地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第100回目の当記事では、静岡県静岡市(しずおかけんしずおかし)の萩錦酒造(はぎにしきしゅぞう)株式会社を特集します。
地元の人に愛される丁寧に造られたお酒
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
1876年(明治9年)から日本酒を製造する造り酒屋で、静岡県静岡市の中心街から車で20分、海の近くに位置した家族3名で守る小さな酒蔵です。
初代 萩原新吉がこの土地の豊富な水に惚れ込み酒を造りはじめ、現在は5代目になります。
昔から愛される萩錦の味も守りながら、時代に合わせた食中酒を届けていけるよう新しいお酒の開発にも取り組んでおり、蔵元杜氏を中心に少量ながら丁寧に造られたお酒は地元の方を中心に飲んでいただいています。
―代表銘柄は?
- 萩錦
メインブランドの「萩錦」では本醸造から純米大吟醸まで造っています。どれも共通して静岡らしい穏やかな香りと食事に合わせやすい柔らかい口当たりが特徴です。仕込み水の良さが素直にお酒に表れるよう造っています。
- 駿河酔
静岡県産の酒米『誉富士』を使用し、静岡酵母と安倍川の伏流水で静岡の造り手により醸された生粋の静岡生まれの純米酒です。旨みと南国フルーツのような香りが特徴の食中酒、黒はんぺんのフライとの相性は抜群です。
ドライな印象のお酒と駿河湾で穫れた新鮮なお刺身の良い相性
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
萩錦 土地の詩は、5代目の造りに変わった年に初めて製造した新たなお酒です。
萩錦は酸が低く柔らかい味わいのお酒が多かったので、タイプが違う爽やかな酸とドライな印象のある味わいを目指しました。どんな人でも手にとってもらえるようにラベルも工夫してつくりました。日常の食事を少し豊かで楽しいものにできるお酒です。
しらすや駿河湾でとれた新鮮なお刺身などとの相性が良いです。
―酒造りで心がけていることは?
本醸造から純米大吟醸まで全ての製造を限定吸水でおこなっています。小タンクで使用してみたい酒米や酵母での仕込みなどにも挑戦し、萩錦が飲んでもらいたいお酒を日々追求しています。実践を通して酒造りから学び、飲み手と一緒に楽しめるお酒を造れたらと思っています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
蔵元がおすすめする酒蔵の近くの訪れたい場所
- 登呂遺跡がある登呂公園内の「静岡市立芹沢銈介美術館」がおすすめです。生活に寄り添った工芸品やデザインなどを見ることができます。
- 地下水脈があるこの地域で天然水の水風呂を味わえる「サウナしきじ」は県外からのお客様も多く楽しめる場所です。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
日本酒は飲んでみてから楽しみが広がります。造り手を知ったり、地域を感じたり、味わいの違い、温度帯の変化、ラベルの多様さ、歴史や文化。多くの側面があり、美味しいです。
出会いの中で好きなお酒も見つかります。何もとらわれずにぜひ一口飲んでみてください。
今回ご紹介した酒蔵について
【静岡県】
萩錦酒造株式会社
ホームページ:http://haginishiki.com/
Facebook :https://www.facebook.com/haginishikishuzo/
Instagram:https://www.instagram.com/haginishiki/
静岡県静岡市駿河区西脇381
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