日本酒業界最大の団体で、全国1,691 の蔵元が所属する日本酒造組合中央会(以下:中央会)は、国内で最も早く、2020年度(1~12 月)の清酒輸出総額を発表しました。
2020年度 清酒輸出総額 約241億円(昨対比103.1%)を突破!11年連続過去最高記録を達成 !
輸出金額第1位は香港で、コロナ禍にも関わらず伸び率が約157%!第2位は中国。
【輸出実績推移トピックス】
【全体】
●コロナ禍にもかかわらず、過去最高の輸出金額を達成。総額約241 億円(昨対比103.1%)。
昨対比では、数量では87.3%ながら、金額では103.1%となりました。
●数量では、前年比87.3%となり、海外のトレンドが、量よりも質を求める傾向にあることがわかりました。
一升瓶(1.8ℓ)に換算すると約1200 万本。一升瓶(高さ約40cm)を並べた距離に換算すると
約4,800km(日本一の酒どころ、神戸・灘-マレーシア間に相当)に達する計算となります。
【国別】
●金額の第1 位は香港。初めてアメリカが首位を他国に譲り渡す形となりました。数量では変わらず アメリカが第1位。日本酒が幅広く飲まれている背景があることをうかがわせる一方、金額面では、中国、香港、シンガポール等
アジアがけん引し、高価格帯の日本酒が選ばれる傾向にあることがわかりました。
●2位の中国は、10年前と比較して伸び率が約1,600%と驚異的で、現地での日本酒を取り扱う人や愛飲者が増えていることを裏付けました。
【本年の発表を受けての有識者のコメント】
≪日本酒造組合中央会 理事/宇都宮 仁≫
各国のロックダウンでレストラン向けの売上が大きく低下し、輸出数量が13 ポイント下がったにもかかわらず、輸出総額が我々の予測以上に昨年を上回り、過去最高額を達成したことは非常に嬉しいことでした。
各国でも、イエノミへの対応で、個人向け店頭販売や通信販売等、日本酒の新しいマーケットが広がっていると聞いています。金額面では、中国、香港、シンガポール等アジアがけん引し、アメリカ、イギリスに比べても高価格帯の日本酒が受け入れられる傾向にあります。
特に、中国においてはいまだ輸出制限がある中でのこの数字であるため、制限解除後のさらなる伸びに期待しています。
≪日本の酒情報館 館長/今田周三≫
日本の酒情報館ではインバウンドの来館者はほとんど見かけぬ日常になってしまいましたが、Sake On Air、Sake Future Summit など、オンラインを中心とした情報発信に力を入れる1 年になりました。海外で日本酒に関わる人々や消費者とのネットワークを繋げる活動を通じて、今後も、コロナ禍に負けない、今だからこそできる情報発信に注力してまいります。
まだまだ予断を許さぬコロナ禍ですが、日本の酒文化を世界へ広げていきましょう!