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【続報】日本酒にも含まれるアミノ酸(5-ALA)とコロナの関係!!

新型コロナウィルスの増殖を100%阻害すると言われる5-ALAが日本酒や納豆などの発酵食品に多く含まれるというニュース(下記参照)は、コロナ禍で大きな影響を受けている飲食店や日本酒業界へ明るい話題として取り沙汰されました。
5-ALAとはヒトや動物、植物など、生命体の細胞の中で作り出される天然のアミノ酸です。日本酒や納豆などの発酵食品に多く含まれており、「生命の根源物質」とも呼ばれております。

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【寄稿】日本酒にも含まれるアミノ酸(5-ALA)がコロナを100%阻害!?

長崎大学は2月8日夜、国際誌に掲載された論文でサプリメントとしても市販されている「5-アミノレブリン酸」が、新型コロナウイルスの増殖を100%阻害するとの研究結果を発表しました。タイトルは「5-アミノ ...

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※以下の内容は長崎大学の北潔教授の講演内容をもとに掲載しております。

日本酒の5-ALAの含有量について

※食品名とALA量(μg/100g)の表は、
第2回ALAサイエンスフォーラム活動レポートを参照しています。

日本酒は上記の表の通り、食品の中でも多くの5-ALAを含んでおります。
しかし、通常の食品(日本酒、赤ワイン、納豆など)からコロナを阻害するような5-ALA量の摂取を試みる場合、大量に摂取する必要があるため現実的ではございません。
実際に販売されている5-ALAのサプリメント(10~20mg)の場合、日本酒からサプリメントの5-ALA量を接種しようとすると5,000ml~6,000mlにあたります。

新型コロナウイルスの予防や治療に必要な5-ALA量を、日本酒から接種するのは現状、難しいと言えます。

日本酒が作り出す5-ALAについて

食品の中で日本酒の5-ALA量が多い理由について、研究が進んでいないため、明らかにはなってはおりません。
しかし、日本酒の独自の製造方法により、5-ALA量が多いという仮説を立てることができます。

Q.日本酒の5-ALA量は「70μg~353μg/100g」となぜ幅があるんですか?

A.実際には検証してみなければ分かりませんが、米の種類や磨き、酵母の種類、仕込み水、火入れの回数など、原料や製造方法がそれぞれ違い、味わいもそれぞれ大きく違うので、特定の量を示すことができないと考えられます。

Q.食品の中でも日本酒の5-ALA量が際立って多いのはなぜですか?

A.実際には検証してみなければ分かりませんが、日本酒の原料「仕込み水」や発酵方法「並行複発酵」に答えがあるかもしれません。

まず日本酒の製造工程において、品質劣化へとつながる鉄分が少ないことで5-ALA量が多いということが考えられます。
日本酒に使われる「仕込み水」は、鉄の許容量を0.02ppm以下に抑える必要があり、用水中の鉄含量が高い場合は、鉄を除去させるために矯正を行っております。

人間の体内では5-ALAが鉄分と結びつくことにより血液中のヘモグロビンにも含まれるヘムが生成されるのですが、日本酒の製造工程の中では鉄と結びつく機会が少ないため、ヘムにならない5-ALAが多く、含有量が多いことが推測されます。

次に「並行複発酵」により、5-ALA量が多いということが考えられます。「並行複発酵」とは、デンプンを原材料として最終的にアルコールを得る醸造のプロセスのことです。

麹の酵素によってデンプンをブドウ糖へ変化させる糖化と、ブドウ糖を酵母の働きによってアルコールへ変化させる発酵をタンクの中で並行して複数同時に行う発酵をいいます。日本酒造りで大切なプロセス「一麹、二酛、三造り」で行われる発酵のことです。

生物の生命活動において重要な栄養素はたくさんありますが、ブドウ糖はエネルギーを作る上でとても重要な成分です。酸素を取らずに栄養が取れるブドウ糖は、発酵を行う酵素にとっても大好物です。大好物のブドウ糖を酵素が取り入れるとブドウ糖だけで満足してしまい、5-ALAの合成を行わなくなるということが考えられます。

しかし、日本酒造りにおいては「並行複発酵」により、デンプンから糖化したブドウ糖は、すぐに酵母の働きによりアルコールへ変化するため、日本酒におけるブドウ糖の含有量は少なく、5-ALAを活発に生成し、5-ALAの含有量が多いことが推測されます。

Q.日本酒製造の副産物「酒粕」や「甘酒」はなぜ5-ALA量が多いんですか?

A.あくまでも特定の商品で計測した結果ですが、酒粕の5-ALAの含有量は「900μg~2600μg/100g」と日本酒と比べてもけた違いに多いです。甘酒も「600μg/100g」とこちらも多いです。

製造の条件によって日本酒と同様に含有量に幅があることが考えられます。おそらく「日本酒の方に5-ALAが多いと酒粕の方が5-ALAが少ない」、「日本酒の方に5-ALAが少ないと酒粕の方に5-ALAが多い」という関係性であると推測されます。「甘酒」は糀甘酒や酒粕甘酒があり、種類によって含有量が違うことが予測されます。

Q.日本酒と5-ALAにおいて、今後どういう期待ができるんでしょうか?

A.日本酒と5-ALAの効果については、すべて研究して結果としてしてしてみなければ断言はできませんが、まだ研究が進んでいない分、十分に色々な可能性を秘めていると思います。

まず、原理的に考えると、5-ALAは肝臓のミトコンドリアを活性化させる機能も持っているので、肝機能もサポートしており、日本酒はもしかしたら肝臓に負担をかけない適量では、肝機能を改善させることへの期待もあります。

また、5-ALAはある程度の温度であれば壊れることはなく、安定性があるので、日本酒の魅力である燗酒でも含有量に影響がありません。日本酒を飲むことでコロナの予防や感染防止になるのか、直接的に効果があるとは言えませんが、日本酒をひとりで家で飲むこと、また少人数で落ち着いて飲むことは精神的にも健康にも良く、リラックス効果、血流改善にもつながる可能性もあるので、マイナス要素はないと考えられます。

論文が発表された時点では試験管上での研究でしたが、現在、長崎大学では臨床実験も始まっており、新たな変異株への阻害も期待されております。

※上記の内容は、アイディーテンジャパン株式会社(所在地:東京都目黒区、代表取締役:澤田且成)が運営する日本酒プロ向けセミナー「Sake Insider Seminar」の講演(6月17日開催)で、上記で紹介の論文を発表した長崎大学の北潔教授を迎えた「新型コロナウィルスの増殖を阻害!?日本酒に含まれるアミノ酸の正しい情報を!」をもとに書かれました。

酒蔵とのやり取りから酒蔵プレスが考えること

酒蔵プレスでは、全国の酒蔵を応援するため、様々な取り組みを行っております。酒蔵様と連絡を取る中で「コロナに感染した」という話を一度も聞いたことがなく、皆様とても健康です。
健康に関していうと、今回の新型コロナウイルスの感染だけでなく、日頃の風邪なども含めて、酒蔵様は皆様とても元気にしておられます。もしかしたら、日頃から菌と触れ合い、日本酒を醸造する酒蔵様の日常生活の中にも健康であることのヒントがあるかもしれません。

酒蔵様、そして日本酒業界を盛り上げるべく、酒蔵プレスを通じて皆様に情報を発信いたしますので、今後ともよろしくお願いします!家飲みでも飲み過ぎには気をつけてご自愛ください!!

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