地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第148回目の当記事では、奈良県御所市(ごせし)の葛城酒造 (かつらぎ)を特集します。
奈良の伝統を受け継ぎ、手作業にこだわった『百樂門』
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
奈良県大宇陀町(現宇陀市)にある本家(現久保本家酒造・元禄年間創業)より明治20年に現在の奈良県御所市に分家、江戸時代の油屋に酒蔵を構えました。奈良盆地の西の金剛・葛城国定公園の麓に位置しています。
手作業にこだわった小仕込みを行っており、代表銘柄は『百樂門』。名前の由来は、「大いに楽しんで、愉快な酒宴の幕開けとなるおいしいお酒」という意味です。
従来の清酒の他に、清酒発祥の地である奈良の菩提山正暦寺で、当時の製法のよる酒母(酒の元になるもの)を造り、室町時代から続く「菩提酛製法」と同じ伝統的な仕込み方法で濁酒と清酒も造っています。
毎年正月には菩提酛研究会(弊社を含む酒蔵7蔵)が奈良県菩提山正暦寺(清酒発祥の地)において合同で仕込みを行っています。
―代表銘柄は?
代表銘柄は「百樂門 純米大吟醸」です。
備前雄町米と大自然の伏流水で醸した純米大吟醸。口に含むと爽やかでみずみずしい味わいが広がります。酸味と米由来の旨みのバランスが取れたエレガントなお酒です。
単品でも、また料理と合わせても楽しんで頂けます。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 「百樂門 裏冴 生酒」
等級の検査を受けていない雄町米をあえて使用し醸したのがこのお酒です。特定名称酒は名乗れませんが、岡山県産等外米・雄町100%、精米歩合60%、日本酒度+10〜+15のお酒です。
特定名称酒と区別するために、鏡文字にしてあります。通称「裏・百楽門」、「裏・冴(さえ)」と呼ばれています。日本酒度高めで醸していますが辛いだけではなく、酸味が味を引き締め旨みがのっています。
蔵のストーリーはこちら!
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【テイスティングnote】葛城酒造のこだわり和酒をご紹介!!
葛城酒造株式会社(所在地:奈良県御所市、代表者:谷口明美・久保伊作)のこだわりの詰まった日本酒をご紹介します。 蔵のストーリーはこちら! 裏・百樂門 冴 +15超辛口 備前雄町 生酒 商品情報◎容量: ...
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探求心、好奇心、遊び心を忘れず美味いと記憶に残る酒を醸す
―酒造りで心がけていることは?
酒造りで心がけていることは「美味いと記憶に残る酒を醸すこと」です。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
葛城酒造がある御所市は奈良県の大和平野の西南部に位置し、金剛山・葛城山が峰を連ねる山麓の東南部の丘陵地から平野の広がる緑豊かなところです。
5世紀の大和政権を大王家と両頭で担っていた古代豪族葛城氏の本拠地であり、金剛山・葛城山の麓の高台は、その当時から神々を祀る聖地であったと考えられます。
市内には1300基ともいわれるたくさんの古墳が残っています。また葛城酒造の前には葛城古道が通っており、現在も築100年以上の古民家がたくさん立ち並ぶ歴史的景観が残っています。
当社の100m以内には行列のできる豆腐屋さんや、明治時代の郵便局をリノベーションしたかわいいカフェ、木造古民家宿があります。山々は春はツツジ、秋は彼岸花で彩られ、観光客が訪れます。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
探求心、好奇心、遊び心を忘れず、日々酒造りに没頭しています。
『百樂門』シリーズには、”ふくよか”、”コク”、”ドライ”、”シャープ”などいろいろなバリエーションのお酒がございます。
清酒、菩提もと、どぶろく、古酒(15〜35年もの)などご用意していますので、是非ご賞味ください。
今回ご紹介した酒蔵について
【奈良県】
葛城酒造株式会社
http://www.hyakurakumon-sake.com/
奈良県御所市名柄347-2
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