地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第74回目の当記事では、愛知県西尾市 (あいちけんにしおし)の山﨑(やまざき)合資会社を特集します。
愛知県ならではの特徴が出せる酒造り

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
創業は明治36年。愛知県西尾市に所在し、愛知県西三河地区はみそ、しょうゆ、みりん等醸造文化が盛んな地域です。
この地域ではみそカツやどて煮など味付けがしっかりした料理が特徴で、弊社ではこの地域の食べ物の味付けに負けないような原酒でしっかりとした味わいのお酒が多いことが特徴です。
また、テロワールを大切にしており地元愛知県産米での酒造りにこだわりを持ち愛知県ならではの特徴が出せる酒造りを目指しています。
*「テロワール」生育地の地理や、地勢、気候などによる特徴を指す言葉。
―代表銘柄は?

- 奥
華やかな香りがあり、しかも出来るだけ濃いお酒を造りたい。この両立は極めて難しく夢のような話です。その夢が、長年の研究の末やっとかないました。
奥三河で契約栽培した高品質の酒米「夢山水(ゆめさんすい)」を100%使用し、人の手による麹造りと蔵独自のきめ細かなもろみ管理を行う事でこのお酒が誕生しました。
アルコール度数18度以上という今までに体験したことの無い”とろみ”のある香りの良いお酒です。
―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?
いちおし商品は「夢山水十割 奥 純米吟醸原酒」です。
華やかな香りがありコクのある味わい深いお酒です。少し冷やすとおいしくお飲みいただけます。
地元愛知県西尾市一色町は全国的にも有名なうなぎの産地です。西三河地区で醸造されたしょうゆやみりんを材料に作られたうなぎの蒲焼は香ばしく深い旨味のある味わいで、少し冷やした「奥」との相性は抜群です。
非妥協の職人魂

―酒造りではどんなことを心がけていますか?
いかにすぐれたお米と水があってもそれを加工する人間の丹精がなければ真においしいお酒をつくり出すことはできないと考えています。
弊社の酒造りは“非妥協の職人魂”。玄米を見極めてから自社で丁寧に精米しています。
最もデリケートな麹造りはすべて丁寧に手作業で行っています。仕込みから貯蔵まで全商品を対象に適切な温度管理を行っています。
米の選定からお酒の貯蔵まで手を抜くことなく工程ごとに丹念に品質管理をしながら本物のうまさをとことん追求しています。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
弊社が所在する愛知県西尾市幡豆地区は三河湾に面しており新鮮な魚介類が豊富に獲れ、西尾市一色町はうなぎの産地として全国的にも有名です。
西尾市は抹茶の生産量が日本一を誇るなど美味しい食べ物がたくさんある地域です。
三河湾に浮かぶ佐久島はアートの島として若者にも人気があり観光スポットとなっています。
是非一度西尾市に遊びに来てください。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
愛知県というとあまり日本酒のイメージがないかもしれませんが、酒蔵は40蔵程あり生産量も全国7位と実は酒どころなのです。
また酒質もバラエティに富み個性ある美味しいお酒がたくさんあります。名古屋めしを代表するように醸造文化が盛んな愛知県には独特の食文化もあります。
是非愛知の食とお酒をご堪能いただけたらと思います。
今回ご紹介した酒蔵について
【愛知県】
山﨑合資会社
https://www.sonnoh.co.jp/
愛知県西尾市西幡豆町柿田57
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