山田錦テロワールを追究する創業100年のベンチャー企業【秋津・龍力】本田商店-兵庫県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第123回目の当記事では、兵庫県姫路市（ひめじし）の株式会社本田商店（ほんだしょうてん）を特集します。

「米の酒は米の味」の理念に基づいて、酒造りを行う「本田商店」

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

酒造りにおいて最も重要なものは、素材である「米」と考え、「米の酒は米の味」を基本理念に、酒造りを行っております。使用する山田錦は全て兵庫県特Ａ地区産のものです。田んぼの土壌研究を行うなど、山田錦にとことん取り組んでいます。

蔵のある姫路市は、かつては播磨と呼ばれた地域です。日本最古の地誌「播磨国風土記」には、カビの生えた米を利用して酒を造ったとの記載があるなど、古くから酒造りが盛んな地域です。

―代表銘柄は？

純米大吟醸「秋津」です。

昨今プレミアムな日本酒が増えてまいりましたが、その元祖ともいえるお酒です。基本理念に基づき、山田錦の中の山田錦。「これぞ山田錦」と言える山田錦を求めました。

そのために、

①特A地区内の篤農家（勉強熱心な農家）に栽培を依頼
②日本初の栽培法を指定した契約栽培
③有機肥料、への字型栽培農法、稲木掛け自然乾燥と、山田錦栽培に最善の方法を選択

このように、農家と共に日本一の山田錦に取り組み、収穫した山田錦を心白だけになるように磨き、醸しました。瓶詰後は、マイナス３度の氷温で３年以上熟成。フレッシュな香りを保ちつつ、まろやかな味わいに仕上げます。とろりとした口当たりと、上品な旨味。長い余韻。円熟の極みともいえる味わいのお酒です。

姫路の居酒屋の定番おつまみ「ひねポン」と合わせてお飲みください

―イチオシ商品はなんですか？地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか？

• 大吟醸米のささやき

今では当たり前となった「日本酒を冷やして飲む」という文化を創ったお酒とされます。ぜひ冷やしてお飲みください。

姫路をはじめとする兵庫県西側のエリアでは、山や海があり、豊富な食材に恵まれている地域です。新鮮な魚介類のお刺身に合うのはもちろん、牛肉の赤身肉のように旨味のある食材とも非常にマッチします。姫路の居酒屋の定番おつまみ「ひねポン」ともぜひ合わせてみてください。

―酒造りで心がけていることは？

基本理念に基づき「良い素材」を使うことを心掛けています。また、酒造りそのものにおいては、低温での発酵を心掛け、すべてのお酒を大吟醸と同じ手間をかけて仕込んでいます。

近年では、蔵人の働き方改革に取り組み、早朝からの仕事を減らすなど全体のスケジュールを見直し、働きやすい環境造りも行っています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

酒蔵には日本で唯一、山田錦の田んぼの土壌標本（モノリス）が展示された「龍力テロワール館」があります。山田錦の土壌標本を実際に目で見て、味を確認し、山田錦テロワールを感じることができる場所です。

この他、世界遺産姫路城の近くに熟成古酒処「玄妙庵」をオープンしました。こちらでは、複数の古酒を試飲し、自らブレンドすることができます。世界で一つのオリジナル熟成古酒を造ることができます。

ぜひお越しください。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします！

私たちは、いち早く全量酒造好適米へ取り組んだり、いち早く大吟醸酒に取り組んだりと、これまでに様々な挑戦を行ってまいりました。

そしてこれからも、山田錦テロワールをはじめ、熟成古酒など日本酒の新しい楽しみ方を提案するための挑戦を続けます。

日本一の山田錦に恵まれた土地で、地域を活かし、飲み手、買い手、造り手すべての人たちに喜んでいただける「よろこんでもらえるよろこび」を追究し続けます。

創業100年のベンチャー企業として。

今回ご紹介した酒蔵について

【兵庫県】
株式会社本田商店
https://www.taturiki.com/
兵庫県姫路市網干区高田３６１－１