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日本酒の未来をつくる20代女性杜氏が、水・米・人すべてを地元のもので醸す郷酒、吉田酒造【白龍】

日本酒の造り手、杜氏と言うと60代以上のベテランを想像する方も多いかも知れません。最近、20代や30代の杜氏が多く輩出されています。しかも男性だけでなく、女性杜氏も活躍しています。現在発売中の『Discover Japan』2019年1月号では、「日本酒の未来をつくる20代杜氏」の記事が掲載されて、「最年少女性杜氏」(※)として、福井県吉田酒造の吉田真子さんが取り上げられています。

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『Discover Japan』2019年1月号 (エイ出版社/刊)

吉田真子さんは福井県生まれ、吉田酒造の二女として生まれます。 大学卒業後、同蔵に入社。2017年より同蔵の杜氏に就任し、最年少女性杜氏となりました。
実は関西の大学に在学中、蔵へ戻って酒造りをするつもりはありませんでした。ところが、6代目の蔵元である父・吉田智彦さんが体調を崩したことで、母・由香里さんから蔵へ戻ってきてほしいという要望があったため、2015年春に大学を卒業した後、そのまま同蔵に入社しました。
全く経験の無い酒造りを手伝い始めますが、その年の12月に智彦さんは54歳の若さで逝去してしまいました。さらに翌年の酒造りで、雇った杜氏が腰を痛め、シーズン途中でいなくなってしまいました。そこから約2か月半、真子さんが代理を務め、何とか乗り切ることができました。

新酒と杜氏

最年少女性杜氏 吉田真子(25)


今後の方針を家族で話し合い、母・由香里さんは「蔵の方針をよく理解している真子に、杜氏をやってほしい」と、真子さんに声をかけました。
覚悟を決めた真子さんは酒造りを学ぶため、2016年5月から広島県にある酒類総合研究所、2017年5月から北海道上川郡上川町の新設蔵「上川大雪酒造」の試験醸造を手伝うことになり、経験豊富な名杜氏・川端慎治氏の教えを受けました。

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試験醸造の研修が終わり自信をつけて、その年に杜氏に就任しました。
川端杜氏からの「酒造りのやり方はひとつじゃない。自分のやり方を見つけなさい」というアドバイスを胸に、酒造りを行っています。

真子さんが杜氏としての酒造りは今年で2年目、全量純米酒の蔵となった吉田酒造。約14ヘクタール(2018年現在)の自社田では、父・智彦さんが早くからチャレンジしてきた有機栽培の山田錦、そして五百万石を育てています。

九頭竜川がもたらす肥沃な大地で作る自社と契約農家が栽培する米と、清冽な軟水である白山連峰の雪どけ水。それを醸す蔵人は永平寺町在住。水・米・人すべてを地元のもので醸すお酒「郷酒(さとざけ)」を「永平寺テロワール」として、売り出しています。これは、父・智彦さんの夢であり、吉田酒造が抱いてきた長年の理想でもありました。

7代目蔵元の母、営業担当の姉、製品責任者の義兄とともに醸す、目が届く・手が届く・心が届く「白龍」には家族の物語が宿されている。「父の遺志を受け継ぎ、上品な香りで雑味なく、米の旨みをしっかり感じる郷酒を醸したいです」と語ります。
吉田酒造のまだ始まったばかりの新しいステージのお酒を飲んでみてはいかがでしょうか。

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■吉田酒造有限会社
福井県吉田郡永平寺町にある小さな日本酒蔵。文化3年(1806年)上志比の庄で創業。
風土から来るおいしさを極めるために、手造りによる丁寧な酒造りを行っています。
麹は全量手造り、米洗いも限定吸水、仕込みごとの個性を大切に、米と水の力を最大限にいかす郷酒は、「明日への力水」で「濃醇できれいなお酒」を目指しています。
杜氏は、蔵元の次女、吉田真子。7代目蔵元の母、営業担当の姉、製品責任者の義兄とともに醸します。そして、蔵人は永平寺町在住で、春から秋には、一緒に米作り、冬には酒造りを行っています。

■「白龍」厳選郷酒 飲み比べセット[720ml×3本]

「気軽に酒米最高峰の山田錦をお食事と一緒に味わっていただきたい」との想いから誕生した白龍の原点・特別純米、品のある吟醸香が薫る純米吟醸、エレガントな膨らみで余韻まで美味しい純米大吟醸をセットにしました。味わいの違いの分かる3本を飲み比べてお楽しみください。

酒蔵から直送「郷酒オンラインストア」からご購入できます!
https://shopping.geocities.jp/satozake/contents_hakuryu201812.html

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※ 最年少女性杜氏の表記について:2018年1月時点

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酒蔵プレス編集部

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