sake 岡山県

雄町の未来は御前酒が醸す【御前酒】御前酒 蔵元 辻本店‐岡山県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第222回目の当記事では、岡山県真庭市(まにわし)の御前酒 蔵元 辻本店(つじほんてん)を特集します。

最古の酒造り、「菩提酛」を復元した蔵

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

文化元年(1804年)創業。美作勝山藩御用達の献上酒として「御前酒」の銘を受けたことが銘柄の由来。現在は七代目蔵元辻総一郎と実姉の麻衣子が杜氏を務め姉弟で蔵を切り盛り。

令和4酒造年度より全量県産雄町での酒造りとなり、全国に先駆けて復元した「菩提酛」での酒造りが特徴。代々の蔵元は文化人との交流を積極的に行い、与謝野鉄幹・晶子の逗留を始め、谷崎潤一郎、近年では渥美清、永六輔等、多くの客人が訪れている。

―代表銘柄は?

御前酒1859

令和の時代、御前酒が目指す「全量雄町使用」「全量菩提もと仕込み」です。この哲学を体現する純米酒が「御前酒1859」です。「1859」の数字は、酒米・雄町の歴史がはじまった1859年に由来します。

お薦めの飲み方:冷や

―イチオシ商品はなんですか? 

「御前酒 菩提酛 貴醸酒」

「御前酒貴醸酒」は菩提酛の可能性を追窮するために、仕込み用の酒にも菩提酛純米酒を使用し、全国で初めて「菩提酛」×「菩提酛」で醸す貴醸酒となります。

デザート酒としての貴醸酒とは違い、フレッシュタイプなので食中酒としても最適。お肉との相性がよく、山間地域にある蔵元ならではの、地元のジビエとのペアリングがおすすめ。フォアグラやレバーペースト等の内臓系との相性も良い。

雄町と菩提酛、最古の酒米と製法の融合

―酒造りで心がけていることは?

雄町に特化した酒造りを選択した理由はいくつかありますが、一つは9割以上が岡山で作付けされる雄町が、岡山県で使われている割合が約15%しかないこと。雄町の作付けを守るためには岡山の蔵がやらなくてはならない選択でした。

また菩提酛は先代の時代に復元した当蔵にとってのアイデンティティであり、最古の酒米と最古の製造で現代にフィットした酒を醸すことこそが当蔵の哲学です。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

地元の発酵に携わる企業と発酵クロスオーバーチーム「まにわ発酵’s」を結成し、同市内にある酒蔵と仕込水を交換して酒を醸したり、菩提酛のそやし水を使ったサワーIPAを醸したり、熟成した酒粕を原料に赤酢を醸す共同醸造プロジェクトや、発酵ツーリズム等、地域を盛り上げる活動を行っています。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

全量雄町で酒を醸すのは当蔵のみです。

それは岡山としての誇りであり、この地域を守るため。我々が醸すお酒を通して蔵のある真庭市勝山を知っていただき、訪れていただきたい。そのために酒を醸しています。

今回ご紹介した酒蔵について

【岡山県】
御前酒 蔵元 辻本店
岡山県真庭市勝山116
https://www.gozenshu.co.jp/home.html

 

地域で愛される酒蔵をご紹介!

【キラリと光る、地域で愛される酒蔵の銘酒】全国にある様々な酒蔵の歴史と文化、オススメの商品や地域の観光をご紹介!

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と日本酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画がスタートしました! 日本には約1,400の酒蔵があり、地域の蔵人たちは日々情熱を注いで酒造りをしています ...

続きを見る

 

 この記事が気に入ったら、いいね !・シェアしよう
最新記事をお届けします!

  • この記事を書いた人

酒蔵プレス編集部

あなたと酒をつなぐSAKEメディア 「酒蔵PRESS」では、Made in JAPANの日本酒を中心に、和酒(日本酒、焼酎、泡盛、梅酒、リキュール、地ビール、日本ワインなど)に関わる情報を発信しています。

-sake, 岡山県
-, , , , ,

© 2024 酒蔵プレス