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~食べながら呑んでいたら、いつの間にか無くなっている酒造り~【浅茅生】有限会社平井商店-滋賀県


地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第12回目の当記事では、滋賀県大津市(しがけんおおつし)の平井商店(ひらいしょうてん)を特集します。日々ご紹介する酒蔵のまとめは下記をご覧ください。

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【キラリと光る、地域で愛される酒蔵の銘酒】全国にある様々な酒蔵の歴史と文化、オススメの商品や地域の観光をご紹介!

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と日本酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画がスタートしました! 日本には約1,400の酒蔵があり、地域の蔵人たちは日々情熱を注いで酒造りをしています ...

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―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

万治元年(1658年)創業。
京都へ至る東海道五十三次最後の宿場「大津宿」、その旧東海道の一本北の通りに弊社はあります。京都で消費されるのに「大津酒」という言葉があるほど旧大津市街地では酒造が盛んで、元禄10年(1697年)頃には77軒もの酒屋が軒を連ねていたといいます。
現在、造り酒屋は旧市街地内では弊社一軒のみとなりました(大津市内では2社)。

「近江屋 八兵衞」が当時の屋号で代々「八兵衞」を代々世襲しています。5代目から酒屋をはじめ、現在の当主で17代目です。歌舞伎などの世襲とは違い、戸籍から名前が変わります。社員はおらず、家族規模の小さな蔵で細々とお酒を造っています。

浅茅生(あさぢを)は後水尾天皇皇子聖護院宮道寛親王より当家に賜った和歌より命名

―代表銘柄は?

銘柄「浅茅生(あさぢを)」は1677年、後水尾天皇皇子聖護院宮道寛親王より当家に賜った和歌「浅茅生のしげきの中の 真清水は 行く千世ふとも くみはつきせじ」より命名させたいただいたものです。
※浅茅生:背の低い茅が生い茂る場所。

読みにくいことも手伝ってよく「浅芽生」と書かれることが多いですが「芽(め)」ではなく「茅(かや)」という字です。
この銘柄で純米大吟醸から普通酒まで蔵の規模の割には色々造っています。滋賀県産の酒米や飯米を主に使用し、「食べながら呑んでいたら、いつの間にか無くなっているお酒」を目指しています。

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

お薦めは「純米大吟醸あんのん」です。滋賀在住のイラストレーター松浦すみれさんからのご提案でこのお酒は生まれました。安穏とunknownにかけた言葉で、コロナ禍でも心安らかに日本酒を飲んでほしい(安穏)ことと、微生物やウィルス・発酵の持つ未知なる力(unknown)に畏れや信じることを合わせた意味合いを持っています。

味わいや薫りはとても穏やかで柔らかく、日が経つほどに旨みが膨らみます。
滋賀の食材でいえば鯉の洗い(お造り)が合うでしょうか、味わいが淡白なものほどお互いを引き立たせます。

酒蔵プレス編集部

酒蔵プレス唎酒師による「純米大吟醸あんのん」テイスティングノート

●香り
控えめですっきりとした吟醸香が立ち、アルコールのすっきり感もあり、全体的にまとまりのある優しい爽やかな香りです。冷から常温に近づくと甘さが引き立ち、香りの変化を楽しめます。

●味わい
口当たりがなめらかで、ジューシーさを感じた後、旨味と少しの苦みが残ります。味わいは強い甘みがありつつ、全体的に優しい味わいです。

●ペアリング
鰆の西京焼きにとても合います。味噌のコクと甘み、魚の苦みと旨味が日本酒と同調します。クセの少ない日本酒なので、料理の美味しさを更に引き立ててくれます。

●総評
酒造好適米ではない食用米「みずかがみ」から連想される瑞々しさ、さわやかさ、軽さが特徴です。舌に少し苦みの残る味わいが、日本酒として、女性から男性、初心者から上級者まで幅広い層へおすすめできます。

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

製造量が少ないので、1本1本悔いのないように仕込みたいと思っています。
そして、去年より酒質が良くなるように、小さなことでもなにか一つは改善したり工夫したりできるよう心がけています。

あとは体調管理…でしょうか。隙あらば寝てます。疲れてくるとどうしても気持ちに余裕がなくなり、ミスやイライラすることが多くなり良いことが一つもないです。

なかなか難しいですが蔵全体の休みもできる限りとれるようにと思っております。「身体にやさしい酒造り」を心がけていています!

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

大津は歴史もあり、古い町家もちょこちょこ残っています。ただ京都に近いため、そして適度に開発もされているためか、なかなか観光地としては苦戦しているように思います。

最近では町家を活かした町家ホテルやお店が少しずつですが増えてきています。弊社の近所に100年以上続く老舗の鮒ずし屋さん(阪本屋)や漬物屋さん(八百輿)があります。もし蔵に来られることがあれば、その周辺もぜひ散策していただけたらと思います。

「浅芽生」ではなく『浅茅生』です!

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

弊社商品は、ほとんど地元で消費されています。これを機会に知っていただけたらなと思います。滋賀県はもちろん全国にも家族規模の小さな蔵がたくさんあります。もし地方へ旅行される場合はせっかくなので、地元の銘柄、聞いたことない銘柄を積極的に召し上がっていただけたらと思います。地元でも知らない銘柄を発見されたら是非!

そして「浅茅生」に出会われた方、「浅芽生」と書かず「浅茅生」と書いてSNSなどで発信していただけましたら幸いです。
たくさん呑んでいただくと、たくさん造れます、よろしくお願い致します!

今回ご紹介した酒蔵について

【滋賀県】
有限会社平井商店
滋賀県大津市中央1丁目2−33

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酒蔵プレス編集部

あなたと酒をつなぐSAKEメディア 「酒蔵PRESS」では、Made in JAPANの日本酒を中心に、和酒(日本酒、焼酎、泡盛、梅酒、リキュール、地ビール、日本ワインなど)に関わる情報を発信しています。

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