地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第20回目の当記事では、奈良県大和郡山市(ならけんやまとこおりやまし)の中谷酒造(なかたにしゅぞう)を特集します。
江戸時代に建てられた米蔵、酒蔵、大正の酒蔵、城館を囲んだ堀と石垣 。
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
嘉永六年(1853)に創業しました。所在する番条町は15世紀に清酒発祥の地・正暦寺の酒を積み出す為に興福寺により整備された河川港の環濠集落です。
中谷酒造は創業以来河川で交通を行い、その後は鉄道を利用して大阪に向け酒を出荷していました。戦後は鉄道を利用して東京市場を主力として、清酒需要の縮小と共に中高級酒を主体に造る小さな酒蔵です。
江戸時代に建てられた米蔵、酒蔵、大正の酒蔵、城館を囲んだ堀と石垣が残っています。
また、中国でも清酒製造拠点と酒問屋を運営しており、中国全土に独自の販売網を持っています。
―代表銘柄は?
地名の音を利用した「萬穣(ばんじょう)」(含「三日踊(みっかおどり)」シリーズ)。郡山城下町を築いた人物に因んだ「豊臣秀長(とよとみひでなが)」。米作りから一貫造りの「奈良吟(ならぎん)」。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 萬穣 三日踊純米吟醸 山乃かみ酵母
米は地元大和郡山産山田錦を使用。醸造工程における踊(おどり)は酵母の増殖のために醪を通常1、2日で寝かすところ、三日間寝かし、百合の花から分離した山乃かみ酵母を増殖させ、酵母性能を十分に発揮させている。
その結果、バナナ様の香り、リンゴ果汁を思わせるジューシー感があふれるキレの良い酒に仕上がりました。和食との相性が良いのみならず、ワイングラスで飲めば清酒であることを忘れるほどで、洋食との相性も良い。
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
再現性のある数値管理による精密な酒造り。これにより設計通りの酒質を実現しています。
醸造体験ができる清酒バー併設のマイクロブルワリーが2022年5月に開設!
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
2022年5月、郡山城下町の真ん中に醸造体験ができる清酒バー併設のマイクロブルワリーを開設予定です。
郡山城址は続日本百名城と日本桜名所百選に選ばれ、市では全国金魚すくい選手権大会も開催しています。新醸造場は城下町観光をより活性化していく、切り札として期待されています。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
清酒と和食で豊かな食生活をご享受ください。
今回ご紹介した酒蔵について
【奈良県】
中谷酒造株式会社
http://www.sake-asaka.co.jp/
奈良県大和郡山市番条町561番地
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