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目指すのは“地元でできる最高の酒”【鳥海山】天寿酒造‐秋田県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第226回目の当記事では、秋田県由利本荘市(ゆりほんじょうし)の天寿酒造(てんじゅしゅぞう)を特集します。

百歳の幸福、長寿の願い:奥深い味わい

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

天寿酒造は文政13年(1830年)初代大井永吉が麗峰鳥海山の麓、由利本荘市矢島町に創業し190余年の歴史がある蔵です。当主は代々永吉を名乗り、現在は七代目が継いでおります。

主銘柄「天寿」は百歳までも幸せに生きる事の意味であり、ラベルの文字は2000年もの昔、中国山東省泰山の磨崖に刻まれた金剛経から写したものです。

歳月だけが刻む事の出来る風格を酒の味に生かし、また顧客への長寿の願いが込められています。

―代表銘柄は?

純米大吟醸 鳥海山

40年の歴史がある天寿酒米研究会が丹精込めて育て上げた酒造好適米を使用しています。杜氏と蔵人がその米との対話と伝統の技とで醸し上げた逸品。華やかな香りと、優しい口当たりの純米大吟醸です。

お薦めの飲み方:10℃〜15℃ぐらいに冷やしてお楽しみください。ワイングラスで飲むのもおすすめ!

―イチオシ商品はなんですか? 

「生酛仕込純米酒鳥海山」

平成25年から生酛造り復活に挑みました。フランスのコンテストKura Master2022 では生酛部門でTOPの審査員賞を、同年の全国燗酒コンテストでは金賞を受賞!熟成によるまろやかな旨味と、特徴ある酸がお料理の美味しさを引き立てます。

お薦めの地元料理:秋田の郷土料理であるきりたんぽ鍋やしょっつる鍋にもよく合います。またチーズとのマリアージュも抜群です。

伝統と革新、良い酒の誕生を追求する

―酒造りで心がけていることは?

「この地で出来る最高の酒を目指す」ことです。

伝統的な酒造りで良いとされた製法は、本当に良いのかを検証し、良ければ今の技術で更に徹底し、不要な事は廃止します。常に蔵人皆で確認し合い、最良の製造法とは何かということを意識しています。

全工程において、気が付いたことがあればその都度改善していくことが天寿七代目の酒造りの基本姿勢です。そのことに忠実に必要な時に必要な作業・行動をとることを心がけ、常に酒と向き合う姿勢を持ち続けることで良い酒は生まれると考えています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

秋田県と山形県にまたがる日本百名山「鳥海山」。矢島地域は秋田県側で最も古い歴史をもつ登山道であります。登山やサマースキー、山頂から滑り降りるバックカントリーを楽しめる他、高山植物の宝庫でもあるため多くの花々に出会うことができます。

また鳥海山麓にある鳥海高原花立牧場公園では、秀麗な鳥海山を間近に感じながら楽しめるキャンプ場や、ポニーランド・ゴーカート・ジャージー牛の搾乳やアイスクリーム作りを体験できる施設も備わっています。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

天寿が目指すのは「地元でできる最高の酒」。

六代目の「酒造りは米作りから」の教えのもと、昭和58年に全国に先駆けて蔵元自ら“天寿酒米研究会”を設立。蔵人を中心としたメンバーと地元の農家の協力で40年近い歴史を誇っています。

仕込水には鳥海山の万年雪が生み出す清らかな伏流水を使用。米・水・技にこだわり、これからも多くの人々から愛される「美酒天寿」を造り続けてまいります。

今回ご紹介した酒蔵について

【秋田県】
天寿酒造株式会社
秋田県由利本荘市矢島町城内字八森下117
https://tenju.co.jp/

 

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酒蔵プレス編集部

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