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~心の栄養となれるよう“やさしさを持った”酒を目指す~【安芸虎】有限会社有光酒造場-高知県


地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第37回目の当記事では、高知県安芸市(こうちけんあきし)の有光酒造場(ありみつしゅぞうじょう)を特集します。

小さい蔵独自の「味わい深い酒」を追求

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

有光酒造場は温暖な地、高知県の小さな酒蔵で、安芸市清流・赤野川のすぐ側に位置します。清流赤野川水系の水は柔らかな味で、ふくらみと優しさのある酒に適しています。

創業は明治36年(1903年)。創業者の有光伊太郎は、三菱の創始者岩崎彌太郎氏と懇意であったそうで、造り酒屋を起こすに当たり、氏から強い刺激を受けたと伝えられています。

当蔵は初代伊太郎の次男、二代目伊太郎が分家として大正時代に購入した建物です。そこは前所有者の吉田家によって江戸時代に建てられたもので、大切に守られながら現在まで現役の酒蔵として活用されているのです。小さい蔵独自の「味わい深い酒」を追求しています。

安芸虎(あきとら)のテーマは「食中酒」

―代表銘柄は?

  • 安芸虎
    名の由来は、戦国時代(16世紀)に高知県東部地域を支配した武将「安芸國虎(あきくにとら)」にちなんでいます。残念ながら後に四国を平定した長曽我部元親に敗れてしまうのですが、敗戦の折り、自らの命と引き換えに家臣の身の安全を守った逸話は有名です。

    安芸虎のテーマは「食中酒」であり、酸は高めとなっています。しっかりとした味わいを表現したいので、あまり切らさない酒造りを目指しています。大切なのはその酸が爽やかな酸味であること、つまり正常に元気な発酵をしていること、元気なまま、きちんと発酵が終了する様にお世話することだと思っています。

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

  • 安芸虎山田錦80%精米
    爽やかでボディー感のあるしっかりとした味わいと、キレの良さが特徴です。酒造好適米山田錦だからこそ出せる味わいです。

    高知のカツオのたたきはもちろん合いますが、こってりとした肉料理とも相性が良く、新感覚の食中酒としてお楽しみいただけます。冷やしてもおすすめですが、燗にするとより暖かみの増す酒です。

おいしい日本酒を作るべく、新しい糸口を探りたい。そのためには伝統をも疑う姿勢

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

日本酒の醸造技術は古来より研鑽と挑戦を続け、ほぼ江戸時代には現在の形が出来上がってきていたと思います。麹造り、もと造り、三段造り、寒造りなど、組織のあり方さえもその時に出来上がりました。

その後、近代に入って科学の知識を用いて酵母、麹の研究で発酵の正体が明らかになり、それら酵母、麹の開発、応用が進み、香り、味わいともに深い酒が醸造されています。そのうえ、冷房設備の導入で、造醸・貯酒ともに品質の向上を大きく進めています。さらに酒造教本や醸造試験場を通じて標準的な醸造方法も学べ、スキルを身につけることも出来ます。

ただ、今でもまだ蔵元の現場では変わることなく、早朝の冷気の中、甑(こしき)が吹き上げる蒸気に包まれながら、めしを掘り、櫂(かい)を入れ、酒を仕込んでいます。時代や道具が変っても、いま私たちは先人たちが作り上げた伝統の下にいます。

世界に醸造酒(蒸留していない酒)があまたあれども、ここまでフルーティで甘美で洗練された醸造酒はワインと日本酒とビールぐらいしかないと思っています。先人たちのおかげです。

「しかし、先人たちが長い歴史のなかで作り上げてきた酒の影をそのままデッサンし、それをよしとしておいていいのか?」

今私たちが出来ることは、少しでも前進し、おいしい日本酒を作るべく、新しい糸口を探りたいと思っています。そのためには伝統をも疑う姿勢が大切かと考えたりしています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

高知県安芸市は太平洋に面しており、温暖な気候で自然豊かな地です。岩崎弥太郎の生家があります。

農林水産物が豊富で、茄子、きゅうり、柚子、入河内大根や、高知県特産地鶏である土佐ジローの他、美味しい魚もたくさんあり、馴染みのある土佐のちりめんじゃこから紋ズマカツオなど希少な魚まで、日本酒と合う食材が溢れています。

心の栄養となれるよう“やさしさを持った”酒

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

わたしたちは小さい蔵で昔ながらの手造りを大切にしているのですが、それでも新技術に目を開き、年々新しいことにチャレンジしていきたいと考えています。

ゆったりと過ごしたい時、ひとり物思いにふける時、楽しく仲間と集う時、そんな時に側に置いていただける、心の栄養となれるような“やさしさを持った”酒を目指していますので、ぜひ手にとって頂ければと思います。

今回ご紹介した酒蔵について

【高知県】
有限会社有光酒造場
https://akano.wjg.jp/
〒784-0033 高知県安芸市赤野甲38番地1

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酒蔵プレス編集部

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