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「 創業130周年「吟醸酒」のパイオニア酒蔵」【出羽桜】出羽桜酒造‐山形県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第155回目の当記事では、山形県天童市の出羽桜(でわざくら)を特集します。

品質と情熱、吟醸酒の魅力を広める

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

出羽桜酒造は明治25年(1892年)に初代仲野清次郎が分家し、酒蔵として創業致しました。それ以来、地元に根ざした品質第一の酒造りに徹し、1980年には、蔵の看板酒である「桜花吟醸酒」を発売致しました。

当時「吟醸酒」という言葉は一般的に知る人が少なく、鑑評会用にのみ醸造されていました。「吟醸酒の素晴らしさを多くの方に知ってほしい」の一念で発売したこの酒は、吟醸酒の普及に貢献してきたと自負しております。

1997年には、日本の食文化を代表する吟醸酒の素晴らしさを日本だけでなく海外の方々にも知っていただきたいと考え、海外輸出をスタートしました。現在では、世界35か国以上に販路が広がりました。

弊社はこれからも手造りで丹念に醸した高品質なお酒を、国内外のすべてのお客様にお届け出来るよう、蔵人、社員一同、日夜を問わず精進していきたいと思います。

―代表銘柄は?

代表銘柄は出羽桜 です。

  • 「出羽桜 桜花吟醸酒」

1980年の発売以来、皆様にご愛飲頂いている出羽桜の定番酒。「この酒で日本酒に目覚めた」とのお声を多く頂き、吟醸ブームを切り開きました。

フルーティーな吟醸香と爽快な味わいが評価され、「マックスファクター化粧品"SK-Ⅱ"の香りサンプル」「英国最古のワイン商で王室御用達のBB&R社が初めて扱う日本酒」に採用されるなど、今なお進化を続けています。

  • 「出羽桜 純米大吟醸酒 一路」

毎年ロンドンで開催されるインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門で最高賞「チャンピオン・サケ」に輝くなど、海外でも高い評価を受けている「一路」は、正に先達が切り開いてくれた一筋の「みち」。

フルーティーな香りとスムーズな飲み口は、日本酒に親しみがない方にもおすすめです。

―イチオシ商品はなんですか? 

「出羽桜 純米大吟醸酒 雪女神 4割8分」

山形酒米の集大成「雪女神」をより気軽に楽しんでいただきたいとの願いから、精米歩合48%の純米大吟醸を仕込みました。しなやかで透明感のある味わいをお楽しみください。

よく合う料理は白身魚の刺身です。

自社精米と-5℃の熟成、品質に対する徹底したこだわり

―酒造りで心がけていることは?

創業当時より、「完全手造り」を徹底した酒造りを行っております。昔ながらに、地元の蔵人の手で櫂入れできる小さいタンクで大切にお酒を育てます。

また、品質維持のために出羽桜では以下の3つを心がけています。

自社精米

委託精米が主流の中、出羽桜は自社の精米場で丁寧に米を磨きます。酒造好適米を一粒まで、大切に取り扱うことで、雑味のない綺麗な味わいが生まれます。

平均精米歩合50%

出羽桜商品の精米歩合は平均50%。吟醸酒だけでなく、スタンダードなお酒の品質も、圧倒的に良くしています。

高い貯蔵技術

全国で初めて導入した「脱酸素装置」により日本酒に含まれる酸素を除去した後、マイナス5度の冷蔵庫で熟成させます。日本酒の酸化による劣化を防ぎ、年間を通して高品質な日本酒を出荷しています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

「公益財団法人 出羽桜美術館」

酒蔵に隣接する出羽桜美術館は、1988年に、三代目仲野清次郎が永年に亘って蒐集してきた陶磁器、工芸品等の寄贈を受けて開館しました。三代目清次郎の旧住宅である明治後期頃の伝統的日本家屋の建物を活用し、木造瓦葺の母屋と蔵座敷を展示室として公開しております。

主な収蔵品は、古韓国・新羅・高麗・李朝期の陶磁器と工芸品で、その他、斎藤真一「瞽女・明治吉原細見記」、近代文人の書、桜に因んだ工芸品、日本六古窯等、三ヶ月毎の企画展示をしています。

「舞鶴山」

出羽桜の名前の由来である、桜の名所「舞鶴山」です。街のシンボルとして天童市民に愛されています。毎年、桜が咲く時期になると、約2,000本の桜の下で、天童桜まつり「人間将棋」が行われます。県内外より人が訪れ、人気のイベントです。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

いで湯と将棋の駒の街、地元天童市は、日本有数の果樹地帯です。最近では、山形の豊かな果物を活かし、「とろけるやまがたリキュールシリーズ」を展開しております。

その他、多様化するお客様のニーズにお応えするため、日本酒スパークリング、日本酒缶、貴醸酒、リキュール、ノンアルコールなど、これからも時代を先取りした商品開発を行って参ります。

これからも皆様に美味しいお酒をお届けして参ります。

今後とも出羽桜酒造を何卒よろしくお願いいたします。

今回ご紹介した酒蔵について

【山形県】
出羽桜酒造株式会社
山形県天童市一日町一丁目4番6号
https://www.dewazakura.co.jp/

 

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酒蔵プレス編集部

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