1856年創業 最高の旨さを求め続ける 広島・呉の地酒【千福】三宅本店‐広島県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第185回目の当記事では、広島県呉市（くれし）の三宅本店（みやけほんてん）を特集します。

縁起を紡ぐ酒、最高の味わいを求め

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

千福の酒銘は、初代三宅清兵衛が母『フク』と妻『千登(チト)』の名から一文字ずつとり名付けられました。社業を支え、従業員を心底慈しんだ母や妻の功労に心から感謝の想いが込められています。

縁起の良い酒銘と確かな味わいで地元に根付き、1920年には海軍から「220日余りの航海中、何回かの赤道通過にも変質・変味がなかった」として高い評価を頂きました。

今も変わらぬ想いのもと日々研鑽を重ね、最高の味わいを追求しています。

―代表銘柄は？

「千福 純米大吟醸無濾過原酒」

新鮮なリンゴを想わせる華やかな香り、甘くふくよかな味わいと爽やかな後口に仕上げました。

お薦めの飲み方：冷酒

―イチオシ商品はなんですか？　

「千福 山田錦純米大吟醸35」

このお酒は、「今の時代にふさわしい最高の純米大吟醸を造りたい」という杜氏と蔵人たちの一途な想いから誕生した日本酒です。

広島県産の酒造好適米『山田錦』を精米歩合35％まで磨きあげ、麹造りには伝統の技法『蓋麹法』を採用し、低温発酵で時間をかけて丁寧に仕込んでいます。

果実を想わせる深い香りとやわらかな口当たり、上品な甘味とキレのよい後口を特長としており、素材を生かした料理（広島県産 牡蠣の昆布蒸し・生ハム等）によく合います。

大切な方へのお祝いや贈り物におすすめしたい弊社の自信作です。

お薦めの飲み方：冷酒

軟水で磨き上げる日本酒の至極の旨み

―酒造りで心がけていることは？

私たちは吟醸造り（軟水醸造法）を生み出した安芸津杜氏の流れを汲む酒造りを行っています。軟水で時間をかけて仕込むことで、濃醇で旨味に富んだふくよかな味わいに仕上がります。

近年では火入れ方法の変更を初めとした酒造りの見直し・改善により、さらなる酒質の向上を図りました。
この結果、2022年にはIWC2022のゴールドメダル受賞やKuraMasterプラチナ賞・金賞など、国内・国際コンテストで多数の賞を頂くことが出来ました。

また、私たちは日本酒の美味しさ・楽しさをより多くの方に知っていただきたいと考えています。

定番の日本酒はもちろん、こだわりの酒「神力」や初心者向けのスパークリング酒「シュワルン」、燗で最高に旨い酒「激熱」、様々な分野とのコラボ酒、広島レモンと純米酒を使ったリキュールなど日本酒の魅力を伝えるための幅広い商品作りに取り組んでいます。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

大和ミュージアム

昨年、兵庫県の企業にあった戦艦「大和」の主砲を削り出した大型旋盤が69年ぶりに呉へ戻ってきました。この旋盤は大型の工作機械の中で唯一現存している貴重な一基です。今年の3月より一般公開が始まり、呉市民やファンの間で話題になっています。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします！

広島県は昔から“酒どころ”として知られてきました。それはこの地が酒造りに必要な“よい水”“よい米”に恵まれていたからです。中国山脈の花崗岩（かこうがん）を割って湧き出る澄み切った伏流水。県北の雄大な自然の中で豊かに育った酒米。

こうした広島ならではの素材を元に蔵人たちが技を磨き、とろりとした濃醇な広島酒を醸し出してきました。

是非お好みの日本酒を見つけて、楽しんでいただければと思います。

今回ご紹介した酒蔵について

【広島県】
株式会社三宅本店
広島県呉市本通7-9-10
https://sempuku.co.jp/