地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第151回目の当記事では、静岡県静岡市の臥龍梅(がりゅうばい)を特集します。
三和酒造の起源、夢に見た清泉から
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
三和酒造の発祥は貞享3年(1686年)に遡ります。初代市兵衛が酒造用の良水を授けたまえと祈願したところ、夢に鶯と化した稲荷大明神が現れ、満月の夜に市兵衛を導いて浅間山麓の梅の枝に止まり、その地を掘ってみると清泉を得られて、酒造業をはじめたと伝えられています。
それ以来、昭和になって旧清水市内の酒蔵2社とともに三和酒造を設立いたしました。
―代表銘柄は?
代表銘柄は「臥龍梅 」です。
当社近隣の禅寺には徳川家康お手植えとされる「臥龍梅」の木があります。後に天下人となる家康にも臥龍(地にひそみ隠れている龍の意)の時代がありました。
そんな家康公にあやかり、やがては天下の美酒と謳われることを願って名付けられたお酒です。
―イチオシ商品はなんですか?
「Garyubai Sparkling Sake」
ハレの日にぴったりのクリアなスパークリング日本酒。シャンパン製法で完全な滓のない商品を実現しており、味わいもシャープできめ細やかな泡とフルーティな香りを堪能できます。
お薦めの飲み方:合わせたいお料理はキャビアやからすみ、塩辛です。
ワインやシャンパンでは合わせにくい珍味には、豊かな香りとほどよい炭酸が味わいを締める良いアクセントとなる臥龍梅のスパークリング酒がぴったり。両者の旨味を引き立てます。よく冷やしてお飲みください。
多彩な原料米で香り味のバリエーション
―酒造りで心がけていることは?
10種類以上の原料米を使用して造りを統一し、酒米の違いによる味と香りのバリエーションを愉しんでいただくことをモットーとしております。味も香りも豊かでインパクトがあり、後口のきれいな酒質を目指して、丁寧な小仕込みで醸造しています。
最近ではスパークリング清酒として、シャンパン製法やシャルマ式製法、赤色酵母を用いた商品など、日本酒の新しいカタチにも挑戦しています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
「臥龍梅」の由来となっている徳川家康公を題材とした2023年の大河ドラマでは、ここ静岡県静岡市が舞台の1つとなっています。
静岡市は家康公が思春期を過ごし、また大御所として晩年を過ごした場所。市内には家康公ゆかりの観光スポットがたくさんあります。
ぜひ全国の方に、徳川スポットを巡って静岡の美味しいものを食べて、静岡の街と歴史を愉しんでいただきたいです。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
近年では地元産の農産物を使用した純米吟醸に挑戦したり、地元の企業とのコラボ商品開発や大学との共同研究を行ったりと、地域に根差した取り組みに力を入れております。
これからも地元静岡を盛り上げていけたらと思います。
300余年の歴史のある酒蔵ですが、酒造りの伝統を守りながらも、本格シャンパンタイプのスパークリングや清酒リキュール、微アルコール等、今後も日本酒の新しい可能性を切り開いてまいります!
今回ご紹介した酒蔵について
【静岡県】
三和酒造株式会社
静岡県静岡市清水区西久保501-10
http://www.garyubai.com/
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