地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第38回目の当記事では、 佐賀県唐津市(さがけんからつし)の鳴滝酒造(なるたきしゅぞう)を特集します。
モットーは「一に米、二に水、そして技」
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
昭和49年創業。3酒造蔵の企業合同により設立されました。前身を溯れば300年を超える歴史を有します。
新たな蔵を設立する際、徹底的にこだわったのが「水」でした。かつて豊臣秀吉がその水を用いて千利休に茶を点てさせたと伝わる伝説の名水の地にて、日本酒・本格焼酎・梅酒を醸しています。
モットーは「一に米、二に水、そして技」です。極めて柔らかな仕込水の特性を活かし、口当たり柔らかくのど越しなめらかな、優しさの感じられる酒造りを理想としています。
―代表銘柄は?
日本酒は、地酒の伝統の味わいを大切に引き継いだ濃淳うま口タイプの「聚楽太閤(じゅらくたいこう)」と、切れの良い辛口が特徴の「瀧(たき)」が代表銘柄です。
そのほか本格焼酎では、製造蔵の極端な減少により今や幻とも呼ばれる正調粕取焼酎「ヤマフル」、梅酒では国内外の鑑評会で数々の栄誉に輝く、日本酒仕立乃梅酒「太閤梅(たいこうばい)」など、熱烈なファンを有する個性あふれる酒を生み出しています。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
難しいですが、あえて普通酒「聚楽太閤 上撰」を推します。
穏やかな香りと優しい味わいのバランスに優れた酒で、連綿*と続く郷土の地酒の伝統の味を現在に引き継ぎ、「唐津のソウルドリンク」とも称されます。
常温またはぬるめの燗で、有名な呼子のイカの活け造りや新鮮なアジの塩焼き、旨み豊かな佐賀牛のせいろ蒸しなど、幅広い料理との相性に優れています。
*「連綿」長く続いて絶えないさま。
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
「一に米、二に水、そして技」のモットーに従い、「地元の高品質の米を用いること」「仕込水の特性を活かした柔らかな酒質を実現すること」「受け継がれてきた伝統の技を大切にした丁寧な酒造りを行うこと」を心がけています。
郷土の伝統文化を継承する地酒蔵としての誇りを持ち、地元の郷土料理と合わせた時に一番に生きる味わいの実現に日々励んでいます。
地元の郷土料理と合わせた時に一番に生きる味わいの実現
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
太古よりの歴史、温暖な気候、美しい自然、滋味豊かな山海の幸に恵まれた唐津は、佐賀県を代表する観光都市で見所がいっぱいです。
なかでも秋に3日間開催される唐津神社秋季例大祭「唐津くんち」は必見です。150年から200年の歴史を重ねた14台の曳山が旧城下を練り歩く様は「絢爛豪華な歴史絵巻」とも称され、普段は静かな城下町・唐津が熱気で燃え上がります。
ぜひ一度、ご体感頂きたいと思います。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
佐賀県を代表する観光都市「唐津」には、美しい自然や美味しい食べものなど、たくさんの魅力が溢れています。加えて酒器や茶器として全国的な人気を誇る「唐津焼」の産地。唐津には、滋味豊かな食と美味しい酒、それらを彩る器が揃っています。
弊社は地酒蔵として、郷土料理と合わせた時に最も美味しいと感じて頂ける酒造りを常に目標としています。
ぜひ唐津に足をお運び頂き、美しい自然と城下町の落ち着いた雰囲気の中、連綿と続く文化を感じながら、地酒「太閤」と唐津の伝統料理の最高の相性をご体感頂きたいです。
今回ご紹介した酒造について
【佐賀県】
鳴滝酒造株式会社
https://narutaki.com/
佐賀県唐津市神田3272-1
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