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~「口中で広がって喉で消える」酒質を目指す~【三重の寒梅、伊勢正宗、はま娘】丸彦酒造株式会社-三重県


地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と日本酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第5回目の当記事では、三重県四日市(みえけんよっかいちし)の丸彦酒造(まるひこしゅぞう)を特集します。


酒造りの原点に立ち返り「本物の日本酒・真の日本酒」の考えから生まれた「三重の寒梅」

―酒蔵の歴史について教えて下さい。

藤原大地 社長

丸彦酒造株式会社は今から約150年前の慶応3年(1867年)に鈴木彦左衛門が創業した現在で7代続く酒蔵です。彦左衛門はこの地の地主で、小作から地代として受け取る年貢米が豊富にあったことから酒造業に参入したと言い伝えられています。

創業当初の屋号は「鈴木酒造場」といい、「丸彦正宗」という名の酒を製造していました。
その後、普通酒が全盛期の時代、5代目鈴木彦松が「はま娘」を製造し販売を開始し、この頃に三重県清酒品評会において5年連続の首位賞を受賞しました。
かつて川島町には8社程酒蔵がありましたが、企業整備によって集約され、現在残っているのは丸彦酒造株式会社1社のみです。

現在の主力商品、「三重の寒梅」は6代目鈴木哲夫が誕生させた銘柄です。全国を巡り、色々な酒を飲み歩き研究を行いました。
生活やライフスタイルが変化し、消費者の日本酒離れが進むな中、もう一度酒造りの原点に立ち返り「本物の日本酒・真の日本酒」とは何かを考え直し、老若男女問わず多くの方に美味しいと喜んでもらえる日本酒を作りたいという想いから「三重の寒梅」は誕生しました。

―代表銘柄は?

  • 三重の寒梅
    三重県産山田錦を100%使用し、精米歩合は60%以下の商品を三重の寒梅として醸しております。定番商品は吟醸酒と純米吟醸酒、落ち着いた香りで飲みやすい商品です。あえて二年熟成させている為、飲み飽きしないのも特徴的です。

    大吟醸酒は、香り華やかでスッキリとした味わい、全国新酒鑑評会にて金賞6回しております。SAKE-China2020では、初出品にて大吟醸部門でプラチナ賞を受賞。日本酒初心者の方にぜひおすすめをしたい逸品です。

  • 伊勢正宗
    三重県産米を100%使用し、精米歩合は60%以上の商品を伊勢正宗として醸しております。毎日晩酌したい酒をモットーに、飲み疲れしない味わいに仕上げています。冷やしても良し、お燗もよし、幅広い温度帯で味わえるのも特徴です。

  • はま娘
    主に普通酒がメインの銘柄です。昭和時代から製造しています。昔ながらの味わいが特徴的で造り方は販売当初から変えずに伝統技法にて造り上げています。

「三重の寒梅 大吟醸 元帥(げんすい)」「純米吟醸 三重の寒梅 辛口」

―イチオシ商品はなんですか? 地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか?

  • 三重の寒梅 大吟醸 元帥
    三重県産山田錦100%使用。香りは華やかでメロンやバナナなどの果実の香りやスイカズラや青竹や新緑的な香りも感じられます。色味は透明感があって無色に近いクリスタルからシルバー色。

    アタックはスムーズで柔らかな甘みを感じ、広がりはなめらか、爽やかな酸味が穏やかな苦みと共に味わいを引き締めます。推奨温度帯は10℃~12℃(花冷え~涼冷え)、中位のワイングラスでお飲みになることをおすすめしています。

    料理は、大吟醸の新緑の香りと爽やかな酸味に合わせて、かぼすやゆずを添えられるような、お魚のカルパッチョ、スモークサーモン、山菜の天ぷらが向いています。

  • 純米吟醸 三重の寒梅 辛口
    三重県産山田錦100%使用。香りは爽やかでバランスの取れた味わいです。口当たりは米の旨みが広がり、キリッとドライな後味が特徴。(醸造アルコール添加無しで日本酒度+11です)、伊勢水沢牛の焼肉や韓牛プルコギなどの肉料理と相性が良いです。肉以外にも海鮮料理との相性も良いです。

    推奨温度帯は10℃~45℃(花冷え~上燗)、酒器は温度帯によって変えると尚良いかと思います。冷やしたときは中位のワイングラス、お燗の時はおちょこ(万古焼)でお飲みください。
酒蔵プレス編集部

酒蔵プレス唎酒師による「三重の寒梅 大吟醸 元帥」テイスティングノート

●香り
鼻の奥まで届くしっかりとしたフルーティな香り。厚みのある香りは味わいの深さを感じさせます。

●味わい
軽快でありながら旨味が強く、アルコール度数が16.8度とやや高めなので、舌の上に広がるアルコール感、喉越しのキレの良さが特徴的です。

●ペアリング
旨味とアルコール感が強いので、牛肉の赤身やカニなどの日本酒に負けない旨味が強い料理と合わせることで、料理と日本酒の余韻を両方楽しめます。

●総評
香りと味わい、余韻のバランスが取れたレベルの高い大吟醸酒。名前やパッケージのプレミアム感を一切裏切らない香り・味の厚みで、特別な時に飲みたい日本酒です。

口中で広がって喉で消える

―酒造りではどんなことを心がけていますか?

吟醸酒という酒を日常の食生活に浸透させる事によって日本酒の良さを知って頂きたい。
そのためには酒質にこだわり、伊賀上野の大山田村の農家に山田錦の栽培を契約栽培(一部四日市の農家に契約栽培を依頼)。原料に用いる米は全量山田錦(一部三重県産米)で、契約農家以外に兵庫県の山田錦も用いています。

精米歩合は60%以下を定義とし、仕込みに用いる水は全量を鈴鹿山系の地下水(中硬水)を使っています。地下水は豊富で洗い物に至るまで日常的に使用しています。
「口中で広がって喉で消える」酒質を目指し、日々酒造りに取り組んでいます。

鈴鹿山系の地下水が湧き出ている湯の山温泉地域

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

丸彦酒造は、三重県北勢地域の四日市市に位置しております。
仕込み水に使用している鈴鹿山系の地下水が湧き出ている湯の山温泉地域をお勧めいたします。御在所岳の山麗の東側に位置し、自然が非常に豊かな場所であり、四季折々の景観に富んだ温泉です。歓楽街化しておらず、ファミリーの行楽向けから、鈴鹿山脈のレクリエーションやレジャーの拠点となっています。
毎年10月初旬には僧兵まつりが行われるなど四季に応じてイベントを開催しております。

また、恋愛成就の寺で知られる三岳寺や各旅館の料理は地の物にこだわったものを使用している為、ここでしか味わえないものをお楽しみいただけます。
天然温泉が多いところも魅力の一つです。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします!

いつも日本酒をご愛飲・応援をして頂きまして誠に有難う御座います。
「日本酒」=「国酒」=「日本を代表する酒」と自負しております。
酒というジャンルの中で日本酒を一押し頂いているお客様・日本酒が苦手なお客様、様々な方がおられると思いますが、日本酒のすばらしさを伝えていくことも酒蔵の役目の一つと考えております。

お会いできる機会が御座いましたら、その際は「あの時見た」などとお声掛けいただけるとすごくうれしく思います。
今後とも「日本酒」の応援を何卒宜しくお願い申し上げます。

今回ご紹介した酒蔵について

【三重県】
丸彦酒造株式会社
https://www.mienokanbai.jp/
三重県四日市市川島町1863-2

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酒蔵プレス編集部

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