地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第232回目の当記事では、新潟県新発田市(しばたし)の菊水酒造(きくすいしゅぞう)を特集します。
伝統と発酵の力で織りなす酒蔵
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
創業1881(明治14)年。越後平野の北部に位置する新潟県新発田市の酒蔵です。創業以来培ってきた発酵の力で大地の恵みを醸しながら営々と受け継がれてきた日本の文化を生かし、人々の健康、憩い、楽しみに貢献してまいります。
―代表銘柄は?
「菊水ふなぐち」
酒造りの工程では、発酵を終えた醪(もろみ)は布の袋に入れてしぼり、清酒と酒粕に分離します。この袋を並べ重ねて入れる大きな長方形の器物を酒槽(ふね)と言い、酒槽の口から流れ出てくる清酒を菊水では「ふなぐち」と呼んでいました。
まさにしぼりたての、火入れ(加熱処理)も割水調整もしていない、しぼったままの生原酒です。この酒本来の味わいを詰めたことから、「ふなぐち」とネーミングしました。
お薦めの飲み方:冷やして、又はロックで
また、2022年、「ふなぐち」おかげさまで発売50周年を迎えました。
お客様への感謝の気持ちを込めて「菊水ふなぐち200ml」を対象とした、ポイントキャンペーンを開催しています。
―イチオシ商品はなんですか?
「菊水ふなぐちスパークリング 270mlボトル缶」
ふなぐちファンに捧げる1本として発売したシリーズ初のスパークリング生原酒、通称「ふなスパ」。
アルコール19%のしぼりたての生原酒に炭酸をプラスし、ほとばしる旨みがはじけるエクストラリッチな味わいが特徴です。
お薦めの飲み方:冷やして、又はロックで
お薦めの地元料理:濃厚かつ爽快な飲み口で、若鳥の唐揚げや照り焼きチキン、ゴルゴンゾーラチーズなどしっかりした味わいのお料理との相性が抜群です。
「菊水の味」蔵人の心意気と使命
―酒造りで心がけていることは?
築き上げてきた技術やノウハウを数値化することで情報を蔵人間で共有し、「誰が造っても、常に菊水の味を届ける」ことを心がけています。これは蔵人のこだわりでもあり、菊水酒造の使命でもあります。
私たちはお客さまがいて初めて成り立ちます。お客さまが求めているのは「造り手の味」ではなく「菊水の味」。これからも伝統を守り、継承していきます。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
新発田市は、江戸時代には十万石の城下町として栄え、現在も新発田城・清水園・足軽長屋などの歴史的遺産をまちの随所にとどめています。全国的にも有名な月岡温泉や、四季を通じて楽しめる山から海までの豊かな自然など観光資源が充実しています。
また、かつて東洋一といわれた桜堤を有する加治川が潤す肥沃な大地の恵みを受け、県内有数のコシヒカリやアスパラガスなどの農村物の産地でもあります。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
菊水酒造では、数多の資料を紐解き日本酒を楽しくするモノとコトを創り出してきた「菊水日本酒文化研究所」と全国有数の庭園の修復を手掛けた庭匠・田中泰阿弥が、更地から作庭した蔵元髙澤家の庭園を一般公開しています。
北越後・新発田の菊水酒造の蔵見学で、日本酒の新しい愉しみ方を見つけにいらっしゃいませんか。
今回ご紹介した酒蔵について
【新潟県】
菊水酒造株式会社
新潟県新発田市島潟750
https://www.kikusui-sake.com/home/jp/
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