地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第173回目の当記事では、岩手県西磐井郡(にしいわいぐん)の両磐酒造(りょうばんしゅぞう)を特集します。
平泉の魂を宿す、奥深き味わいの酒
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
1944年、一関管内酒造業者が企業合同で発足。西磐井・東磐井の両方の磐の字をとり社名を両磐酒造株式会社としました。
両磐酒造を代表する「清酒 関山」の名は世界遺産の地、平泉に所縁があります。
およそ900年前の十二世紀、藤原初代秀衡公が京都よりみちのく平泉に仏教文化を移し、極楽浄土を表した中尊寺金色堂を建立、山号を関山と定めました。「清酒 関山」は関山中尊寺の山号からいただいた由緒の深い酒名です。
―代表銘柄は?
「関山 純米吟醸」
もろみを低温長期で発酵させ、優美な香りを引き出しました。口に入れた瞬間米の味がフワッと広がり、爽やかなのどごしで後味はスッキリしています。
お薦めの飲み方&料理:冷やして飲むのがおすすめです。
白身魚の刺身、天ぷら、豆腐などあっさりした味付けの料理に合います。
―イチオシ商品はなんですか?
「奥州のおっほー」
どぶろくは酒税法上、どぶろく特区以外では製造・販売できないため、昔はどぶろくの取り締まりに税務署のお役人や警察が来ると、住民は「おっほー」とふくろうの鳴き声を真似て知らせました。
その習わしに由来して「奥州のおっほー」と名付けました。
甘口で飲みやすく、後味スッキリな味わいをお愉しみください。
お薦めの飲み方:ストレートのほか、牛乳で割るのもおすすめです。
お薦めの地元料理:焼肉、焼き鳥、串カツ、餃子など濃い味付けの料理が合います。
醸し出す酒の粋、香り・味・コクの調和
―酒造りで心がけていることは?
香り・味・コクの濃さ、この三つの類なき調和が特長で、常に新鮮、飲むほどにさわやかな時代の嗜好にふさわしい粋な酒を追及しています。
さらに多様な食文化のお供としてお愉しみいただけるよう、「清酒 関山」のほか甘口の活性濁り酒「奥州のおっほー」、ワイン酵母で仕込んだ「KANZAN」、リキュール「平泉の梅酒」、 をラインアップに加え、新時代の酒を醸すべく努力してまいります。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
世界遺産、平泉には中尊寺、毛越寺など、平安時代に東北で栄華を誇った藤原氏にまつわる寺院があります。中でも中尊寺・金色堂は必見。
中尊寺では春と秋に開催される藤原まつり、お盆期間の薪能と大文字送り火など、イベントも盛んなので、季節を選んで訪れてみるのも良いのではないでしょうか。
また、平泉・一関は豊かな自然に恵まれています。猊鼻渓、厳美渓では、舟下りや空飛ぶ団子などの名物を楽しむことができます。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
平泉・一関には観光スポットが豊富にあり、また新幹線や東北自動車道によりアクセスも良いため2日~3日の旅行にぴったりです。
宿での晩酌にはぜひ両磐酒造・関山をどうぞ。
世界遺産・平泉に向かう際には道すがら国道4号線沿いの両磐酒造平泉工場にお立ち寄りいただけると嬉しいです!
今回ご紹介した酒蔵について
【岩手県】
両磐酒造株式会社
岩手県西磐井郡平泉町字高田前66番3
https://www.seisyu-kanzan.com/
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