地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第61回目の当記事では、秋田県大館市(あきたけんおおだてし)の株式会社北鹿(ほくしか)を特集します。
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
昭和19年に、政府の企業整備により北秋田郡と鹿角郡(かづのぐん)の21業者8工場が合同し業を起こし、その両郡の頭文字を合わせ「北鹿(ほくしか)」と命名されています。
秋田県北部に広がる穀倉地帯の中心大館市に位置します。北西部には世界遺産の白神山地が古くから変わらぬ姿を残し、東部には奥羽(おうう)山脈が連なり、十和田(とわだ)湖、八幡平(はちまんたい)の雄大な自然が四季折々に美しい表情を見せています。
豊かな味わいをもって食事の風味をも引き出す大吟醸北秋田
―代表銘柄は?
弊社の代表銘柄は「大吟醸 北秋田」で、現在1.8L、720ml、300mlを販売しております。
秋田に育まれる良質な水と酒米の王様山田錦や地元県産米を用いて丹精を込めて醸し出します。果実のような華やかな香りが食欲をかきたて、豊かな味わいをもって食事の風味も引き出すことで、いつもよりワンランク上の食卓や晩酌の場を提供いたします。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
「純米大吟醸 北秋田720ml」です。お米を45%まで削り、低温発酵で丹精を込めて醸しています。常温、あるいは少し冷やせば切れの良い味わいになります。お好みでどうぞお召し上がりください。
華やかで上品でふくよかなお酒に仕上がっていますので、濃厚な味わいの地元大館の比内地鶏や、きりたんぽ鍋にぴったりです。また秋田名物のハタハタ寿司、しょっつる鍋にもよく合います。
是非お取り寄せして一緒に食べてみてください。
酒蔵プレス唎酒師による「純米大吟醸 北秋田」テイスティングノート
●香り
綺麗な吟醸香。みずみずしい白リンゴのような香り。ほどよく鼻に入ってくるアルコール感。酒が「冷酒が美味いよ」と語りかけてきます。
●味わい
甘さとジューシーさを最初に感じ、舌に広がると少しピリッと刺激があります。喉越しにキレの良さを感じ、そのあとに広がる甘さに立体的で上品なふくらみがあり、とてもしっかりとした味わいです。
●ペアリング
マリネと合わせると、お酢やレモンの酸味とオリーブオイルのさわやかさにフルーティさがプラスされて調和のとれたマリアージュを生み出します。味がしっかりしているので、揚げ物に合わせても程よく脂を切ってくれます。
●総評
精米歩合45%で丁寧に造られていることがダイレクトに伝わる素晴らしい日本酒です。日本酒度は-3ですが、キレが良いので、甘ったるさやもったり感がなく、ジューシーさとみずみずしさが強く出ています。
蔵人に感謝しながら、同じ方向を向いて行なう酒造り
―酒造りで心がけていることは?
酒造りは酵母などの微生物が相手です。
社訓にある“和醸良酒”に表せるように、お酒の出来具合は携わる人間の輪とチームワークが大切です。技術的なこともありますが、皆が仲良く同じ方向を向いて自分の役割を果たせるようにまとめることに難しさがあります。
だからこそ、おいしいお酒が出来たときは蔵人に感謝します。これからもお客様に喜んでいただける酒を、蔵人たちとともに造っていきたいと思います。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
忠犬ハチ公発祥の地と言われる大館市は秋田犬が有名です。駅前には秋田犬の里があり、コロナ禍の前は触れ合うことも出来ました。
きりたんぽも有名で、秋田県の中でも特に県北で愛されています。
三大地鶏と称される比内地鶏の産地でもあります。また、タイムリーな話題として北鹿の名前のもとの鹿角市、北秋田市で縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されました。(令和3年7月)
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
弊社に興味を持っていただきありがとうございます。
これからも“品質第一”へのこだわりと、清酒の魅力を広げられるように、努力と一層の精進を重ね、お客様の期待にお応えしていく所存であります。
コロナ禍が落ち着いたら是非大館にお越しください。その際には地域に根差した北鹿のお酒を是非ご賞味ください。
今回ご紹介した酒蔵について
株式会社北鹿
https://www.hokushika.jp/
秋田県大館市有浦2丁目2番3号
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