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自然の恵みをそのままいただく酒造り【春乃峰】田中酒造株式会社-滋賀県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第9回目の当記事では、滋賀県甲賀市(しがけんこうかし)の田中酒造(たなかしゅぞう)を特集します。


甲賀地域は近江米の米どころであり、鈴鹿山系の豊富な伏流水が流れる

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

ここ甲賀地域は近江米の米どころ、鈴鹿山系の豊富な伏流水、また東海道の宿場町、街道沿いということもあり古くからたくさんの酒屋、酒蔵がありました。現在も滋賀県33蔵のうち11蔵が旧甲賀郡地域で営んでおります。

田中酒造は現存資料によるところ明治44年1911年に創業し現在5代目が家業を継いでおります。長い間、石川県能登杜氏の仕込むお酒を販売していましたが、23年前より現在の蔵元がオーナー杜氏として蔵を1人で仕切っています。

地元甲賀市甲賀町産の酒米と弱軟水の地下水で醸す

―代表銘柄は?

  • 春乃峰(はるのみね)
    春乃峰の由来は東に鈴鹿の山々を望む、その一峰にやわらかい春の様子がうかがえる頃、極寒に仕込まれた酒(新酒)が生まれることから名付けられました。すべて地元甲賀市甲賀町産の酒米、玉栄(たまさかえ)、山田錦と自社蔵から創業当時からこんこんと湧き出す。弱軟水の地下水で醸しています。昔ながらの手造りで少数精鋭で仕込んでおります。
酒蔵プレス編集部

酒蔵プレス唎酒師による「春乃峰 純米大吟醸酒生」テイスティングノート

●香り
アルコールのすっきりとした香りの中に、オレンジピールのような柑橘系のさわやかさと苦みを感じます。

●味わい
酸味により舌先を刺激し生酒の新鮮さを味わえます。飲み進めていくうちに甘みが強くなり、酸味とのバランスが更に良くなります。

●ペアリング
酸味の強いドレッシングのサラダと合わせることで酸味が同調し、柑橘系のさわやかな香りが際立ちマッチします。

●総評
飲み進めるうちに味の感じ方が変わる面白い日本酒です。様々な食材と合わせることで、違った味わいを楽しむことだができる銘酒でした。

3つのこだわりに和をもって取り組む

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

「一つでも多くのお客様に喜んでいただく商品、喜んでいただくサービスを提供する」を経営理念に商いをしています。お米と水、原料へのこだわり。昔ながらの手作業、家族で醸す、造りへのこだわり。お客様1人1人のニーズに応えられるよう、商売へのこだわり。3つのこだわりに和をもって取り組んでいます。特に造りにはその年に取れたお米の状態で、その年の気候や環境の自然の恵みをそのままいただくように心掛けています。

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

  • 特別純米無濾過生原酒「楓葉~かえで~」
    地元甲賀産、玉栄だけで仕込みました。純米しぼりたてを生のまま瓶貯蔵で一夏熟成させました。白ワインを思わせる独特の酸味と熟成による丸みのバランスをお楽しみ下さい。

    キリッと冷やしてお飲みください。また、生酒ですが上燗まで温めると一段と丸みを帯びて燗上がりします。一度ぜひお試しください。料理は和洋問わず楽しんでいただけます。

酒粕、麹を使った週末ランチや信楽散策、甲賀流忍者の町

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

甲賀流忍者の町として知られています。近所にも忍術村、忍者屋敷などがあり、休日になると他府県からたくさんのお客様が来町されます。

また、信楽焼で有名な信楽町も近くにあり、信楽散策の帰りにお酒を買いに立ち寄られるお客さんいらっしゃいます。当蔵では地酒の販売はもちろんのこと、酒粕で出来たお菓子や土日祝に試飲スペースを活用して、酒粕、麹を使った週末ランチと銘打ったお料理を提供しています。お客様からもご好評をいただいております。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

滋賀県でも1、2を争う石数の少ない蔵元です。蔵元自ら1人で酒造りしております。
知名度も人手もない小さな蔵ですが、ひとつひとつ丁寧にお客様のニーズに添える酒造りを心掛けています。生酒などをフレッシュで希少性の高いお酒を中心に品揃えしております。是非一度手にとって口にしてみてください!

今回ご紹介した酒蔵について

【滋賀県】
田中酒造株式会社
https://harunomine.shop-pro.jp/
滋賀県甲賀市甲賀町大原市場 474番地

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  • この記事を書いた人

酒蔵プレス編集部

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