地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第263回目の当記事では、新潟県妙高市(みょうこうし)の鮎正宗酒造(あゆまさむねしゅぞう)を特集します。
明治から続く湧き水が生み出す逸品
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
創業は、明治8年(1875年)。初代が枯渇することを知らない良質の湧き水で酒を醸したことが始まりです。
酒の原料となる湧き水は、今も蔵の下からこんこんと湧き出ており、毎時6トンの水量を誇ります。蔵元に寄り添う山の地下深くより自然に湧き上がる伏流水です。
鮎正宗という酒名は、昭和の初めに当酒蔵に程近く保養地として有名な妙高高原町の赤倉に滞在された京都伏見の若宮博義殿下から、この地で鮎釣りをした際に命名していただきました。
―代表銘柄は?
「純米酒 鮎正宗」
米の旨みを生かしたコクのあるマイルドな味わい。旨味、甘味、酸味、苦味の調和がとれた一本。
お薦めの飲み方:冷・常温・ぬる燗・熱燗
―イチオシ商品はなんですか?
「純米にごり酒 毘」
白雪のような柔らかい甘さと口当たりが特徴です。程よい酸味とコクをお楽しみいただけます。
お薦めの飲み方:ロック・冷・常温・ぬる燗で
お薦めの地元料理:
焼き豚に、地元の発酵調味料「生かんずり」を添えて食べるのがおすすめです。さわやかなゆずの香りがほんのり香りと辛みが食欲をそそられます。
まろやかで味わいのある純米にごり酒「毘」と相性抜群です。
低アルコールから本醸造まで、どんな年代層でも楽しめる日本酒を提供する酒蔵
―酒造りで心がけていることは?
どんな年代層でも楽しんでもらえる酒をモットーに。近年では、瓶内二次発酵のスパークリングやにごり酒などピンク色のにごり酒など、低アルコールの日本酒にも力を入れています。
もちろん、定番の本醸造・純米酒も、米の旨味を活かし、 心地よい旨味があって、飲み飽きしないやさしい味わいを求めて酒造りを行っています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
妙高市のグルメスポットといえば「豚汁たちばな」地元で大人気のとん汁専門店で、遠方からはるばる食べに来る繁盛店です。
たちばなのとん汁のこだわりは、なんといってもシンプルな材料。 材料は豚肉・玉ねぎ・豆腐の3点のみ。濃厚でありながら優しい甘みが癖になります。
週末は、行列が絶えない人気店です。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
深い緑に包まれた山あいで、良質の湧き水で醸した酒は、柔らかな口当たりで、甘さにキレがある味わいです。
当蔵のある妙高市猿橋地区は、新潟県でも有数の豪雪地です。
寒仕込みの頃には、2メートルを越す深雪の中にすっぽりと包まれ、澄んだ空気の清らかな山峡で、酒を醸しています。
ぜひ、やわらかな湧き水で仕込んだお酒をお召し上がりいただければ幸いです。
今回ご紹介した酒蔵について
【新潟県】
鮎正宗酒造株式会社
新潟県妙高市大字猿橋636
https://www.hakucho-sake.com/index.html
地域で愛される酒蔵をご紹介!
-
【キラリと光る、地域で愛される酒蔵の銘酒】全国にある様々な酒蔵の歴史と文化、オススメの商品や地域の観光をご紹介!
地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と日本酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画がスタートしました! 日本には約1,400の酒蔵があり、地域の蔵人たちは日々情熱を注いで酒造りをしています ...
続きを見る