。他地域の乾杯条例はアルコール飲料で乾杯するものですが、「磐梯名水乾杯条例」は磐梯町の名水所縁の飲み物なら何でもOK。清酒でも、りんごジュースでも、トマトジュースでも、牛乳でも、薬草茶でも、水でも、磐梯町産なら何でもOKです。
ですので、昼間の会議はペットボトルのお茶ではなく薬草茶。子供の誕生日には磐梯町産リンゴジュースで乾杯です。夜の宴会は最近減りましたが、「とりあえずビール」ではなく「まずは日本酒」運動を展開しています。
全町民が参加できる、地域おこしの「磐梯名水乾杯条例」です。

とにかく、手探りでも前に進むだけです。

―酒蔵や地域での悩み事や課題は何ですか?

コロナ禍による飲食店の営業自粛により、販売数量は急激に減少しており、その減少率は「東日本大震災」の時より大きく、先が見えないトンネルの中を歩いているようなものです。
でも、それは日本酒業界だけではありませんので、とにかく、手探りでも前に進むだけです。

磐梯山の伏流水を仕込み水に使用した「清酒磐梯山」を是非ご賞味ください。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

福島県は全国新酒鑑評会において、「金賞受賞数7年連続日本一」の日本酒王国です。
その中でも会津地区は「米どころは酒どころ」を合言葉に美味しいお酒を造っております。
磐梯山の伏流水を仕込み水に使用した「清酒磐梯山」を是非ご賞味ください。

今回ご紹介した酒蔵について

【福島県】
磐梯酒造株式会社
https://bandaishuzou.com/
福島県耶麻郡耶麻郡磐梯町磐梯金上壇2568

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酒蔵プレス編集部

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