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【速報】こうじ菌を使った日本の『伝統的酒造り』が「登録無形文化財」へ認定!!

10月15日(金)に開催された文化審議会において、日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造りが、『伝統的酒造り』として登録無形文化財に登録することが認定されました。

登録無形文化財とは、文化庁により登録されるものであり、無形文化財の指定制度に加えて、より幅広く保存・活用を図るため、指定制度を補完するものとして創設された登録制度です。無形文化財の指定は、歌舞伎などの芸能や備前焼などの工芸技術の体得者が人間国宝として認知されておりますが、茶道、華道、書道や食文化の生活文化に関する文化財についても、少子化による担い手の減少や新型コロナウイルスの影響で、継承が十分に行われないことによる技術保護の必要性が指摘されており、本年度新たに施行された制度です。
将来的に、ユネスコの無形文化遺産への提案も視野に入れています。

酒は古くから日本に根差してきた食文化の一つで、『伝統的酒造り』は、近代科学が成立・普及する前から造り手の経験の蓄積によって築き上げられてきた手作業の技を指します。

明治以降、文明の進化によって酒の生産は機械化及び大規模化が進行してきたものの、伝統的に培われてきた手作業による生産は、今日まで受け継がれており、日本酒、本格焼酎・泡盛及び本みりんなどの酒造りに活かされてきています。

酒造りの歴史

酒の歴史をさかのぼると、奈良時代の『播磨国風土期(はりまのくにふどき)』において、大神に捧げた供御(くご)(=おそらく今でいう蒸米)から生じた米こうじ(=カビ)によって酒造りが行われたことが最初の記録とされています。
室町時代には、日本特有のバラこうじ(=バラバラの粒状をした麹)を用いた製法が確立し、焼酎や泡盛などの蒸留酒も登場しました。江戸時代には冬季生産に特化した「寒造り」が定着するなど製法の洗練が進み、昭和中期には精米歩合の向上に対応した水分調整の技が加わることで、酒造りの更なる発展が遂げられました。
この技術の中心は「並行複発酵」です。「並行複発酵」は、こうじの酵素で原料のデンプンを糖化しつつ、酵母によるアルコール発酵を並行して行う発酵様式のことです。この発酵法の調整のために原料の前処理、麹造り、もろみ管理が酒造りの主要な内容となりました。酒造りの担い手は、歴史的に培われてきたこの巧緻な技を用い、味や香りなどに関する多様な表現を行っています。


近年、和食と共に日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんといったこうじ菌を使う酒及びその酒造りが世界から注目を集めています。このたび世代を超え継承されてきた伝統の酒造り技術の登録無形文化財への登録が認定されました。

日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりん、日本の國酒とされるこれらのお酒に伝統の技が使われていることを感じていただき、今後の世界への躍進にもご期待ください。

「無形文化遺産」登録の要件

一 原料を酒造りに適した状態に前処理すること
 1 こうじにする原料の状態を見極め、手作業により水分調整すること
 2 蒸きょう(=原料を蒸すこと)を行うこと

二 酒造りに適したバラこうじをつくること
 1 こうじにする原料は、米又は麦とすること
 2 こうじ菌は伝統的なアスペルギルス属の菌(=日本で一般的に使われる黄こうじ、黒こうじ、白こうじのこと)を用いること
 3 木蓋、木箱又はこれに準じた機能を有する器具を用いること
 4 こうじ菌の生育状態を見極め、手作業により製麹(=こうじを造ること)管理すること

三 もろみを発酵させ、目的の酒質にすること
 1 発酵はこうじを用いた並行複発酵によること
 2 水以外の物品を添加しないこと
 3 もろみの状態を見極め、手作業により発酵管理すること

【登録保持団体】
日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会
本団体は、酒造りの技の保存、伝承及び向上などを図ることを目的に、令和3年に設立されました。日本酒杜氏組合連合会が認定する杜氏や技術者など、酒造りを十分に体得し、かつ相当な期間行使することによって精通し、後継者の育成に努めている者を主たる構成員とし、事務局は日本酒造組合中央会内にあります。
https://note.com/koji_sakezukuri/

酒蔵プレス編集部
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