地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第28回目の当記事では、愛媛県西条市(えひめけんさいじょうし)の武田酒造(たけだしゅぞう)を特集します。
自然の酒蔵に変わると言われる地域。
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
四国は愛媛、愛媛県の東部にあります西条市に武田酒造株式会社がございます。眼下に瀬戸内海を臨み、背後には西日本最高峰の石鎚山、酒造りの季節になりますと山脈よりの冷たい風が吹きおろし平野全体が冷やされ、自然の酒蔵に変わると言われる地域です。
また、石鎚山系の伏流水(うちぬき)により豊富で良質な水のとれる地域となっております。創業は1904年、日露戦争時に国民を鼓舞するために使われていました言葉「大和魂」より「日本心(やまとごころ)」という銘柄が誕生致しました。
※うちぬきとは愛媛県西条市の旧西条市一帯に豊富に存在する地下水の自噴井です。名水百選にも選ばれています。
―代表銘柄は?
- 日本心
- 媛一会
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
- 媛一会 山廃仕込 純米吟醸 無濾過生原酒
当蔵の歴史ある製法「山廃仕込み」によるコクと酸とを調和させた、蔵の個性を表現したお酒。冷酒、常温、燗酒といったオールマイティの飲み方が出来ます。
料理との相性は基本チーズを使った料理に合います。「トマトもしくはアスパラガスとチーズとのホイル焼き」や「海鮮のイタリアンサラダ」など。
“一本筋の通った日本酒”
―酒造りではどんなことを心がけていますか?
現在は解散を致しましたが、愛媛県の杜氏集団「伊方杜氏」の製法により、自分の肌で感じるものが真実だと考え、手造りにこだわりながら酒造りに精進しております。
味や香りはもちろん、麹の見た目や感触、米が発酵するときに出る泡が弾ける音などを五感でフルに感じながら真実を見極め造っており、いつか自分にしか造れない“一本筋の通った日本酒”を造ることを目標とし酒造りと向き合っております。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
四国では「四国遍路世界遺産登録祈願プロジェクト」として、四国遍路と四国四県の銘酒を結び付けた世界遺産登録祈願のオリジナル日本酒を発売致しました。お酒は霊場の数に因み88本。
八十八か所の霊場や遍路道をイメージした特製ラベルデザインで四国四県の酒蔵の個性豊かな日本酒を8本セットにて11回にわたりご予約頂きましたお客様に定期的にお渡しする企画です。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
現在、愛媛県の酒蔵数は35蔵。四国内でも最多の酒蔵の数です。まさに「隠れた酒どころ」で御座います。
近年、若い造り手も増え、様々な情報を共有し、技術を磨き、酒質も格段に向上しております。ぜひ、当蔵のお酒もですが「えひめの酒」も宜しくお願い致します。
今回ご紹介した酒蔵について
【愛媛県】
武田酒造株式会社
https://www.yamatogokoro.co.jp/
愛媛県西条市三芳1507
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