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次代に輝く究極の日本酒へ、挑戦をつづける酒造り【金冠黒松、村重、eight knot】村重酒造-山口県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第62回目の当記事では、山口県岩国市(やまぐちけんいわくにし)の村重酒造(むらしげしゅぞう)株式会社を特集します。

硬水と軟水が使い分けられる酒造で、酒造りの幅が広がる

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

昭和26年に明治初期創業の名門・森乃井酒造株式会社を継承した当酒造は、日本三名橋のひとつ「錦帯橋」の上流約5kmにさかのぼった山あいの寒冷清涼な土地で、豊富な水を利用した酒造りを行なっております。

仕込み水には蔵の隣を流れる錦川の伏流水(超軟水)と、蔵近くの石灰岩の地層から湧き出る井戸水(硬水)を使用し、求める酒質に応じて使い分けます。

ひとつの酒蔵で硬水と軟水が使い分けられるため、酒造りの幅が広がり、お米の持ち味を最大限に活かした味わい深く、風味豊かな日本酒を造り続けています。

―代表銘柄は?

金冠黒松、村重、eight knotの3つです。

金冠黒松は、村重酒造の定番酒、金冠黒松シリーズ。

古来、黒松は式典や結婚式等のお祝い事には必ず飾られた喜びを象徴するものです。

初代蔵元が当社の酒を飲む事によって皆様により多く幸せがもたらされる様、金冠を上に載せ金冠黒松と名付けました。

しっかりと旨味を感じられる酒質で、味の濃い料理との相性が大変良く、オンザロックやJokerなど特徴的なお酒もごさいます。

村重は、村重酒造を象徴する日本酒でありたいとの思いを込めて命名いたしました。

末永く愛される王道の酒をモットーとし考え抜いた結果、最もシンプルにしてザ・辛口な酒質へと仕上げました。

料理に寄り添う食中酒としておすすめです。

eight knotは、きょうかい8号酵母を突き詰めるeight knotシリーズ。

銘柄の由来はきょうかい8号酵母で醸したお酒を通じて【造り手・売り手・飲み手】が解けることのない絆で結ばれていくことを願い【eight knot(8の字結び)】と命名いたしました。

8号酵母の特性を最大限に引き出せる醸造法とは何か。常に新しい酒質に挑戦しつづけ、毎年の進化を楽しんでいただける新時代のNew productです。

和食から洋食までそれぞれの料理に合うお酒の種類が豊富

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

村重は、クセがなく、すっきりとしたキレのある味わいが特徴です。王道の酒をモットーとし考え抜いた結果、最もシンプルにしてザ・辛口な酒質へと仕上げました。岩国寿司や寿司・刺身・お酢の物・天ぷらの塩などと相性が大変良いです。

eight knot白練は、昭和52年に頒布中止となった幻の酵母「きょうかい8号酵母」を使用しており、ほのかな洋梨系の香りと爽やかな酸味が特徴でスルスルと飲みやすい酒質です。おすすめの温度帯は10~15℃で、ワイングラスで香りを楽しんでいただくのもおすすめで、ウォッシュチーズ・白身魚のカルパッチョ・マリネ・白身魚のフライ・白身魚の刺身・お寿司などと相性が良いです。

eight knot藤黄は、昭和52年に頒布中止となった幻の酵母「きょうかい8号酵母」を使用しております。ほのかなストロベリー系・ショコラ系の香りと乳酸由来の酸味があり「白練」よりもややコクがあり甘味・酸味がやや高め。おすすめの温度帯は15~20℃、人肌燗~ぬる燗にしても良く、熟成コンテチーズ・熟成ゴーダチーズ・NYチーズケーキ・スペアリブ系の肉料理・チーズのみのピザなどと相性が良いです。

eight knotシリーズは、「8号酵母の特性を最大限に引き出せる醸造法とは何か」を考え、毎年新しい酒質に挑戦し進化を楽しんでいただけるシリーズとなっており、シリーズ初の醸造となるeight knot2020ではIWC2021「SAKE部門」純米酒の部にて白練がブロンズメダル、藤黄がシルバーメダルを受賞いたしました。

酒蔵プレス編集部

酒蔵プレス唎酒師による「eight knot エイトノット 藤黄 2020」テイスティングノート

●香り
アルコール感・ふくよかさ・吟醸香のそれぞれが落ち着きつつ、個性があるバランスの良い香りです。

●味わい
口当たりの瞬間が丸くなめらかで、優しい味わいです。角のない旨味、甘味、酸味が口の中を流れて口残りも非常にすっきりとします。

●ペアリング
優しい味わいのタラの寄せ鍋が特に合います。お鍋と一緒に、これからのシーズンは燗にして飲んでもいいですね。

●総評
全体的に角がなく、本当に飲みやすい日本酒です。とても珍しい8号酵母にこだわり造られています。温度や熟成で変化が出やすいので、環境を変えて様々な表情を楽しませてくれます。

―酒造りで心がけていることは?

「酒造りは環境づくりから」をモットーに掲げ、コンセプトに合わせた酒質設計で醸造管理、衛生管理を徹底しております。

また自由な発想で業界の常識にとらわれない酒造り、他社にはないオリジナルな日本酒造りを心がけております。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。 

日本三名橋のひとつ錦帯橋があり、遊覧船もあります。

登録有形文化財の國安家住宅内 岩国市観光交流所 本家 松がねもあります。

その他、白蛇の館、鵜飼の里も見どころです。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

2020年新しく誕生したシリーズでは初の醸造にも関わらずIWC2021にてメダルを受賞するなど注目を集める村重酒造の挑戦に、今後もご期待ください!

今回ご紹介した酒蔵について

【山口県】
村重酒造株式会社
http://www.kinkan-kuromatsu.jp/
山口県岩国市御庄5丁目101-1

 

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酒蔵プレス編集部

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