地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第72回目の当記事では、広島県東広島市(ひろしまけんひがしひろしまし)の金光酒造(かねみつしゅぞう)合資会社を特集します。
酒どころ広島をけん引してきた醸造技術
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
蔵のある場所は県南にありながら標高170mあり、冬は寒冷な気候に恵まれた環境です。
また県内では酒造好適米である千本錦、山田錦、雄町、こいおまち、八反錦、八反35を栽培しており積極的に新品種の開発を行っています。
広島は吟醸酒発祥の地であり、軟水醸造法を開発し、その技術をもって広島杜氏が全国の蔵で酒造りを行ってきた経緯があり、酒どころ広島をけん引してきた醸造技術があります。
蔵敷地内に湧く中硬水を用い、麹に「赤磐産雄町」、酵母は「KA-1」(広島オリジナル)を中心に、一杯目からおいしく、「フレッシュでジューシー」なお酒を社員一丸となって造っています。
―代表銘柄は?
1880年の創業当時「賀茂の露」「鬼酔」などの銘柄を使用していましたが、上位酒のブランドであった「桜吹雪」をメインブランドとして売り出していました。
しかし1990年代、時代の流れにより、季節雇用という蔵人制度の維持が困難になり、蔵人を大幅に減らしながらも、酒造を維持できる自動プラントの導入に踏み切りました。
2003年、そのプラントでは、均一な酒質はできても「個性」あるものは出来ず、基本に立ち返り、新ブランド「賀茂金秀」を立ち上げて、私達の考えや酒質を理解していただける酒販店様との直取引を行って全国へ販路を広めました。
「賀茂」は土地の名前、「金秀」は5代目蔵元の金光秀起の姓と名から一文字ずつ取り、命名されました。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 賀茂金秀 特別純米13
原酒でありながらアルコール分13度という濃度に抑え、発酵時の炭酸ガスが残存しておりフレッシュさと飲みやすさが支持を得ています。
合わせる料理はカプレーゼや前菜、広島食材なら小いわしなどです。
データと職人としての技を融合
―酒造りで心がけていることは?
一つ一つの作業を基本に忠実に作業を行っており、奇をてらったことはしていません。データと職人としての技を融合させ、毎年違うお米の状態を確認しながら酒造りを行っています。
また、鮮度の高いお酒をお届けするため、積極的に設備投資を行い、低温管理を徹底しています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
日本の三大銘醸地 西条は、東西に延びた酒蔵通りに7つの蔵があり、それが一大観光地となっています。道路も整備されお酒好きにはたまらない観光地です。
また、海岸沿いには醸造所(ワインなど)や、瀬戸内の江田島には高級リゾートを思わせるホテルも新たにでき、瀬戸内海を料理と共に満喫できるスポットが増えています。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
お酒に決まった飲み方はありません。
お客様のお好きなお酒をお好きな飲み方で、日本酒をお楽しみいただければと思います。
今回ご紹介した酒蔵について
【広島県】
金光酒造合資会社
https://www.kamokin.com/
広島県東広島市黒瀬町乃美尾1364-2
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