地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第137回目の当記事では、北海道旭川市(あさひかわし)の髙砂酒造(たかさごしゅぞう)を特集します。
「北海の灘」で北海道の米を使用した酒造り
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
1899年に創業した旭川の地酒蔵。厳寒の地、北海道旭川市には酒造りに於いて有用な気候風土が整っており、古くより「北海の灘」と呼ばれるほど、多くの酒蔵が酒造りを行っていました。
沈降と堆積作用によって貯えられた良質豊富な地下水は、季節による質的変化もほとんどなく、酒造りの重要な要素である水に恵まれた土地柄と言えます。
また、水処は米処、米処は酒処、良質な米が酒造りを可能にします。髙砂酒造の道産米比率は約90%となり、北海道の米を使用した酒造りで高い評価をいただいております。
―代表銘柄は?
代表銘柄は「国士無双」です。
1975年に誕生した代表銘柄である「国士無双」は、その当時、甘口から辛口の酒へのニーズが高まりつつある人々の嗜好の変化をいち早く掴みとり誕生した酒で「この世に二つとない、後世に語り継がれるような酒に」との願いを託して命名されました。
中国の史記に由来するその名は、今からおよそ2200年前、漢の時代に活躍したとして武勇伝が残る将軍・韓信を「国士無双(天下に二人といない傑出した人材)」と称えたという逸話にちなんだもの。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 「純米吟醸酒 国士無双」
代表銘柄「国士無双」の中で一番人気なのが「純米吟醸酒 国士無双」。
北海道産酒造好適米「きたしずく」を55%まで高精米して醸した酒は、華やかな柑橘系のような香りで、旨み・コクがしっかりと感じられる飲み口。
酸とのバランスも良く、すっきりと飲み飽きしない味わいです。焼き秋刀魚や湯豆腐との相性も抜群です。
また、去年開催された「全国燗酒コンテスト2022 プレミアム燗酒部門」で最高金賞を受賞いたしました。
「ここにしかないモノ」を造り続ける酒蔵
―酒造りで心がけていることは?
豊富な水量と清麗な水質を誇る大雪山系の伏流水と、北海道産酒造好適米を原料に使用し醸した『純北海道産酒』を販売。
また近年では、雪国ならではの自然環境を利用したエコな貯蔵方法「雪中貯蔵法」の採用や、道内の原料米生産地の地域特性を生かした日本酒造り、年間約50t精製される酒粕を全量有効活用した異業種企業との商品開発など、旭川の地酒蔵として「ここにしかないモノ」を造り続けています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
旭川市は開拓時代から酒造りが盛んで、現在は3つの酒蔵(男山、髙砂酒造、大雪の蔵)と地ビール工場(大雪地ビール)があります。
高砂酒造、男山にはそれぞれ直売店があり、大雪地ビール館が駅近くにあり観光スポットになっています。そして、旭川は交通の要衝であり、日本海、太平洋、オホーツク海の三つの海から海産物が一堂に集まることから、内陸でありながら新鮮な海の幸を味わうことができます。
是非旭川にお越しの際には、飲食店で地元のお酒と共に、海の幸そして広大な北海道で採れる農作物をご堪能下さい。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
蔵人達が地元のお水・お米で丹精込めて造った日本酒を是非ご賞味ください。
今回ご紹介した酒蔵について
【北海道】
髙砂酒造株式会社
https://takasagoshuzo.com/
北海道旭川市宮下通17丁目右1号
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