地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第29回目の当記事では、福島県白河市(ふくしまけんしらかわし)の千駒酒造(せんこましゅぞう)を特集します。
伝統を守りながら新しい挑戦
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
千駒のある白河市は、福島県の南部に位置し、西に高くそびえる那須連峰を臨む自然豊かな城下町です。かつては各地から沢山の馬喰が集まり、威勢の良い掛け声とともに馬市が賑やかに開催されました。
『千駒』は、若駒の蹄の音とたくましい姿を醸造した酒に託し、人々の幸福を祈った酒として誕生したと言われています。今も白河の町並みには昔の名残を今に伝える建造物が点在しています。
私達の酒蔵も市の歴史的風致形成建造物に指定されており、建築物としては白河最大の醸造蔵として受け継がれ今日に至っています。現在では日本酒だけでなく、焼酎やリキュール等の製造も行っており、伝統を守りながら新しい挑戦を続けています。
―代表銘柄は?
蔵の代表銘柄は 千駒 純米大吟醸です。
東日本大震災時、危機的状況の際に助けていただいたご縁もあり、それ以来使い続けている北海道の酒米を、40%まで精米し醸造しています。試行錯誤して積み上げてきた経験とデータをもとに、ひたむきに、一心に、至高の味わいを求めて造る最高級酒です。
香高く味わい深い。繊細さと奥深さがしっとりと沁みる、そんな清酒を目指し造り上げています。ラベルは女流書家の金澤翔子さん揮毫の「千駒」の文字と「力強く羽ばたく」をイメージしたデザイン。
遮光の影響の少ない黒瓶を採用し、瓶火入れすることで豊かな風味を閉じ込めています。私たちの出来る最高品質をお客様へお届けしたいと思っています。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
軽快な飲み口の日本酒が多く感じられる昨今ですが、特別純米千駒 麹塵は、しっかりと力のある米の旨味が特徴の純米酒で、蔵の人気商品です。
特別純米は、味わい深く骨格のある清酒なので、味の濃い料理や、肉料理、中華との相性も抜群です。
白河のブランド豚である白河清流豚は、やわらかくヘルシーな肉質が特徴で、清流豚を使った白河焼売も地元を代表するグルメとして人気です。
白河はラーメンや蕎麦も有名で、数ある名店でも弊社製品をお取り扱いいただいております。お取り寄せできるグルメもありますので是非チェックしていただき、お酒と一緒に楽しんでいただきたいです。
自然の恵みに感謝し人の和を大切にする
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
酒造りは寒い冬の時期に、1年間で売り切れる分だけ造る、昔ながらの寒造りで行っております。
千駒の蔵内には井戸があり、昔から枯れる事がなく酒造りに適した豊富な水源が得られます。良い水、良い米で造ること。自然の恵みに感謝し人の和を大切にすること。それらがひとつになり良い酒が生まれると考えています。
そして、地域の色を感じるお酒、お客様の心に寄り添うお酒となるよう願って酒造りをしています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
白河周辺には、数々の温泉宿泊施設やゴルフ場、レジャー施設。また小峰城などの文化施設も充実しています。
特に、新一万円札で話題の渋沢栄一ゆかりの日本最古の公園、『南湖公園』は素晴らしい景観の中、茶室やカフェ、様々なグルメが楽しめたりと注目の観光スポットです。白河は首都圏からも、福島空港を利用した交通アクセスにも便利で、穴場的観光拠点かと思います。
豊かな自然の中、アクティブなレジャーを楽しんだり、その後はゆったりと温泉も良いですね! 歴史名所めぐりやお買い物。魅力いっぱいの白河周辺観光に是非おでかけください!
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
千駒酒造では酒蔵見学も行っており、少人数でもご案内させていただいております。
蔵内のショップでは、お酒の魅力を五感で感じていただきたいという思いから、常時、季節限定や高級酒までおすすめのお酒を無料で試飲していただいております。
見学は要予約ですが、試飲だけならご予約不要。現地女性スタッフが心を込めてご案内いたします。周辺観光のパンフレットや、スタッフ手作りの情報誌の配布など地域の情報を発信しています。観光やグルメを楽しみながら、お気軽に蔵にお寄りいただきたいです。
尚、SNSでも情報発信しておりますので是非フォローしていただき、どんなことでもお気軽にお声かけいただけたらうれしいです!
今回ご紹介した酒蔵について
【福島県】
千駒酒造株式会社
https://senkoma.com/
福島県白河市年貢町15-1
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