地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第268回目の当記事では、福井県坂井市(さかいし)の久保田酒造(くぼたしゅぞう)を特集します。
福井県丸岡町で伝説の酒『越前豊原の酒』を紡ぐ270年
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
わたしたちは福井県の小さな町で270年余り酒造りに携わってきました。はじまりは宝暦3年。「失われた室町時代 伝説の酒『越前豊原の酒』をふたたび」。当時の越前丸岡藩主から久保田家に下された命でした。酒造りは、この地とともに喜び悲しんで成長してきた家業。
酒蔵がある丸岡町は小さいながらも人々が助け合う住みやすい町です。この場所の住みやすさを保ち続けるためにも、わたしたちは稲を植え、水を汲んで、日々この場所でしかできない日本酒をつくり続けています。
―代表銘柄は?
「純米生原酒 鬼作左袋吊り搾り」
圧力をかけずに袋から滴り落ちるしずくだけを採るやり方なので、醪(もろみ)中に溶け残った米粒に含まれる苦味や渋みなどの雑味が出ず、優しい口当たりのお酒に仕上がります。 蔵イチ押しの代表銘柄です。
また今では新酒ならではのフレッシュさが加わっているため、袋吊り搾りならではの優しい口当たりでスッキリとしたお酒に仕上がりました。
お薦めの飲み方:冷蔵庫で冷やしてストレート もしくはオンザロック
―イチオシ商品はなんですか?
「純米酒 鬼作左燗酒」
藪田で搾った「鬼作左」を加水して度数を落として2度火入れをしたお酒です。
お薦めの飲み方:冷やして飲んでも十分美味しいですが、今の時期ですとぬる燗にして飲まれることをおススメ致します。
お薦め地元料理:お肉料理や地元の食材ですとへしこなど味の濃い料理と合わせて飲むとより美味しく飲むことが出来ます。
地元産原料と環境に優しい酒造り
―酒造りで心がけていることは?
安心安全に飲んでいただくために蔵の中を清潔に保ち、従業員にもこまめな手洗い、清潔な服装での作業に取り組むよう指導しています。
また原材料も地元産にこだわっており、原料である酒米はアキアカネの生態系に影響のない農薬を使って自社栽培しています。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
福井県で小さな酒蔵を経営している久保田酒造と申します。
『うまくなければ酒じゃない』をコンセプトに食に合うスッキリとした日本酒造りをしています。
地元の原料にこだわり、自然に囲まれたこの土地でしか造りえないお酒を是非ご賞味くださいませ。よろしくお願い致します。
今回ご紹介した酒蔵について
【福井県】
久保田酒造合資会社
福井県坂井市丸岡町山久保27-45
https://www.fukukoma.co.jp/
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