地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第264回目の当記事では、京都府京都市(きょうとし)の玉乃光酒造(たまのひかりしゅぞう)を特集します。
京都伏見の伝統を守り続ける純米吟醸蔵
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
1673年、紀州徳川藩の御用蔵として創業。八代将軍吉宗公もご愛飲された350年の歴史ある京都伏見の蔵元です。
1964年『無添加酒』(今の純米酒)を発売。以来『手造り品質第一主義』に徹し、農家との契約栽培化、自社扁平精米、麹は全量手造り、蒸米は甑(こしき:昔ながらの蒸し器)を用いて、全国でも珍しい『純米吟醸蔵』として、酒造りに励んでおります。
―代表銘柄は?
「玉乃光」
初代・中屋六左衛門が熊野速玉大社の宮司から「主神たる イザナギノミコト・イザナミノミコトの御魂が映える酒」との願いを込めて命名されました。
高酸度の酒質により冷酒はもちろん燗にしてもキレが良く、香りおだやかで、料理の素材を引き立てる『味吟醸』が持ち味です。
―イチオシ商品はなんですか?
「純米吟醸 TAMA (雄町100%)」
ワイン酵母を使って白ワインのような甘酸っぱい新感覚の日本酒。アルコール度数も12%と低く、とっても飲みやすい味わいです。
お薦めの飲み方:ワイングラスに入れて、キンキンに冷やしてお召し上がりください。
お薦めの料理:今までにない味わいなので、地元の料理というより、甘いお菓子とあわせてもいいかも?
玉乃光の清らかな味わい
―酒造りで心がけていることは?
目指すのは、良い素材だけを使い、「誠実」な酒を造ること。使うのは、良い「米」と「水」、「麹」だけ。酒造りもできる限り、昔ながらの手作業にこだわります。
理想とするのは、食中酒として楽しめる料理によりそう飽きのこない味わい。澄んだ清らかな後味こそ、「玉乃光」が守り続ける誠実さの証です。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
純米酒粕玉乃光(酒蔵直営のレストラン&ショップ)
昼は一献の甘酒からはじまる、ちょっと贅沢なランチ。夜は酒粕おでんと一品料理に、京都伏見・玉乃光酒造の純米吟醸酒を。
京都のまちの中心部、四条烏丸エリア。昭和初期まで家具屋街として栄えたこの地でかつて箪笥製造卸を営んだ、築百年の京町家をリノベーション。
ここから世界に酒粕を発信していきます。酒粕を通して、日本酒のおいしさ、風土に根づいた食文化を再発見していただけますように。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
⽟乃光には350年にわたり、いい酒を愚直に造りつづけてきたという⾃負があります。
かつて私たちが復活させた純⽶酒のように、ごまかしのない、純粋で美味しいお酒です。
その思いは、これからも決して変わることがありません。
今回ご紹介した酒蔵について
【京都府】
玉乃光酒造株式会社
京都市伏見区東堺町545-2
https://www.tamanohikari.co.jp/
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