地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第102回目の当記事では、神奈川県足柄上郡(かながわけんあしがらかみぐん)の石井醸造(いしいじょうぞう)株式会社を特集します。
気候温暖・風光明媚な地で行雲流水綿々と酒造り
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
「一輪の梅の香りや 酒の味」
私ども「曽我の誉」は神奈川・小田原名産である梅干の産地・曽我梅林にほど近く、気候温暖・風光明媚(ふうこうめいび)な地で行雲流水綿々と酒造りを行っております。
頭書の句は梅の花がほころびる二月も半ば過ぎた頃に、酒杯を傾けるのどかな風情を旅人がよんだものです。
梅の香りがただようこの時期に、新酒の出来上がりを迎え、「しぼりたて新酒」や「おり酒」を味わいながら、咲きほこった梅を観賞し一足早い春を堪能していただくことができるのです。
―代表銘柄は?
- 曽我の誉
- 箱根街道
- 曽我梅林の梅酒
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
私共の酒造りの特色は、もろみを通常の三回に分けて仕込む「三段仕込み」ではなく、四回に分ける「四段仕込み」にあります。
最後の四回目の仕込みを、通常の掛け米では用いない「もち米」を使うことにより、コクのある味がよく出るのです。
この「もち四段仕込み」により製造した「曽我の誉 本醸造酒」が小田原の特産品である「酒盗(しゅとう)」の原料として使用されており、お酒の肴として相性がバツグンです。
*「酒盗」魚の内臓を原料とする塩辛。
真心をこめて製品化する
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
これからも「真心をこめて製品化する」をモットーにして、次の世代につながる事業を行っていきたいです。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
平成28年11月、「大井町地酒で乾杯を推進する条例」という乾杯条例が神奈川県内で初めて施行され、同時に「大井町地酒で乾杯推進協議会」が立ち上がりました。
町内2社の酒蔵のほか、足柄上商工会、酒販店や飲食店、大井町地域振興課の方々がメンバーとなり、これまでさまざまなイベントを開催してきました。
今年度はコロナ禍で集客型のイベントが開催できない中、リモートによる酒蔵見学と上杉孝久先生を講師とするオンラインセミナーを開催しました。
これまでのイベントは地元の方々の参加が中心でしたが、東京・大阪・名古屋など遠方からの参加もあり、リモートならではの特色を生かすことができました。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
かながわ13蔵めぐりスタンプラリー(トヨタモビリティ神奈川協賛)絶賛開催中です。
今回ご紹介した酒蔵について
【神奈川県】
石井醸造株式会社
https://ishiijozo.com/
神奈川県足柄上郡大井町上大井954
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