地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第227回目の当記事では、兵庫県丹波篠山市(たんばささやまし)の狩場一酒造(かりばいちしゅぞう)を特集します。
地元からの愛飲、大正から続く酒蔵
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
弊社は、大正5年(1916年)に丹波杜氏の狩場藤蔵(とうぞう)が創業した酒蔵になります。初代社長にあたる狩場藤蔵は、灘のみならず九州でも酒造りの指導を行うなど、腕の立つ杜氏であったと聞いております。
杜氏が建てた蔵という事もあり、今でも造りを最優先に手間を惜しまず、基本に忠実な酒造りを心掛けております。60年程前に現在の銘柄である「秀月」に改名し、今日まで地元の方を中心に飲み継がれてきております。
―代表銘柄は?
「秀月 特別本醸造」
普段の生活に寄り添った本醸造は、やや辛口でコクのある味わいになります。
お薦めの飲み方:熱燗でしみじみ飲んで頂きたいです。
―イチオシ商品はなんですか?
「秀月 しぼりたて 純米生」
この時期は「しぼりたて 純米生」がおススメです。代表銘柄の「秀月 純米生」の12月~4月までの期間のお酒になります。
お薦めの飲み方:ひやもおすすめですが、ぬる燗で飲むとコクが加わりお酒の持っている味わいがさらに広がります。
お薦めの地元料理:丹波篠山の冬は、猪肉を味噌ベースの出汁で煮る「ぼたん鍋」が有名です。味の濃い料理にも負けない純米酒の生酒で食材とお酒の相乗効果を楽しんで頂きたいです。
丹波杜氏が100年守り続けた味、麹造りに心血注ぐ酒造り
―酒造りで心がけていることは?
「一麹、二酛、三仕込み」の中でも、麹はお酒の風味を左右する最も大切な工程と考え特に力を注いでいます。麹造りの作業中は、温度管理のため、夜でも2時間おきに確認を行っています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
丹波篠山は京阪神からのアクセスが良く、日帰りの小旅行にピッタリの場所です。城下町には歴史のある建物が残り非日常を感じることが出来ます。
※城跡は、映画「レジェンド&バタフライ」のロケ地になっています。
また、秋には黒大豆の枝豆が市内の至る所で、収穫・販売されます。この枝豆は誰が食べても、あっと驚くおいしさで地域の自慢です。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
酒販店への卸をほとんど行っておらず、直売所での販売がメインの地域密着の造り酒屋になります。
ぜひ近くにお越しの際は、丹波篠山のおいしいものを食べて頂き、丹波杜氏が100年守り続けた味を楽しんで頂ければと思います。
今回ご紹介した酒蔵について
【兵庫県】
狩場一酒造株式会社
兵庫県丹波篠山市波賀野500
https://syuugetu.jp/
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