地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第189回目の当記事では、新潟県中魚沼郡津南町(つなんまち)の津南醸造(つなんじょうぞう)を特集します。
津南の自然から育んだ酒造り
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
地元の米生産者と行政や地元農協が出資しあって1996年に設立した、日本国内でも珍しい酒蔵です。その背景には、津南では素晴らしい酒米を作るということで日本酒業界から引く手あまたであった一方、海外米や国内のブランド米が市場に入ってきたために魚沼産コシヒカリの一辺倒の生産体制に危機感を覚えた理由がありました。
津南醸造に津南町の米生産者の未来を託して、津南の自然条件を活かした酒造りをこの地でスタートさせたのです。
―代表銘柄は?
「つなん 白」
厳選された津南産「五百万石」を40%まで磨き上げ、贅を極めた最上級のお酒。上品な吟醸香とキレのよい味わい、優雅で華やかな飲み口です。
お薦めの飲み方:冷酒、常温
「GO PINボトル DINER」
この「郷(GO)DINER」は、まさに食事中に飲んでいただくことで最もその旨さを味わえる仕上がりにしました。
美味しい食事をより引き立て、雪国の純粋な水と米から生まれた最高に自然の状態で、素敵なディナーを楽しんでいただける一本です。
お薦めの飲み方:冷酒、常温
―イチオシ商品はなんですか?
「つなん 藍」
落ち着いた香りとふくらみのある味わい。 香味の調和を追求した吟醸造りの逸品です。
お薦めの飲み方:冷酒、常温
お薦めの地元料理:津南ポークのグリル、雪下人参のサラダ
雪の蔵から生まれた、なめらかで口当たりの良い酒
―酒造りで心がけていることは?
2~4mもの雪が降る豪雪地帯にある酒蔵だからこそ、雪の恩恵を活かした酒造りに取り組んでいます。
津南醸造は冬の時期に造り始め、雪が積もる頃には造りのピークを迎えています。蔵が雪に囲われ“かまくら”状態の中、蔵の温度は低温が一定に保たれるので雑菌がわきにくく、麹菌の動きをコントロールしやすくなり、美味しい酒をつくりやすい環境になります。
また、一定の低温だとじっくりゆっくりと発酵をすすめることができるため、なめらかで口当たりの良い酒に仕上がります。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
・スカイランタン
津南町で開催される冬の祭り。夜空に浮かぶ約2,000個のランタンが幻想的な雰囲気を演出します。(https://tsunan.info/snowfes/ )
・秋山郷の紅葉
津南町の秋山郷は、紅葉の名所です。山々の紅葉が美しく、多くの観光客が訪れます。(https://tsunan.info/list_cate/akiyamago/)
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
春は雪と桜の景色、夏はひまわり畑、秋は日本最大級の河岸段丘の迫力ある紅葉、冬は圧倒される豪雪が楽しめる、自然豊かで美味しい食べ物に恵まれた土地です。
ぜひ酒蔵見学・試飲をしに、津南町に遊びに来て下さい。
今回ご紹介した酒蔵について
【新潟県】
津南醸造株式会社
新潟県中魚沼郡津南町大字秋成7141
https://sempuku.co.jp/
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