地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第7回目の当記事では、福島県会津若松市(ふくしまけんあいづわかまつし)の名倉山酒造(なぐらやましゅぞう)を特集します。
全国新酒鑑評会で11年連続金賞
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
名倉山は大正7年、今でいうところの酒の鑑定官のような仕事をしていた初代松本善六によって創業。
創業当初は「竹正宗」という銘柄で販売されていました。昭和12年頃に猪苗代湖畔にある名倉山の美しさから現在の銘柄である「名倉山」へ変更し現在に至ります。以来、とことん酒質にこだわり、革新的な酒造りに取り組んでいます。
昭和48年、まだ全国的には甘口の酒が全盛で、ここ会津地方の蔵元でも鑑評会への出品をしていないときに「吟醸造りで一般の消費者に飲んでもらえる純米酒を造りたい」と考え、吟醸・純米酒造りに着手したのも、その表れのひとつです。
現代の吟醸造りの先進地福島県で、最上の「きれいなあまさ」を目指し、米・水・製造にこだわり抜いた酒造りをしています。
その情熱と高い技術力に裏打ちされたお酒は、全国新酒鑑評会で11年連続金賞や各種コンクールで高い評価をいただいております。
―代表銘柄は?
名倉山、月弓、会津士魂(限定流通)
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 会津士魂 特別純米
会津産夢の香を使用。お米の旨味を最大限に引き出し、きれいな酸味でキレの良い純米酒。
無濾過無加水、全量マイナス5℃で瓶貯蔵しました。
飲み方:冷や~ぬる燗
料理との合わせ方:会津の郷土料理「馬刺し」に合わせるのがオススメです。
酒蔵プレス唎酒師による「会津士魂 特別純米」テイスティングノート
●香り
洋ナシのようなフルーティーさと微かに感じるアルコール感により、爽やかに香ります。
●味わい
口当たりがまろやかでやわらかく、舌の上でジューシーさが広がり、最後に米の旨味を感じます。喉越しの辛さと後口の苦みにより、旨辛苦の3要素を一度に味わえます。
●ペアリング
脂の多い鮭のハラスと合わせることで、脂が流れ、旨味が引き立ちます。きのこのバターソテーなども旨味と苦みのバランスが取れ、日本酒と料理が調和します。
●総評
飲みやすくもあり、日本酒らしい旨味と苦みがあります。幅広い層から受け入れられるようなしっかりとした日本酒です。日本酒度は-2ですが、喉越しにキレがあり、余韻が心地よい。
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
・飲む人を想像し、丁寧に酒造りをする。
・蔵人のチームワークを大切にし、情熱を持って酒造りをする。
・地域に愛される酒を造る。
―観光などのオススメポイントを教えて下さい。
1月に会津鶴ヶ城で開催される絵ろうそくまつりは必見です!
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
地域に愛される酒をモットーに、情熱を持って酒造りをしています。ぜひ、名倉山のお酒を飲んで楽しい時間をお過ごしください。
今回ご紹介した酒蔵について
【福島県】
名倉山酒造株式会社
https://nagurayama.jp/
福島県会津若松市千石町2番46号
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