「日本酒マニアックBOOK」「日本酒のペアリングがよくわかる本」に続き、酒ジャーナリストの葉石かおりさんが贈るシンコーミュージック日本酒シリーズ第3弾「日本酒のおいしさのヒミツがよくわかる本」が刊行されました。「ここ数年の日本酒ブームもあり、日本酒の酒質が上がっていると感じているが、その要因はどこに在るのか」を取材を通して見た著者の目線から「酒造り」の最新情報をわかりやすく楽しく解説しております。
目次
プロローグ「日本酒のおいしいヒミツが知りたくて」
Part 1 お好みのお酒の見つけ方
まずはいろいろ少しずつ飲んでみよう
自分の好みを徹底分析しよう
わからないことはプロに聞こう
知っておくと便利な日本酒の4タイプ
飲み比べてみよう スパークリング清酒の3タイプ
Part 2 おいしさのヒミツ、ここにあり
日本酒造りの流れを把握しよう
お米を最大限に生かす「精米」と「枯らし」の変化
高まる「洗米」の重要性
蔵ごとの工夫が光る「製麹」
上田流麹作り(たらい麹)
簡易製麹機による米麹作り
「酒母」の製法で決まる味の個性
速醸系酒母「高温糖化酛」の工程
「超速醸酛」の工程
生酛系酒母「生酛」の工程
生酛系酒母「山廃酛」の工程
最古の酒母製法「菩提酛」工程
COLUMN
現代に復活した菩提酛の歴史を紐解く
成分分析で進歩した「もろみ造り」
COLUMN
低アルコール原酒を造る3つの方法
「上槽(搾り)」の方法と風味への影響
COLUMN
おいしさの敵・雑菌を繁殖させない工夫
「澱引き」&「ろ過」の進化でフレッシュ感がアップ
「火入れ」とタイミング
おいしさを保ち、お酒を成長させる「瓶詰め」と「貯蔵法」
Part 2 番外編
製法の違いで生まれるスパークリング清酒の喉越しと風味
COLUMN
awa 酒協会の目指すスパークリング清酒 〜世界の乾杯酒へ〜
Part 3 低精白、酵母無添加の生酛造りで拓く未来
多様性の中の個性で勝負
自然派の日本酒で世界の「TSUCHIDA」へ
〜土田酒造「土田」土田祐士
Part 4 成熟酒の新たな価値と楽しみ方
世界が注目する熟成酒の魅力
熟成酒のおいしさのヒミツは?
時を刻む熟成酒への挑戦
〜冨田酒造「琥刻」冨田泰伸
Part 5 日本酒の4タイプとベストペアリング
味覚センサーが裏付けるロジカルペアリング
日本酒の4タイプ別ロジカルペアリング
味覚センサーとペアリングの未来
Part 6 酒造りに欠かせない「米」「米麹」「水」「酵母」
酒造好適米の格付けと値段の関係
全国に広がるご当地酒米
酒蔵による新たな手法での酒米造り 〜泉橋酒蔵「いづみ橋」橋場友一
酒造りに欠かせない「麹菌」の歴史と役割
「種麹」の誕生が安定的な酒造りを実現
麹作り一筋25年 「武勇」高橋寛さんの「麹な日々」
原料の80%を超える「水」の重要性
COLUMN
日本酒には“和らぎ水”をお供に
酒質に影響する水の硬度
「酵母」を労わる酒造りで酒質が向上
時代とともに変わる人気の酵母
主流の泡なし酵母と、注目の蔵付き酵母
COLUMN
香気成分をつくる酵母の野望
エピローグにかえて
世界から見た日本酒の今と未来
〜南部美人「南部美人」久慈浩介
「新しくなった日本酒の造り方こそ、おいしさのヒミツ」という考えのもと、最新の作り方を徹底取材。「わかりにくい」と言われる生酛、山廃元、菩提酛などの酒母も蔵元のスケジュールと交えて図解で網羅し、業界注目の熟成酒、スパークリング清酒についても丁寧に紹介しております。
「ネットに散見される誤った情報を専門家に取材し、正しい情報を伝える」という目的で、蔵元をはじめ、農学博士、種麹を販売する経営者、精米機器メーカーなど、あらゆる方々にお話を伺い、記事にまとめ、「おいしさのヒミツ」を紐解いている一冊です。
著者:葉石 かおり(ハイシ カオリ)
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長/酒ジャーナリスト、エッセイスト。国内外でサケ・アカデミーを開講し、日本酒の伝道師・SAKE EXPERTの育成を行う。全国の日本酒・焼酎蔵を巡り、各メディアにコラムを執筆。味覚センサーのデータを駆使したロジカルペアリングや、中国料理と日本酒、焼酎とのペアリング(JFOOD)などペアリングを得意とする
酒蔵プレス編集部のコメント
日本酒業界にいると、そんなことはないと思いつつも、やはり説明するといつの間にか難しくなってしまっている。
そんな難しい話を「日本酒はおいしい」という目線で、
その「おいしさ」を生み出す酒蔵の「こだわりの造り方」についてわかりやすく書かれています。
ここまで徹底して造っている日本酒であれば「それはおいしいよね」と納得してしまう1冊です。