本記事では、全国各地のお酒を実際にテイスティングし、香りや味わい、編集部が感じた印象を率直にお伝えしていきます。
今回取り上げるのは、鹿児島県大島郡にある有限会社松永酒造場の「マルシカ」。
その個性を、基本情報とともにじっくりと味わってみました。
今回の酒蔵
松永酒造場は、鹿児島からおよそ南に400㎞ほど離れた奄美群島の一つである徳之島の南に位置する、長寿の町で知られる伊仙町にある黒糖焼酎の酒蔵です。
昭和27年、伊仙町の鹿浦という港町で創業。地名から「まる鹿」と命名され親しまれていました。
昭和40年に徳之島の5つの酒蔵が共同瓶詰め会社を設立し統一銘柄となったことを機に販売中止へ。
それから、半世紀の時を経て、令和2年12月、三代目松永晶子が先祖から受け継いできた熱い想いを胸に「マルシカ」を復活させました。

お酒について
今回テイスティングしたのはこの3種類。
- 奄美黒糖焼酎「マルシカ」
- 徳之島産無農薬グァバ茶リキュール「マルシカ」
- 徳之島産無農薬シークニンリキュール「マルシカ」
青いラベルが目印の奄美黒糖焼酎「マルシカ」と、それをベースにしたリキュール2種をいただきました。


テイスティング
奄美黒糖焼酎「マルシカ」
原材料:黒糖(国内製造)/米こうじ
アルコール数量:25%
【商品説明】
代々女性杜氏が丁寧に造りに向き合い、醸し出されてきた、非常に味と香りのバランスに優れた黒糖焼酎です。
米麹と黒糖という高価な素材の持った風味を極限まで残す蒸留方法にこだわり、うまみ成分を最大限に引き出しています。

【レポート】
グラスに注ぐと、まず目に入るのは透き通ったクリアな佇まい。奄美黒糖焼酎「マルシカ」は、見た目からすでに雑味のなさを感じさせます。
立ち上がる香りは、黒糖焼酎らしい砂糖を焦がしたような香ばしさがあります。
口に含むと、味わいは驚くほどまろやか。クセが少なく、焼酎に馴染みのない人でもすっと受け入れやすい酒質です。アルコール感は感じつつも角は立たず、ストレートでも飲み進めやすいバランスに仕上がっています。
飲み終えた後は、程よい余韻が静かに残り、重たさはありません。黒糖由来の香ばしさを感じながらも、飲み口はやさしく、気負わず杯を重ねられる一本だと感じました。
徳之島産無農薬グァバ茶リキュール「マルシカ」
原材料:黒糖焼酎(徳之島製造)/有機グァバ茶(徳之島製造)/食物繊維
アルコール数量:12%
【商品説明】
黒糖焼酎マルシカと徳之島産有機グァバ茶のマリアージュ。
有機栽培にこだわった福留農園で育まれたグァバ茶は、ビタミンやミネラルを多く含んでいます。 徳之島の大地を思わせる豊潤で豊かな味わいを楽しめます。

【レポート】
こちらは先ほどのクリアな印象と違い、黄金色に輝く液色が目を引きます。とろみはなく、見た目どおりサラサラとした軽やかな印象。よく見ると、わずかに沈殿物があり、素材感を感じさせます。
香りは意外にもスパイシー。鼻に近づけると、ミントを思わせるスーッとした清涼感が立ち上がり、リキュールらしい甘さを想像していると少し驚かされます。
口に含むと、強い甘さはなく、やさしくほのかなお茶のような甘みが広がります。アルコール度数は12%ですが、その数字を意識させるような重さは感じません。冷やすと全体が引き締まり、キレのある飲み口に。常温では甘みが前に出て、印象がやや変わるのも面白いところです。
余韻は短く、後味も軽やか。気づけばもう一口手が伸びてしまう、そんな飲み進めやすさが印象に残りました。
徳之島産無農薬シークニンリキュール「マルシカ」
原材料:黒糖焼酎(徳之島製造)/無農薬シークニン(徳之島産)/ブラニュー糖(国内製造)
アルコール数量:10%
【商品説明】
黒糖焼酎マルシカと徳之島産無農薬シークニン(徳之島に自生するカンキツ)のマリアージュ。
無農薬栽培にこだわったダイキチ食品のシークニンは、ビタミンC、フラボノイド、ノビレチンの含有量が圧倒的に多いスーパーフード。徳之島の太陽を思わせる、さわやかなフリーティーな香りを楽しめます。

【レポート】
グラスに注いだ印象は、先の2種類と比べるとやや黄色みを帯びた色合いの中に、シークニンの果肉が沈殿しているのが見えます。他の2種と比べると、液体にはわずかにトロみがあり、果実感が視覚からも伝わってきます。
香りは柑橘系ですが、みかんのような甘さを思わせるものではなく、すだちを連想させるような、きりっとした酸味のある印象。鼻に抜ける感じも爽快で、すっきりとした飲み口を想像させます。
口に含むと、第一印象ははっきりとした酸味。そこに、ほんのりとした甘みが重なり、酸っぱさだけが前に出すぎることはありません。炭酸で割るとより爽快感が増し、ロックでは酸味と果実感のバランスが際立ちます。
後半には若干の苦味が感じられ、全体の味わいを引き締めてくれるのも印象的です。軽やかでありながら単調にならず、飲み進めても飽きにくいリキュールだと感じました。
まとめ
今回テイスティングした「マルシカ」は、黒糖焼酎を軸にしながらも、それぞれがはっきりと異なる表情を持つ3本でした。
ベースとなる奄美黒糖焼酎は、香ばしさを備えつつも飲み口は穏やかで、ストレートでも構えずに向き合える一本。その酒質があるからこそ、リキュール2種にも無理のない広がりが感じられます。
グァバ茶リキュールは、甘さに寄りすぎず、清涼感と軽やかさが印象的。シークニンリキュールは、酸味とほのかな苦味が味わいを引き締め、飲み方によって表情が変わる楽しさがありました。
いずれにも共通しているのは、素材の個性を前に出しながらも、飲み疲れしにくいバランスの良さ。
徳之島という土地と、長い時間を経て復活した「マルシカ」の背景を思い浮かべながら味わうことで、一本一本の印象がより立体的に感じられるシリーズだといえそうです。

酒蔵について
有限会社 松永酒造場
鹿児島県大島郡伊仙町阿三1283-1
公式サイト:https://www.marushika-waido.com/index.html
公式SNS
Instagram:https://www.instagram.com/marushikachannel/?hl=ja
Facebook:https://www.facebook.com/marushika.waido/?view_public_for=162798540568438
デザインも可愛らしいので、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
https://www.sakagura-press.com/