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【コラム】灘の酒蔵、変化の予感! ~灘(なだ)ってどこ? どんな酒? 飲んだことは?~

酒米(酒造好適米)の王様「山田錦」
現在の山田錦生産量の約63%を兵庫県が占める。地形、土壌、気候…あらゆる条件が山田錦づくりに適している。日本各地で“県の米”で日本酒をつくる試みがなされているが、灘の酒蔵にとっては、山田錦こそが地元の米。灘の酒蔵に卸すために開発された山田錦。多くの酒蔵で山田錦を活かした酒が造られている。
その年の酒の出来栄えを競う「全国新酒鑑評会」では、「YK35」の酒が金賞をとりやすいと言われている。Yは山田錦、Kは熊本酵母(協会9号酵母)、35は精米歩合35%のことだ。山田錦は、粒が大きいうえ、芯がしっかりとしているため、35%まで(あるいはそれ以上)削っても高品質の酒を仕込めるだけの形が残る。山田錦が“酒米の王様”といわれる理由のひとつだ。

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灘の蔵の杜氏は、丹波杜氏と但馬杜氏
かつては、兵庫県の丹波地域と但馬地域から、杜氏や蔵人が来ていたそうだ。多くは酒を造る時期だけの季節労働者だったが、春から夏の季節は、米作りを含めた農業を営み、秋から冬は酒造りで働く…と、一年中酒造りに関わっていた人もいたそうだ。最近では社員杜氏も増えてきている。

灘の酒は、どんな味?
一般的には、すっきりと飲み飽きしない「辛口の酒」として知られている。近年では、旨口の酒、酸と甘みのバランスのとれた綺麗な酒、キレのある酒など様々な香味の酒がある。
灘の酒は、一般生活者の手に届くように、そして毎晩の食卓で料理と一緒に楽しんでもらえるようにと、コストパフォーマンスの高い酒が多いように感じる。兵庫県内のスーパーや酒屋に行けば、至る所で灘の酒が販売されている。

灘の酒は、何種類飲んだことがありますか?
筆者は、灘の酒を5種類ほど飲んだことがある。灘の全銘柄酒のうちの3%程度だろうか。首都圏のスーパーや酒屋でお酒コーナーをのぞいてみたら、灘の酒を見つけることができた。お気に入りの酒が見つからなければ、ネットで検索してみても良い。

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先日、灘の酒蔵見学をしてきた。直営売店で利き酒をして、様々な話を聞いて、灘の酒について少しずつ分かってきた。大手酒蔵から小さな酒蔵まであり、多種多様で個性のある酒がそろっていたのだ。酒蔵の直営店では、淡麗辛口の酒だけでなく、旨口の酒、酸と甘みのバランスの良い酒、生原酒、古酒、蔵限定酒、スパークリング日本酒、梅酒、にごり酒、甘酒など、たくさんの種類が並んでいた。搾りたての生酒や原酒を飲めることが多く、普段店頭では見かけない蔵限定・地域限定酒も数多く販売されている。紀州の高級梅で知られる南高梅を使った梅酒、古酒梅酒も人気とのことだ。
筆者は、酒蔵見学・訪問の証にその蔵の伝統的な酒、自分の味覚に合った酒を一本以上購入している。今回も筆者の知らない“灘の酒”がたくさんあった。美味しい酒に出会う、発見するためには、一度、酒蔵に訪問してみることを是非おすすめしたい。


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