地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第24回目の当記事では、滋賀県甲賀市(しがけんこうかし)の美冨久酒造(みふくしゅぞう)を特集します。
「水口」の名前は水が綺麗で豊富な事からつきました。
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
1917年(大正6年)甲賀忍者の郷であり東海道五十三次50番目の宿場町「水口宿」の入り口に蔵を構えております。
この「水口(みなくち)」とはその名前通り水が綺麗で豊富な事から名づけられており、現在でもこの町の中だけで5軒の蔵元が集まる地酒処です。
そんな地酒処で代々山廃仕込を中心にふくよかな味わいのお酒を醸し、蔵見学や直売所、蔵開きなどを通して日本酒、酒蔵に興味を持ってもらえる様に活動を行っています。
―代表銘柄は?
伝統技法「山廃仕込」を中心に“美”しく“冨”くよかで恒“久”に続くお酒を目指し、滋賀県産の好適米「吟吹雪」をメインに幅と奥行きのある「美冨久(みふく)」。
4代目蔵元が“三”世代「渡船六号」「山田錦」「吟吹雪」の酒造好適米を使い“三”種類のお酒を中心にそれぞれの“三”が“連”なり“星”の様に輝けるお酒を目指して全て純米吟醸規格で醸す「三連星(さんれんせい)」という2つの銘柄のお酒を醸しています。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
美冨久のお酒で「酉也吟純聖(いぎんじゅんせい)」という山廃純米吟醸のお酒があるのですが、こちらは40~45度のぬる燗で猪肉の角煮がおススメ。
山廃仕込による懐の深さが猪肉の油を洗い流してくれ、肉のボリューム感を楽しませてくれます。
三連星は「三連星 純米大吟醸(赤)渡船六号」という渡船のお米を使った純米大吟醸酒をキリっと8度位に冷やし、ワイングラスで近江牛の牛カツが相性抜群。
復活米である「渡船」由来の酸味が衣で閉じ込められた近江牛の旨味を引き出してくれます。
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
美冨久銘柄は「山廃仕込」がメインになる為、時間をかけてゆっくり、じっくりお米を溶かし、なるべく酵母菌が活発に活動しやすい環境を提供してあげる事を念頭に幅と奥行きのあるふくよかな味わいが出る様に心がけています。
また、三連星は純米酒表示のお酒も純米吟醸と名乗れる規格で酒造りを行っており、地元の契約農家産酒造好適米を全て限定吸水、突き破精でキレの良い後味、フレッシュさを追求した火入れによって鮮度をキープさせ限定流通酒でお客様まで届けています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
毎年3月の最終土日に蔵開きを行って毎年5,000人以上の人でにぎわいます。
蔵のある甲賀市は忍者の郷であり、「リアル忍者館」「忍術村」「忍術屋敷」がおススメ。
また、NHK朝の連続ドラマ「スカーレット」の舞台にもなった日本六古窯の一つ「信楽焼」の産地でもありますので、美冨久酒造で気に入ったお酒を飲む為のぐい吞み探しがおススメです。
“美”しく“冨”くよかで恒“久”しい黄金の輪を求め続け酒文化の創造によって お客様と社会に貢献いたします。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
これが美冨久酒造の理念です。特に「酒文化の創造」という伝統文化を引き継ぎながら時代に沿ったお酒、新たな挑戦による創造を求めて美冨久酒造のお酒を知って味わってファンになってもらえることを目指して酒造りをしています。
ぜひ一度飲んでみてください。
この出会いによって皆様とつながる黄金の輪を求め続けて行きたいと願っております。
今回ご紹介した酒蔵について
【滋賀県】
美冨久酒造株式会社
https://mifuku.co.jp/
滋賀県甲賀市水口町西林口3-2
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