地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第129回目の当記事では、熊本県阿蘇郡(あそぐん)の河津酒造(かわづ)を特集します。
手で作り上げる究極的に美しい日本酒を目指している蔵
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
河津酒造は、創業の昭和7年、熊本県の中でも新しい酒蔵です。
高度経済性成長からバブル期までのピーク時に2,000石程度の造りを行なっておりました。日本酒離れや他のアルコール類のブーム、人口減、味覚の変化と日本酒の技術のミスマッチングを原因に年々生産量が低下し、2010年には約200石ほどの生産量となりました。
酒蔵の歴史が細く消えようとした近年、流通の発展、高度情報化社会となり、手軽に距離のある他県のみならず国外のお酒も比較的簡単に手に入る社会環境となり、この多様化の社会を生き残るための日本酒造りとはなにかを見直す時期となりました。
トレンド、最新の技術・機材の情報などお酒の変革に必要な情報を入手することは容易となりましたが、それを使う人の経験とマインドは一朝一夕には獲得することができない価値のある”技術”であると考えます。
もちろんそれを簡略化する機材の導入や、感覚値を数値化することは酒の質の安定化、労働人口の減少を打破するためには非常に大切です。ただし、行き過ぎた効率化は非効率を産むことがあるため、これから百年後、2百年後、文化を継承する義務と責任のある企業として”効率を生む非効率の最大化”つまり、手で作り上げる究極的に美しい日本酒を目指していきたいと考えております。
―代表銘柄は?
代表銘柄は「七歩蛇・花雪・小国蔵一本〆」です。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 花雪 スパークリング
今のいちおしは、花雪のスパークリングです。程よく甘口で細かい泡が切れ良く開栓する時の音がとても心地よく食事を演出してくれます。
水にさらした玉ねぎと、甘口のタレ(+にんにく生姜)で召し上がる馬刺しとの相性は抜群です。
お客様に最高のお酒を提供するプライド
―酒造りで心がけていることは?
お酒を飲む瞬間は長い人生のほんのひとときです。その一瞬に弊社のお酒を選んでいただいたこを誇りに思うこと。その一瞬に最高のお酒を提供することにプライドを持つことをこころがけています。
一つの銘柄にこだわることはせず、一期一会のお客様が飲んでみたいと思えるような商品づくりをしています。
乾杯からデザートまでのフルコースが活きるように商品設計を行なっておりますので原料の磨きかた、辛口から甘口、酸度のコントロール、麹づくり、酵母を活かす酒造り、貯蔵技術を駆使した熟成、日本酒づくりはお客様から工程が見えにくい場面がたくさんあるが故に、見えないところに徹底的なプライド・こだわりを持って全てお客様の一瞬の嗜好のために常日頃より磨いております。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
鍋ヶ滝、杖立・黒川温泉、他の酒蔵様のお酒を試飲させて頂き大いに盛り上がります。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
人生の最後に乾杯する予定のお酒はどんなお酒ですか?
今回ご紹介した酒蔵について
【熊本県】
河津酒造株式会社
https://kawazu-syuzou.com/
熊本県阿蘇郡小国町宮原1734−2
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