地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第153回目の当記事では、宮城県大崎市の一ノ蔵(いちのくら)を特集します。
世界農業遺産に認定された自然と調和する蔵
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
昭和47年、宮城県内の歴史ある酒造家四社の若手経営者が“良酒づくり日本一”の蔵を志そうと合同し、『一ノ蔵』が誕生しました。
2017年に世界農業遺産に認定された大崎耕土の東、大崎市松山に蔵を構えております。森林丘陵と田園風景を持つこの町は、古くから農業と醸造の町として栄えてきました。
松山中心にある酒ミュージアム周辺の『醸華邑(じょうかむら)』では「醸造発酵」をテーマとしたまちづくりを行っています。
―代表銘柄は?
「一ノ蔵 特別純米酒辛口」
「一ノ蔵 特別純米酒辛口」は、蔵元が自信を持ってお届けする「一ノ蔵のスタンダード」です。毎日の晩酌酒として飲み飽きしない味は、冷酒から燗酒まで温度帯を選ばず、旬の食材をより引き立てます。
クリームを使ったお料理やヒラメ塩焼や海老天ぷらなど、特別純米酒辛口の深い旨味は合わせるお料理を選びません。
軽く冷やす(10℃~15℃)か、お燗して(30℃~40℃)お飲みになりますと、豊かな旨味が楽しめます。
―イチオシ商品はなんですか?
- 「一ノ蔵 ひめぜん」
爽やかな果実のような酸味とお米の旨味が凝縮された、飲みやすいアルコール8%の原酒です。
甘酸っぱさが持ち味ですので、冷やして飲むのはもちろん、ロック、ソーダ割り、熱燗など様々な飲み方でお楽しみいただけます。ロールケーキやチーズ、ナッツとの合わせがお勧めです。
手づくりにこだわる心のこもった酒造り
―酒造りで心がけていることは?
人間の五感を駆使した「手づくり」を貫き、心を込めた高品質の日本酒を製造し続ける一方で、低アルコール酒「ひめぜん」や発泡清酒「すず音」などの商品開発にも積極的に取り組み、日本酒の新たな市場を創造しています。
一ノ蔵の酒造りに使われる米は、約9割以上が宮城県産で、飯米として有名なササニシキを使った仕込みにも意欲的に挑戦しています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
蔵元がある大崎市には、雄大な自然、歴史、文化、温泉など見所が沢山ございます。
日本有数の温泉地「鳴子温泉郷」、春は約200万本の菜の花・夏は約42万本のひまわりが咲く三本木「ひまわりの丘」、秋から冬にかけて10万羽の渡り鳥が飛来する「蕪栗沼」、年2回開催される約150の露店が並ぶ東北最大級の「鹿島台互市」、蔵元がある松山には酒造りの歴史や工程を展示した「酒ミュージアム」がございます。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
一ノ蔵は昭和48年1月に創業し、今年で50周年の節目を迎えます。
宮城県沖地震や平成の米騒動、東日本大震災から現在のコロナ禍に至るまで、幾多の困難な時を乗り越えながら社業に専念して参りました。
これも偏にご愛顧いただいておりますお一人お一人のお客様、お取引先の皆様、地域の皆様のお陰であると、あらためて感謝申し上げます。
新たな半世紀へ向けこれまで以上に精進し、蔵人一同、技と品質を一層磨いて参ります。これからも末永いご愛顧の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
今回ご紹介した酒蔵について
【宮城県】
株式会社 一ノ蔵
宮城県大崎市松山千石字大欅14番地
https://ichinokura.co.jp/
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