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地元の酒米や酵母の特徴を活かした酒造り【半蔵】株式会社大田酒造-三重県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第15回目の当記事では、三重県伊賀市(みえけんいがし)の大田酒造(おおたしゅぞう)を特集します。


―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

明治25年創業。大田酒造は四方を山々に囲まれた伊賀盆地のほぼ中央に位置します。周囲は白鷺が飛び交う豊かな田圃に囲まれた地で、手作業にこだわった少量の造りを行っています。

また、伊賀は400万年前、古琵琶湖の底でした。その為、粘土質な土壌が上質なお米を育てる環境にあります。伊賀の山々によって澄み渡った伏流水や地元の良質な酒米を主に使用してお酒造りを行っております。

令和元年からは蔵元の三重県最年少杜氏 大田有輝を筆頭に、若手蔵人とともに妥協しない酒造りで日々酒質改善に努めています。

地元の水、地元の米を地元の技によって醸す「伊賀酒 半蔵」

―代表銘柄は?

「服部半蔵」ゆかりの地「伊賀上野」にて、その名を冠した「半蔵」を醸しています。

原料は三重県産の酒米「神の穂」、伊賀産の酒米「山田錦」や、地元契約栽培米「うこん錦」を主に使用し、三重酵母「MK-3」、「MK-1」、「MK-7」など三重酵母を中心とした様々な酵母を用いています。

地元の水、地元の米を地元の技によって醸すことで「伊賀酒 半蔵」が生まれます。まさに伊賀の気候風土が醸し出すお酒です。

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

オススメは「半蔵 純米大吟醸 赤ラベル」です。
このお酒は、地元の伊賀で育てられた山田錦を使用しています。

伊賀の水で育った山田錦を、伊賀の水で醸すことで、この地元の風土を感じていただけると思います。華やかな香りながらも、しっかりとお米のうま味も感じられるお酒です。

12℃前後冷やしてお楽しみください。ホタテソテー、白身魚のオイル蒸し、豆腐の中華煮込み等が合います。

酒蔵プレス編集部

酒蔵プレス唎酒師による「半蔵 純米大吟醸 赤ラベル」テイスティングノート

●香り
日本酒とは思えないほどの白桃のような香りが強く、うっすらと日本酒独特のアルコール感がある上品な香りです。飽きのこない香りが素晴らしい。

●味わい
酸がよく効いていて、旨味も強いです。燗をつけて味わうと酸味が控えめになり、最高の旨味酒になります。米の甘みが感じられて、純米酒らしい特性もあります。

●ペアリング
燗をつけるとフライドチキンとの相性は抜群です。しっかりとした味を日本酒の旨味が包み込みます。また、日本酒の魅力でもある油を流す効果も発揮され、味わいが広がります。

●総評
山田錦精米歩合50%で、非常に上品な香りとお米の旨みがしっかりと感じられる、華やかな日本酒です。冷の際には是非ワイングラスで味わっていただきたい日本酒です。


―酒造りではどんなことを心がけていますか?

酵母や酒米の特徴をしっかりと活かすことです。ただ、飲んでいただいた際に「美味しい」で終わるのではなく、「○○の酵母で醸した酒、○○の酒米で仕込んだ酒が美味しい、好みだ」まで伝わるような味わいを目指しています。

また、仕込み配合、種麹の種類、製麹方法、在室時間、仕込み配合、品温管理などを少しずつ変更し、いろいろなパターンを試しています。

常に現状に満足せず、日々改善を積み重ねて、もっといいやり方、造り方があるのではないかと模索しています。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

街中の至る所に忍者が隠れている上野市内の散策がおすすめです。地元の人々から愛される上野城や伊賀流忍者博物館も駅から歩ける距離にあり、博物館では忍者がからくり屋敷を案内してくれます。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

このコロナ化の厳しい情勢のなか、今年もお酒を仕込むことが出来ているのは、日本酒を楽しく笑顔で飲んでくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

今年は日本酒関係のイベントも行えなかったので、再び顔を合わせてお話しできる日を楽しみにしています。日本酒ファンの皆様の笑顔や、温かい言葉を肴にして来年も酒造りに励んでまいります。

今回ご紹介した酒蔵について

【三重県】
株式会社 大田酒造
https://www.hanzo-sake.com/
三重県伊賀市上之庄1365-1

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酒蔵プレス編集部

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