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井戸から汲み上げた地下水で飲み飽きない酒造りがモットー【篠峯、櫛羅】千代酒造-奈良県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第49回目の当記事では、奈良県御所市(ならけんごせし)の千代酒造(ちよしゅぞう)株式会社を特集します。

自社の井戸で汲み上げた葛城山の地下水を仕込み水に使用した日本酒

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

「櫛羅(くじら)」の地で創り続ける日本酒は、葛城山(かつらぎさん)の恵みである地下水を自社の井戸で汲み上げ、仕込み水にしています。

この、当たり前が続けられていることに感謝しながら、この地での酒造りに取り組んでいます。

日本酒は原材料がお米ですので、当然お米のお酒です。しかしながら、そのお酒をさまざまな個性に分けていくベースは仕込み水ですので、日本酒は”米の酒”であると同時に”水の酒”であるともいえます。

各蔵のお水の性質によって、お酒もさまざまな個性に枝分かれしていきます。

自然豊かなこの「櫛羅」の地に酒蔵があること。その恩恵と共に酒蔵を引き継いだ蔵元として、この水を生かし、この土地の恵みを生かす酒造りを続けていきたいと願っています。

―代表銘柄は?

「篠峯(しのみね)」:奈良県内や他産地から購入したお米で醸造した、限定流通しているお酒で、近年、近鉄百貨店さんとオリジナルのお酒も企画しています。種類が豊富なのが特徴です。

「櫛羅(くじら)」:自作した山田錦だけを醸造した限定酒で、御所(ごせ)市櫛羅(くじら)にある田んぼのみで栽培したお米を使っており、櫛羅の山田錦のお酒として、1997年から発売しています。

こちらのブランドも少しずつ耕作面積が増え、お酒の製造量が増えてきましたが、現在は篠峯の20%程の生産量なので、今後こちらのブランドに注力していきます。

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

全て一押しですが、櫛羅産山田錦を50%精米で醸した「櫛羅純米吟醸中取り生酒」が一押しです。

私の酒造りのルーツであり、このお酒をベースに他のお酒も設計してきました。

葛城山麓で飼育している合鴨を使った、合鴨鍋との相性も良く、出汁の利いた料理と合わせて頂きたいお酒です。

―酒造りで心がけていることは?

美味しすぎない事、飲み疲れない事、飲み飽きない事、料理と共に飲んで美味しいお酒を!をモットーに、葛城山の伏流水である仕込み水の個性をフルに生かした酒造りを目指しています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

葛城山は、春には自生しているつつじ、秋にはススキに代表される観光名所で、登山客も多い場所です。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

農業と熟成というテーマを中心に据えて、今後も酒造りを行っていきます。

原料に対してもっとこだわりをもった栽培方法や原料管理、熟成すると、より深みを増していくような醸造方法の選択など、今後も進化していく千代酒造のお酒を宜しくお願い致します。

今回ご紹介した酒蔵について

【奈良県】
千代酒造株式会社
https://chiyoshuzo.co.jp/
奈良県御所市大字櫛羅621番地

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酒蔵プレス編集部

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